この記事は「PEST分析とは?分析の目的やコツを解説!」の後編になります。
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PEST分析の4項目の詳細
「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の4つについて分析すると言われても、分かりづらいところがあります。それぞれの項目についてのポイントを事例をふまえて詳しくまとめていきます。
Politics(政治)
政治の変化が自社にどのような影響を与えるかを分析するということです。この項目には法律や税制、政権、助成金などが含まれます。実例として分かりやすいのは消費税でしょう。10%に上がるのであればその前に大きな買い物をしようとする流れが起きるはず。であるならば家電製品の買い替え需要が起こると予想しいち早くセールをする、などの施策がとれますよね。Economy(経済)
この項目には景気や物価の変動、為替・金融などがあてはまります。外国からまとめて仕入れをしている食品業界などであれば円安か円高かで仕入れ額が大きく変わってきますよね。円安・円高は、中長期的には予想がしにくいことでもありますが、重要なのはあらゆる状況を想定して柔軟な対応ができるようあらかじめ分析をしてリスクヘッジをしておくことにあります。Society(社会)
この項目には社会的インフラや人口、流行や世論などが含まれます。例えば2019年であれば台風被害や、2020年ならオリンピックなども当てはまるでしょう。日本ではかねてより少子高齢化が問題となっており、すでに総人口は減少し始めています。子供が少なく、高齢者が多い状況です。高齢者が多いので、高齢者向けの介護ビジネスや関連企業が盛んになることは当然の流れで予想しやすいですが、子供が少ないからこそ一人の子供にかけられる教育費は上がっていくという分析もできるわけです。分析とは、今どうあるかといった調査したことをレポートにまとめるだけでなく、一歩踏み込んだ「これからどうなるか」を予想することにあります。この分析には確実な答えはありません。それゆえマーケティングを行うマーケターの腕の見せ所とも言えるところです。
Technology(技術)
言葉の通り技術の進歩による影響を分析することにあたります。新たな技術や特許、ビッグデータ、IT、IoT、AIなどの動向が含まれます。AIが発達すれば今ある仕事がなくなるのではないか、といったことが話題となっています。この状況は、企業としてはどのようなAIの使い方が分析ができるでしょうか。単純にAIを導入すれば人件費が浮くと考えることもできますし、AIが担うことになった仕事をしていた社員は人事などの別部署で活躍してもらう、逆に人員はカットするがひとりひとりの給与は上げることで、優秀な人材が集まりやすくするなどさまざまな捉え方ができるでしょう。自社を取り巻く外部環境を分析するPEST分析は、4つの要素をクロスさせて分析することで先を見据えた行動を柔軟にとるための準備がとれるというメリットがあります。予期せぬ事例に備えるだけでなく、企業が時代に合わせた変化をしていくためにも調査・分析を行うことは、欠かせない重要なことであると言えます。