コンテンツ&SEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」をはじめとし、デジタルマーケティングの問題解決におけるソリューションを提供する、株式会社Faber Company。今回は、同社でマーケティング活動を統括し、大規模なマーケティングイベントやセミナーなどでの登壇実績も豊富な月岡さんにインタビューを行い、色々なお話をお伺いしてきました。
―本日はよろしくお願い致します。
早速ですが、月岡さんの現在の所属と業務内容をお聞かせいただけますか。
月岡さん(以下敬称略)
IMC(インテグレイティッド・マーケティング&コミュニケーション)という部署で、コンテンツ&SEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」のマーケティングをメインに、会社としての対外的な宣伝、広報など外部に出すものすべてを担っています。
―マーケティング専任部署を立ち上げたとのことですが、具体的にどういった部署でしょうか。
月岡
実はマーケティングの役割でいくと、ほぼ私のひとり部署なんです。広報担当が一名と派遣の方にお手伝いいただいてますが、基本私のみです。見込顧客(リード)の創出から育成まで幅広くかかわっています。
―業務内容としてリードの創出から育成まで幅広く携わっているとのことですが、これらをひとりで実行していらっしゃるということでしょうか。
月岡
そうですね。セミナーでの登壇から、マーケティングオートメーションを使ってのリードマネジメントもやってますよ。データ加工、メール作成、セミナー受付フォームも作りますし(笑)インサイドセールスチームは別にいて、リードに対するコールは任せてますが、その手前のWEB問合せの創出やセミナー・展示会などのイベント企画運営などもやっていますね。
―なるほど。今後、月岡さんのマーケティング部署が拡大していくご予定というのはあるのでしょうか。
月岡
「ひとりで頑張っていたこと」こそが課題で、私の限界がマーケティングの限界になってしまってないかというのが問題意識です。マーケティングの組織化が今後必要と感じていますが、そのためには私が今まで経験・やってきたことを言語化し、誰でも出来るように体制を作らないとなりません。そしてそれらを駆使して「一緒にやりたい」と言ってくれる人を見付けていかないとなぁと思っています。
―では続いて、月岡さんご自身についてお聞かせください。現在勤務されているFaber Company入社に至るまで経緯を教えていただけますでしょうか。
月岡
新卒でSFA(セールスフォースオートメーション=営業支援システム)ベンダーに入社し、SFA導入コンサルタントを4年ほど経験しました。SFA導入に際し、お客様と打合せを重ねながら要望や課題に合わせてカスタマイズや設定を行うのがメインでした。次のキャリアとして「自分で営業してみたら」「自分のこれまでの知見はどう活きるだろう」と思い、転職を決意したんです。
その思いで転職したのがCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント=顧客管理システム)ベンダーです。そこで営業を経験、5年ほどで東日本エリアの営業マネージャーもやりました。その後、縁あってFaber Companyの創業会長に声をかけてもらって、入社したのが2014年です。
―営業職も経験されたとのことですが、その経験は今に活きているのでしょうか。
月岡
はい、活きていると思います。
なぜかというと、お客様の手元が見えないと「お客様が何に困っていて、うちのソリューションがどう解決に導けるのか」がわからないと思うんです。マーケティング部門はリードだけ取ってきたらいいだろう、など営業部門との軋轢はよく聞きますが、私は営業も経験してのマーケティングなので、その軋轢無く動けていると思います。ただ、関わる部門や人も増えてきたので、今後はもっと連携を取っていかないといけないですね。
―営業や他部署と連携を取るうえで気を付けていることはありますか。
月岡
営業はどこも一緒だと思いますが、基本的に面倒くさいことや、自分がやる必要が無いと判断したことはやらないんです。私もそうだったので(笑)なので「ここに情報ありますよ」と提示するだけでは、なかなか見てくれません。外に向かって発信するのと同じくらい、社内に向かっての情報発信というのも心掛けています。
―月岡さんの考える「マーケティング」の面白さはなんでしょうか。
月岡
当社におけるマーケティングの真の付加価値は「市場を創り出すこと」だと定義しました。
「いま困っている人」つまり課題が顕在化している人に出会うのはもちろんのこと、「まだ困っていることに気付いていない」潜在的なニーズを持っている人にも気付いてもらう必要があります。様々な手法を試せることは面白さの1つです。
また、当社セミナーに来て頂いた方に「すごいタメになりました」「今まで聴いたセミナーで一番です!」など言っていただくこともあります。お客様のアクションに繋がる、お客様の心を動かすことができる施策ができたときも面白さを感じますね。
-マーケティング活動で難しいと思うことはありますか。
月岡
統合的な「効果測定」は難しいですね。展示会に来た人が、ミエルカと検索して、製品ページ見て問合せ、営業が商談をしてミエルカを契約したとする。何が契約の要因だったかというのは、わかりにくいと思うんです。知ったキッカケをどう評価するのか、検討が進んだタイミングをどう評価するのか、と。一定の基準を設けて、評価するしかないのですが。。
―今後のキャリアビジョンを教えてください。
月岡
父親が経営者だったので、経営にずっと興味があります。自らが企画したアイデアやサービスをカタチにして、社会にベネフィットを提供していくというのはやってみたいですね。うちの会長がよく言っているのですが、「あの橋を立てたのは俺だ!」と言えるくらいの事業を創りたいです。
―これからマーケターを志す人に対して、一言お願いいたします。
月岡
何事にも好奇心を持つことと、チャレンジ精神を大事にして欲しいと思います。
常にアンテナを張って情報を収集しつつも、普通じゃやらないようなことをやってみるとか。例えば「セオリーの逆を行く」とかですね。尊敬するマーケター、マクドナルドの足立さんがとあるセミナーで「マーケターたるもの平穏な生活を望むな」と語ってました。朝会社来て、仕事して、定時に帰って、ご飯食べて、寝て、みたいな平和な生活をしていたらダメ、ということです(笑)
私も「今のままでいい」という現状維持は衰退だと思っていて、今流行っていることはなにかとアンテナを張って積極的に吸収する。情報はキャッチアップしつつ、半歩でも一歩でも先に進む努力をして欲しいと思います。
―なるほど。月岡さんはどんなふうに情報収集を行っていますか。
月岡
様々な情報ソースを押さえることも大事なのですが、コミュニティなどのリアルな繋がりを積極的に持っていくことも大事だと思っています。例えば、マーケティング系のコミュニティに参加してみるとか、全然違う業界の集まりに参加してみるとか。色々な人と会話することでアイディアが浮かぶこともありますしね。
―ありがとうございます。最後に「仕事をする上で役に立った」と感じる書籍があれば教えてください。
月岡
「影響力の武器」という本をお勧めします。
「なぜ、人は動かされるのか」という副題がついている、社会心理学系の本で名著です。様々な社会実験から人間心理が語られているのですが、ある実験では、ナイトクラブに来た若者100人に「酒」だと言ってアルコールの入っていないジュースを出します。それを飲んだ人たちは、アルコールゼロなのに酔っ払ってしまう。思い込みの一種だと思うのですが、不思議ですよね。そういった実例がたくさん書かれていて、人間心理って面白いなと。セールスやマーケティングにおいても、参考になることは多くあると思いますよ。
―本日はありがとうございました。