大学を卒業して新卒でやっと念願の企業に入社したものの、自分のイメージしたことと大きなギャップを感じて、僅か2、3年でその会社を辞めてしまったという人もかなりいます。そして「第二新卒」と呼ばれる立場で新たなステージを求めて転職活動をしていくことになります。ここで、「第二新卒」の人達が頭を悩ましているのが「職務経歴書」です。
「職務経歴書」は再就職・転職では欠かすことのできない書類ですが、「第二新卒」は、社会人・企業人としての職務経歴が浅いために職務経歴書に、どのようなキャリアを書けばいいのか迷っているはずです。それだけ「第二新卒」にとっては「職務経歴書を書くこと」は、難しいものです。この「第二新卒」の職務経歴書は、転職するに当たり、それまでの経験や年齢によって書き方が異なりますが、特に経験が少ない「第二新卒」、どんなことに注意して書けばいいのでしょうか? 本記事ではこの課題を解決するためのポイントを説明していきます。
企業は第二新卒の職務経歴書を見るポイント
第二新卒の人は、20代半ばで転職を考えることになりますので、この年齢に企業は着目しています。第二新卒の経験やスキルはあまり重視せずに、仕事に対する熱意や人柄、これからのポテンシャルを重視しています。採用担当者は書類選考の段階でも、この点をポイントに選考を行いますので、職務経歴書を書く時は、決して体裁を良く見せることに意識せずに、転職でその企業に対する思いを素直に盛り込むことです。「これからどのようなことに専念して、どんな結果を残していきたいのか」をシンプルな表現で書いていくことが大切です。
採用担当者が注視する第二新卒の職務経歴書の中身
前項目でも、述べたように第二新卒の求人企業の採用担当者は、「ヤル気」や「熱意」を職務経歴書から読み取ろうとしています。まだ社会経験の浅い第二新卒にとって、採用担当者の目に止まる職務経歴書の作成には、押さえるべきポイントがあります。大事なことは、若い人材の採用を積極的に考える企業が、これから入ってくる第二新卒に期待している点を押さえることです。
このポイントとは、中途採用のキャリアが即戦力として評価されることとは異なり、若手の採用で停滞している社内の若返りや活性化という面が一番大きな期待です。この期待感の中には、 社内の慣習やルールに馴染めるかどうかや、会社の目指す方向とその人の志向のベクトルが一致しているか等のことも、採用担当者は知りたい要素として含まれているのです。
経験が浅くても、第二新卒が効果的な職務経歴書が書ける
このように採用担当者の評価につながる職務経歴書にすることが、次の面接ステップにつながってきます。とは言うものの、社会経験の浅い第二新卒の人が、輝かしい実積や専門的なキャリアが見当たらないからと言って、アピールするものがないと諦めるのは早計です。どんな相手ともすぐに親しくなれる人柄や、コミュニケーションが上手に取れたり、困難なことでも最後までやり抜こうとする姿勢、マイナス思考をプラスに転じることができるポジティブな心構え等、書けることはたくさんあるものです。浅い経験とは言え、今までの仕事の中でどんな考えをして、どのような行動に結び付けて行き、結果はどうだったか、それまでに至る思考と行動プロセスも、職務経歴書でアピールできる材料です。
難しくない第二新卒の職務経歴書の書き方とは?
第二新卒の職務経歴書は、素直に転職の動機や熱意を盛り込んで、自分の長所を効果的にアピールできる書類です。しかし、経験がないために記述できず、文量が少ないままで、職務経歴書を出したなら、持っているはずの意気込みも、相手には届きません。そこで、第二新卒の効果的な職務経歴書の書き方を説明していきたいと思います。
今までの経験の書き出し
職務経歴書を書く前に、まず今まで自分がやってきたことを手書きでもいいので書き出してみましょう。社会経験、スキルがなくても、学生時代取り組んだアルバイトの経験、前職の研修期間に学んだことや、実践したことを書き出してみるのです。そして、仕事を通じて体得したり、見えてきたことは、書き方次第で自分のスキルとしてアピールすることも可能です。これまでのことで思い出せることは、できるだけ多く書き出してみてください。
書き出したものから、アピールできる項目を職務経歴書へ
思い付いたことを全て書き出したら、その中から、自分をアピールできる項目や転職に対する意気込みとして、職務経歴書に盛り込めるものを選びます。
それをブラッシュアップして、職務経歴書に書き直すのです。ビジネス文書では必須の個条書きに時系列でまとめていくと、かなり説得力のある経歴書になっていきます。
第二新卒の職務経歴書の各項目ポイント
職務経歴書には、次のような項目があるので、以下のことを参考にしながら、まとめて行くと、整理がしやすくなります。
経歴要約
まずはこれまでの経験を要約します。
第二新卒の人が転職する場合、求人企業は、その人の経験とスキルではなく、熱意・人柄・将来性をしっかりと見ます。そこで職務経歴書では、これまでの経歴を端的に記載しつつ、これから目指す目標、これまで苦労して学んだこと、意識して取り組んだことを、しっかりアピールしながら、記入していきます。
職務経歴
職務経歴では、前職の会社概要を正確に記入することが必須です。事業内容、従業員数、設立年、売上高、資本金を記載することで、求人先の採用担当者は、どのような会社に勤務していたのか、理解を深めてくれます。
職務経歴詳細
ここからは、担当したことのある職務を詳しく記入していきます。扱った製品・サービスなど、どのような顧客に、どのようなアプローチ(販売)をしてきたのか。それも組織と手法・ノウハウを交えなかなら、成果をまとめていきます。また、成果を記載する時には、数字も記載することで、客観的な評価になります。数字を記載することは、企業では重要な評価材料となるので、さらに採用担当者に伝えやすくなります。
資格・スキル
そして、スキルの記載です。これまで取得してきた資格は全て記入しておくことが大切です。また、その資格がこれまでの業務でどのように活かされていたかを記入しておくと、より説得力が増して行きます。
自己PR
そして、自己PRです。第二新卒の求人では、企業は求める人物像の基準があるので、自分の熱意や長所・スキルが合致していると、求人企業は、「この人物は貢献できる」という評価を下してくれます。
キャリアアドバイザーに相談してみる
もし、転職エージェントに登録しているなら、キャリアアドバイザーの人に相談することもポイントです。第二新卒として、客観的に自己分析して、採用担当者の求める内容に書けるようにすることができます。
職務経歴書テンプレートも活用してみる
職務経歴書を書くポイントさえ掴めば、決して難しく受け止める必要はありません。さらに効果的に書くためには、転職エージェントや転職サイトが無料で提供しているテンプレートを利用すると、書き方やサンプルデータも参考にすることができるので、ダウンロードして活用してみましょう。第二新卒用の職務経歴書のテンプレートを使うだけで、時間と労力の手間も省けますし、採用担当者の受け止め方もかなり変わっていきます。サンプルとして例文もあるので、書き方の流れは理解しやすいと思います。
まとめ
第二新卒の人が転職を成功させるためには、やはり「ヤル気」と「人柄」、「将来性」を企業は重視します。しかし、いくら熱意を持っていたとしても、それを上手に職務経歴書で表現できないと、採用担当者に伝わりません。ここで説明したことをしっかりと理解して、ぜひ効果的な職務経歴書を作成してください。