• 2020/03/12
  • インタビュー
  • 突撃!となりのマーケター

インサイドセールスのキャリア。 組織立ち上げメンバーからマネージャーへ

  • マーキャリ 編集部
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今回は、手順書プラットフォームTeachme Bizを提供しているスタディストの小林さんにインタビューしました。インサイドセールスとして4年間従事し、その後マネージャーとしてビジネスプロセスの改善に取り組まれています。もともとコンサルティング志望だった小林さんですが、ベンチャーの初期フェーズを肌で感じていないコンサルには意味がないと感じ1社目のベンチャー企業に新卒入社。インサイドセールス組織の立ち上げメンバーとして活躍しマネージャーへ。高校時代はラグビー部に所属し「仕組みやシステムを構築しつつも、局面に応じて臨機応変に動く」というラグビーの戦い方をビジネスでも生かしているそうです。
「インサイドセールスに興味のある方」「インサイドセールスとしてのキャリアについて考えている方」は必見です!

スタディストでの業務内容

――御社の事業内容について教えてください。

小林さん(以下敬称略)

弊社では、BtoB向けの手順書プラットフォームTeachme Bizを開発・提供しています。 どの企業でも、新しく入社したメンバーに、組織内のさまざまなマニュアルや手順を教えるかと思いますが、OJTで口頭で伝えるだけだったり、マニュアルがある場合も属人的であったりすることが課題にあげられます。

その中でTeachme Bizは、マニュアル作成・管理に特化しているので、アプリ内で手順を簡単にステップに起こしたり、ビジュアル化したり、Ver管理や整理、簡単にマニュアルを探すことができたりするため、手順や方法の伝達を最適化することがきます。

手順書が整っていることで、新しい人が慣れるのが早くなりますし、閲覧の有無もステータス管理できるので、仕事も回っていきます。そのようにしてコミュニケーションを効率化することで、企業は競争力を失わずに、価値の創造に集中できるようになります。

――小林さんが部内で担当されている業務内容について教えてください。

小林
現在、私が担当しているのは、ビジネスアライアンスとTeachme Bizのインサイドセールスの2つです。
インサイドセールスでは、マーケティング部からリードをもらって顧客が具体的な検討を始めるまでの営業活動を私がマネジメントしています。そして各メンバーは、顧客が資料をダウンロードした際、メールや電話で顧客の製品や知識の理解を高め、検討前の興味喚起を行っていきます。

インサイドセールスとしてのキャリア



――スタディストに入社される以前はどのような仕事をされていたのでしょうか。

小林
前職は、Web広告や、マーケティングツールを販売するベンチャー企業でした。新卒で入ったその年にインサイドセールス組織の立ち上げをすることとなり、インサイドセールスを4年ほど担当していました。その後インサイドセールスのマネージャーとなり、後半からはマネージャーと兼務するかたちで、営業のプロセスの改善も行っていました。経営企画的な動きですね。

――インサイドセールス立ち上げの経緯について教えてください

小林
マーケティング部がとってきたリードをそのまま営業部に渡すと濃いものも薄いものも当然ありますよね。
その中で営業は全てを丁寧に対応するというよりかは、良さそうなところだけをピックアップしてアプローチするようになってしまう。その結果、その他は塩漬けとなってしまいます。
その課題を解決するために、間に入るインサイドセールスがリード1件1件に対して中長期アプローチをし、リードの効果最大化を狙おう。という考えで立ち上げました。

インサイドセールスの立ち上げにおいて、ビジネスプロセス全体を俯瞰しリード獲得から商談獲得までの改善に取り組んで得たものは大きいですね。率直にビジネスプロセスの改善の楽しさを知ったとともに、いくつものプロダクト改善に携わっていきたいと思いはじめました。

インサイドセールスのマネージャーとして

――それからなぜスタディストに転職されたのでしょうか?

小林
ビジネスプロセスの改善に形が見えてきて、自分がゼロから設計することがなくなったタイミングで、プロセス改善を自分の力でできるのか試したかったのが大きな理由ですね。前職は新卒で入社したので先輩に助けられていた部分も大きかったので。転職活動では、ビジネスプロセスの改善ができるかどうかを主軸に企業を探していたところ、ちょうどビジネスプロセスを確立したいというスタディストにマッチしました。今は、全体のプロセス設計をマネジメントしつつも、1部署のマネジメントも兼務もしています。

――マーケティング活動の中で苦労されているのはどのような点でしょうか。

小林
ビジネスプロセスを改善するときに、難しいと思ったことがちょうど最近ありました。マーケティング部では、CVR改善時に変数が多くなればなるほど、何の施策の効果なのかがわかりづらくなります。例えばAという施策を入れて活動状態がCからDに変わったときに、他の変数も変わっていれば、Aの影響でCからD変わったのかが判断しづらい。

インサイドセールス活動の改善を進めた際、商談数は安定的になったのですが、受注数は同じような伸びをしなかったケースがありました。昔でしたら、商談化基準を現状より厳しいものにして、リードを精査し商談数を減らして受注数を改善をしたら良いのではと思ってしまっていたのを、あえて今回はやりませんでした。

その理由としては、さきほどのように変数が増えれば増えるほど、自分がした施策が正しいのか、あとで、振り返れなくなるためです。固定していれば、フィールドの営業活動の改善に目を向けることもできます。

マーケティング活動における課題

――マーケティング活動では、他部署との連携が難しいとよく言われますがいかがですか?

