この記事は「チーム単位でのふりかえりにはKPTが有効!具体的なやり方やコツを解説します」の後編になります。
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KPTを行うための事前準備
KPTは主にチーム単位で実施します。人数としては、それぞれがきちんと発言できる程度で多くても8人といったところでしょう。 仕事のやり方を改善するためのツールですので、KPTに時間が取られて仕事に支障があるようでは本末転倒です。1時間以内が適切な時間の目安となるでしょう。あまり時間をとっても話がまとまりづらくなりうまくいかないことが予想されます。また、KPTを行う周期はできるだけ短くするのがコツです。プロジェクトが終わってからKPTを実施しても、単なるチームの反省会となってしまいやすく、本来の効果が発揮できません。プロジェクトの進行中にKPTを行えばプロジェクト中にチーム内の仕事の進行の仕方を改善できます。 「Keep・Problem・Try」それぞれの項目についてホワイトボードにふせんを貼っていくやり方が一般的です。大事なのは今後どうしていくかにあたる「Try」ですので、KeepとProblemでホワイトボードの左半分を2分割し、右半分をTryを記入するスペースにするとよいでしょう。
KPTの進め方
ここからは、具体的なKPTの進め方について順番に説明していきます。まずはKeepとProblemから
KeepとProblemは現状に関することなので、どちらから埋めても構いません。KeepとProblemは各人にふせんやメモ用紙を渡し、5分程度で記入してもらい、ホワイトボードに貼っていくのがおすすめです。KeepとProblemについては、KPTを始める前にあらかじめ用意しておいてもらうことにしてもよいでしょう。 Keepを記入する際のコツとしては、単なるプラスの感情の発表としないこと。「問題なくプロジェクトが進行していてよかった」などでは、称賛のし合いで終わってしまいます。KPTを使用する目的は「仕事の進め方を改善すること」であることを忘れずに。Keepは今後も続けていきたい「取り組み」や「役に立ったこと」を抽出して書き出していきましょう。 Problemを記入する際にも取り組みにフォーカスして記入しましょう。「やってはみたけれど上手くいかなかったので今後はするべきでない取り組み」について記入します。「進捗が悪い」などは単なる現状の共有に過ぎませんのでKPTを行う上でのProblemには該当しません。
また、チームメンバーが出したKeepやProblemについて、否定をしないことをルール化することをおすすめします。チームのAさんにとってはKeepでも、BさんにとってはProblemということも往々にしてありますし、何より否定をしてしまうと自由な発想でフレキシブルな意見が言いづらくなってしまいます。
Tryは全員で議論する
KeepとProblemが出きったらチーム全体で共有します。不明点があれば質問をしてチーム内に認識のずれがないようにしましょう。自分にとってはProblemだと感じていることがKeepの欄に貼り出されているなどあれば、理由を確認していきます。Tryについては、「Problemを解決するために行う取り組み」について意見を出していきます。このとき出た具体的な実行内容であるTryは、次回のKPTでKeepまたはProblemとなります。
KPTに限らずあらゆるフレームワークに言えることですが、改善策や実行内容については、具体的に行動できるものにすることが重要です。たとえば「今後しないように注意する」では具体性に欠け、実行できたがどうかの判定もできません。
KPTを成功させるためには、KeepやProblemをなるべく多く出すことがコツになります。1週間に1度という頻度でチームでKPTを実施したとしても、昨日や一昨日よりも前のことはなかなか振り返りが難しいものです。なるべく気づいた段階でKeepやProblemについてはメモをするようにしましょう。