• 2019/12/11
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プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)とは?マーケティングの基本フレームワークを知ろう!【前編】

  • マーキャリ 編集部
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企業が商品開発や経営を行う上で欠かすことのできないマーケティング。企業が複数の事業を抱えていれば、総合的な判断がマーケティングでも求められます。企業戦略において経営資源が最適に分配できているかを分析するための型、フレームワークがプロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)です。

この記事ではプロダクトポートフォリオの詳しい内容について、マーケティングについて詳しくない方でも分かるように解説しています。ぜひ参考にしてください。

プロダクトポートフォリオマネジメントは何の目的で行う?



マーケティングを行う手法はさまざまなものがあり、それぞれに使用目的があります。プロダクトポートフォリオは、会社が抱えるさまざまな事業に対して、適切に経営資源が分配されているかを分析する目的で行われるもので、戦略コンサルティングファームのボストンコンサルティンググループ(BCG)が1970年代に提唱したフレームワークです。

経営資源と聞くと「お金」のことが浮かぶでしょうが、経営資源とはお金だけでなく「ヒト」や「モノ」、「情報」、「時間」などがあてはまります。たとえば、将来性がある、これから伸びていく事業に対して人では足りているかと分析するのもプロダクトポートフォリオマネジメントの一環だと言えます。

プロダクトポートフォリオマネジメントについて知る上で、前提となるのは「事業を対象にしたフレームワーク」だということです。会社が持つ各製品や、サービスについて個別に分析するものではないことにご注意ください。

プロダクトポートフォリオマネジメントの2つの軸

経営資源が最適に分配されているかの判断をするために、プロダクトポートフォリオマネジメントでは2つの軸を用います。「市場の成長性」を縦軸に、「市場における自社のシェア」を横軸に取ります。2つの軸によって4つの象限が生まれますので、自社のそれぞれの事業がどこの象限にあるのかを分析していきます。ここからは4つの象限について詳しく説明していきます。

プロダクトポートフォリオマネジメントの4つの象限


4つの象限は、市場は成長しているがまだ自社のシェア率が低い領域、市場の成長が見込め自社のシェア率も高い領域、市場の成長率は低いが自社のシェアが高い領域、市場の成長は見込みえず自社のシェアも低い4つの領域に分けられています。

問題児(将来性高・シェア率低)

市場の成長は見込めるが、自社のシェアが獲得できていない象限に当てはまる事業のことを「問題児」と呼びます。現時点では利益を上げられていないが、将来的には大きな利益を生むことになる可能性を秘めている事業がここに該当します。

プロダクトポートフォリオマネジメントにおいては、最も重要な象限と言えるでしょう。なぜなら、ここに力を入れれば将来的に化ける可能性があるとはいえ、現時点では利益を出せていないので撤退も考慮すべき事業とも言えるからです。一概に育成すべき事業とも言えない悩みどころの事業です。

花形(将来性高・シェア率高)

将来性もあり、シェア率も高い象限に当てはまる事業のことを「花形」と呼びます。花形は聞きなれない言葉でしょうが、「スター」と言えば分かりやすいかもしれません。シェア率は高いですが、市場も成長段階にあるため、競合他社が多い事業です。現時点では利益を上げられているとはいえ、気を抜くことができない事業となります。市場でのシェアを高く保つために、継続して経営資源の投入が行われるべき事業です。

金のなる木(将来性低・シェア率高)

市場は成長ピークを過ぎ、自社のシェアが高い象限に当てはまる事業のことを「金のなる木」と言います。一見すると「花形」の方が魅力的に見えますが、「金のなる木」に該当する事業は、競合他社との競争に打ち勝った状態にあり、市場も成長が見込めないため新たな経営資源の投入があまり必要でないことが特徴です。

安定した収入が見込めるため、花形から進化した理想的な状態とされています。とはいえ、市場のピークは過ぎているので少しずつ衰退しかねない事業でもあります。

負け犬(将来性低・シェア率低)

市場の成長もシェアの拡大も見込めない象限に当てはまる事業のことを「負け犬」と呼びます。現時点で利益も上げられておらず、将来的にも変わらない事業が分類されます。一時は将来性があった「問題児」の事業が競争に敗れ、市場もピークを越えて衰退を始めたものも負け犬に該当します。負け犬の事業が唯一求められるのは「撤退」です。

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