小林
そのあたりは気をつけながらスタートしていましたね。私がインサイドセールスに参画するまでの間は、リード全件への架電はしてなかったんです。マーケティング部が作ったリードに対して、一部のリードをピックアップして架電していました。それが信頼関係を築けないポイントかと思っています。

マーケティング部からすると、「これだけの量のリードがあるのに全然かけてない」インサイドセールス側からすると「良いリードがないから、効率化のため選り好んでいる」となりますよね。

その視点のズレを合わせるためには、いま発生しているリードの実態把握と、把握を進める行動力が必要になると思っています。その結果、まず行ったのはリード全件への架電です。

全件にコールしてレポーティングしていく中では、有効リード数の割合、かける必要がなかったリードの割合を把握し、その他のリードはMAツールを使って育てていくことに決めました。リードの状態を正しく認識し、リードを生かすための戦略をマーケティング部と進めることができるようになりました。

インサイドセールスだからこそ感じるマーケティングの面白さ



――マーケティングの面白さや醍醐味について教えて下さい。

小林
前々からマーケティングの面白さは、上流より現場にあると思っていました。特にインサイドセールスだと感じやすくて、マーケターはマクロ的に面で攻めるのは得意ですが、「そんなお客さん、本当にいるの?」といった現場が見えていないターゲティングができあがることもあります。
今悩んでて、すぐCVしてくれて、メッセージも理解、咀嚼してくれるユーザは、そうそういません。

より営業側に足をふみいれているインサイドセールスだからこそ、こんなお客さんいるはずないっていうのが、肌感でわかるのが面白いなと思います。面で戦いつつ、営業ほど点ではなく、マーケほど現実離れしない。
例えば、インサイドセールスチームで月に1000件ぐらい電話して、お客さんと会話ができると、ある程度、点の事象に陥らずに面で考えながらも、現実離れしない仮説が生まれます。それがインサイドセールスの一番の面白いところだなと思っています。

あとは、マーケティングって売れる仕組みづくりと言われますが、社内で売れる仕組みづくりを担うのが、インサイドセールスのトークや資料など、またそれらをどうオペレーションに落とし込んでいくかっていうところ。そういったインサイドセールスという役割が生んでいる面白さもあります。

――マーケターに求められるスキルはなんですか?

小林
データ分析は必要になってきますが、Googleアナリティクスなどの数字からインサイトを得ようとすると現場から離れていってしまうという感覚が強いです。

数字や時期によるトレンドから「今はこんなお客さんが来そうじゃないかな」と考え、数字の海に答えを探しにいこうとすると、自身の経験として失敗するのがわかっていて、どちらかというと、現場のメンバーからヒアリングする中で、「こんな人が面白い客層になるんじゃないか」という仮説を立てて、裏付けするのに数字を使うのが重要なスキルだと思っています。
数字の海に溺れて、現場離れした仮説を出してしまうと、オペレーション側から「そんなターゲットはいないですよ」と対立しがちです。常に現場を踏まえた仮説ベースで数字の検証をしていくことが大事です。

また、多くのマーケターは抽象的思考、特に数字だけでなく現場からも抽象的に考えるのが得意だと思います。良いマーケターほど営業に多く同行していたりユーザー会に出ていたりしていますからね。

――逆に営業側とはどうだったのでしょうか。

小林
営業側との連携に関してですが、アポを無理やりとるのではなく、ある程度商談化基準を作って進めていく方針にしています。商談化基準は、課題の把握、製品理解の度合い、その課題の解決策として製品があっているか、90日以内に検討が進みそうかどうかなどです。

他にも先方の担当者の方のミッションを聞いて、その方がどうすれば社内で評価されるかまでヒアリングして営業にリードを送るようにしています。

リードの精度に注力するとともにコミュニケーションも大事にしています。
リードに営業がアプローチしてみて、実際どうだったのかを、営業の担当メンバーとインサイドセールスメンバー同士でヒアリングしてもらっています。アプローチしてみたら先方の状況がリード情報と全然違っているといった情報も真摯に受けとってもらって、次のコールで注意するポイントもフィードバックしています。これにより共通認識ができるとともに改善も進むようになりました。

もともと、共有の文化は薄かったので、意識的に作っていった結果ですね。アポの日付だけ送るインサイドセールスも多くあると思いますが、先方の課題感、90日以内にいけそうかきちんとまとめて、申し送り事項としているのも取り組みの1つです。

ビジネスの考え方とキャリアプラン

――仕事上で大切にされている考え方を教えてください。

小林
仕組みと運用(人)のバランスが大事だと思っています。継続的なデータ収集を行うためには、仕組み100%、運用100%でやっても必ず崩壊します。例えば、ある程度の自動化はしても、一部分の入力はメンバーにお願いする。というかたちでやっていくと途中で途切れないデータというか。誰も無理せず途切れないデータができる。

実際、マーケティングの視点からすると、同じ基準で同じシグナルで送ってくれるデータこそ重要で一番喜ばれると思っています。データ収集に限らず何かを進めるときも、仕組みと運用のバランスを常に気をつけるようにしています。

――今後のキャリアについてお聞かせください。

小林
ビジネスプロセスの改善が一番楽しい部分ですが、将来的には、ビジネスプロセスの改善を型にしたり、実績ができたら、スタートアップ、コンサルの領域でいろんな会社さんを手伝うことができたらなと思っています。

――小林さん、お忙しい中ありがとうございました!

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