この記事は『マーケティング担当の「キャリアパス」とは?』の後編になります。
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本質をとらえ、具体化する力
本質とは、別の言葉で言うと、概念の具体化や目的とも言えるでしょう。「時間のない働く女性がキレイになれる商品」がほしいよね、ということになった場合を例とします。
この際の本質の考え方は、以下のようになります。
・時間がないとは?→いつなら時間が取れるか、場所は関係あるのか
・働く女性の需要とは?→高価でもいいのか、持ち運びに便利な方がいいのか
キレイになる、時間がない、働く女性という概念を具体化したりその問題点を解決しようとしたりするとこのように考えられるわけです。
これはあくまで一例ですが、企画職には求められるスキルの中で一番重要なものになります。
ただ、この「形のないものを具体化していけるところ」におもしろみがあるとも言えるでしょう。
プレゼン能力
会社では慣習や規則で行うこと以外はほぼすべて上司の決裁を受けて行うことになります。新しいことであれば、モノによっては経営陣や各部署の長の集まる場面でプレゼンして方針の指導やアドバイスを受けることもあるものです。このようなプレゼンはもちろんですが、上司への細かな報告においてもプレゼン能力が求められます。
優れた企画も、うまくプレゼンできなければアイデアを実行に移すことにはつながらず、企画職としての価値が認められないからです。
会議などでの資料や機器を使ったものから、軽易な上司への報告まで、プレゼンに必要なのは以下のようなものが考えられます。
・論理的思考力
・会話スキル
・質問対応力
・忍耐力
これらは独学で勉強するよりは、「環境が人を育てる」という言葉もある通り、場数を踏んで伸ばしていく方が効率的かつ効果的なので、特に経験の浅い方は失敗を恐れず、どんどんチャレンジしていくのがいいのではないでしょうか。
各部署との調整能力
仕事は企画職だけで回るものではないので、各部署との調整能力も極めて重要なスキルだと言えます。例えば、「企画職の仕事とは」で紹介した仕事の流れの中でアイデア出しや商品の開発といった場面がありますが、これらの段階では、実は企画職だけで仕事を進めることはできません。
アイデア出しの段階では、市場調査や競合他社の類似商品やサービスの分析が必要でしょう。
大きな会社であれば、これらを専門に行う部署があるので、そこからの情報提供受けや調整が必要になるわけです。
また、商品開発の段階では、販促、広報、販売などの部署との調整が必要になります。
企画職にはこのように、各部署の中心となって調整しながら仕事を進めるスキルが求められるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。企画職の仕事と求められるスキルについて紹介してきました。企画職は、「課題の解決策を立て、それを実行する職」で、そのために物事の本質をとらえ、各部署と調整しながら形にしていかなければなりません。
0ベースから人の役に立つ商品やサービスを作り、世に出すことができるところに企画職のやりがいがあるといえるでしょう。
この際、ある時は各部署の中心となって、そしてまたある時は会社の先頭に立って仕事ができるところが、その花形たる所以なのです。
「これから企画職に就きたいと考えている方」「企画職に興味を持っている方」のお役に立てれば幸いです。