この記事は「ペイオフマトリクスはたくさんのアイデアを取捨選択し優先順位をつける効果的 なフレームワーク」の後編になります。
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マトリクスを用意し、アイデアを配置する
たくさんのアイデアが出たら、それらすべてをホワイトボードに貼るなどして共有します。その際には、「効果」と「実現性」の2つの軸に沿って、4つの象限に当てはめていきます。どの象限に貼り付けていくかをメンバー間で話し合いながら決めることで、効果の高い・低い、実現性の高い・低いについてすり合わせができます。
各アイデアを評価、実行項目を決める
すべてのふせんを4つの象限に割り当て終わったら、どれを実行していくかを決定します。4つの象限のうち、優先して実行すべきなのは「実現性が高く、効果も高い」アイデアです。これはお金や時間をかけずとも、利益につながりやすいアイデアなわけですから、優先順位は最も高くなります。「実現性は低いが効果は高いもの」、「実現性は高いが効果は低いもの」についてどちらを優先するかは悩みどころとなりますが、「実現性は高いが効果は低いもの」を行うことで少しずつ資金をためるなどして「実現性は低いが効果は高いもの」を実行する流れが一般的です。
そして「実現性も効果も低いもの」に対しては、基本的にアイデアとして採用する意味はありません。時間やお金の浪費につながるからです。もし、実行する場合には効果や実現性を高めることができないかを模索するのが先決です。効果と実現性のどちらか一方、ないしは両方が高まった際に初めてアイデアとして採用するようにしましょう。
活用する際の注意点
ペイオフマトリクスを活用する上で最も重要な作業は、可能な限り多くのアイデアを出すことです。アイデア出しをする際の注意点は、「実現性・効果を無視してたくさんのアイデアを出すこと」です。一度ペイオフマトリクスを体験すると、どうしても実現性が高くて効果が高いアイデアを出そうとしてしまいます。 しかしあなたにとっては実現性や効果が低く見えても、チームのメンバー全員がそう捉えるとは限りません。例えば飲食店で集客を増やすためのアイデア出しをし、「駅前でビラ配りをする」という案が出たとします。 大きな声を出したり話しかけたりするのが苦手な人や、過去に実施した経験であまりビラをもらってもらえなかった人にとって、ビラ配りはあまり有効な方法には思えないでしょう。しかし、過去にたくさんビラを配ることに成功した経験がありそのうち何人かは来店につながったという体験をした人からすれば、ビラ配りは良いアイデアに映る可能性があります。
アイデアは深く考えずに可能な限りたくさん出すことが重要です。アイデアはすべて全体でどの象限にあてはまるかのすり合わせ・考察をするものです。店舗や会社にとってよい選択ができるよう、たくさんのアイデアを出すことがペイオフマトリクスを成功させるコツです。
マトリクスはエクセルやパワーポイントで作る方法もあります、さまざまなテンプレートがダウンロードできるので、ぜひ試してみてください。