• 2019/10/08
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サッカー選手とセルフブランディング

  • 冨沢  
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「サッカー選手とセルフブランディング」

みなさん、秋ですね。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋等この時期は気温もちょうどよく様々な物に挑戦ができる季節になりました。
今年はラグビーワールドカップが日本開催なものですから、先日のアイルランド戦、サモア戦と日本全体が興奮冷めやらぬ中、今年はスポーツの秋というのが特に顕著な気がします。

私事にはなりますが、小学校から高校までサッカーをやっていたので今でも時折暇を見つけては近所でボールを蹴ったり、欧州サッカーを観戦する程大好きです。もはや生涯スポーツとも言えるものとなっています。

そこで今回はサッカー界におけるセルフブランディングとは何かというところから、その必要性などに触れてご紹介したいと思いますので、最後まで是非ご覧ください。

日本サッカー界のセルフブランディングの先駆者・戸田和幸選手

サッカーというフィールドにおけるセルフブランディングとは何かというところを元日本代表・現サッカー解説者戸田和幸選手を一例として取り上げながらご説明したいと思います。

戸田選手というと闘志湧き出る真っ赤なモヒカンヘアをトレードマークとしてピッチを縦横無尽に走り回り相手のチャンスの芽を着実につぶしていくチームの掃除屋。その献身的なプレースタイルを買われ日韓ワールドカップでは全4試合フル出場と、縁の下の力持ちとして日本の躍進を支えていました。




画像出典:https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20131115/148200.html

そんな彼はインタビュー記事で選手として活躍していた時代をこう振り返っています。
「自分だったらどうすればこの世界で食べていけるのかを考え、最初の1年をかけて自己分析しました。いわゆる『セルフブランディング』と『セルフプロデュース』です。普通に練習して試合をこなしていくだけでは自分のキャリアを作っていくことができなかったので、人がやらないこと、人が嫌がることを研究し、自分だけのプレースタイルを模索しました。これは自分の好き嫌いの問題ではありません。そうしないとプロ選手として食べていけないわけですから。その選択がどれだけキツく、つらいとしても、それでも僕はサッカーの世界で生きていきたかったので。」
参照元:https://media.alpen-group.jp/media/detail/football_181218_01.html

時にはファールをしてでも相手のカウンターを止めるその猛々しいスタイルは今までの日本代表にはいなかったタイプです。
そんな彼は自分をブランディングするうえで3つの事を意識して行っていたように感じます。

・時間をかけた自己分析と相対的に市場価値が高い立ち位置(ポジション、プレースタイル)を研究する
・見つけ出した立ち位置にエッジを効かせる(ほかの人がなかなか真似できないことが望ましい)
・自分でたてた理想の立ち位置と現状とのギャップを埋める


戸田選手は自分が生き残れるフィールド、日本サッカー界の中で稀少性の高いポジションを探し出し、その上で自己分析をして自分に足りないところを補っていく練習方法、フィジカルトレーニングを選択しました。

その結果清水エスパルスでDFから一列前の守備的MFとしてコンバートして、
高いインテンシティでハードワークした結果日本A代表に抜擢されます。彼はその時期の日本サッカー界という市場で比較的競争性の低い相手のチャンスの芽を摘む『潰し屋』として自身が活躍するためにプレースタイルにエッジを効かせました。(赤モヒカンもその表現でしょう)
そして自分の役割を全うすることで自身の選手としての価値を強固なものにします。

このようにスポーツの世界でもセルフブランディングというものは存在します。意識的にそれを行った人は結果がついてきているように思えます。

そしてプレーヤーとして以外にもスポーツ界にはのセルフブランディングが存在します。それはセカンドキャリアを見据えた上での自身の価値向上です。

"プレーヤーとして"以外のセルフブランディング

戸田選手は引退後のキャリアのファーストチョイスとして監督業を希望していたようでしたが、日韓W杯の時に鮮烈に日本人の頭の中に植えつけられたイメージは決してクレバーなものではありませんでした。
(もちろん守備的MFは戦況を読み解く能力が必要なため賢くなければ務まりませんが、世間的には少々荒々しいイメージが持たれていました。)
選手、コーチ陣、クラブの経営層と衝突しそうな彼を監督として是非うちに来てくれとオファーを出すクラブが少なかった事を用意に想像できます。

その為、彼は今まで自分が築き上げてきたイメージを払拭するための一手段として、一定期間、解説者として活躍する道を選びました。その後、僕が選手としてではなく、解説者としての戸田選手をメディアで目にした時は以前のイメージとは全く違う人物でした。




画像出典:http://www.idream-jp.com/yume/126.php

まず服装は知識人らしくジャケットを羽織っており、フランクな口調でもなく、硬すぎるわけでもないちょうどいいトーンでピッチの事象をロジカルに説明していました。
フォーメーションが変わった際の各選手のポジショニングや選手交代の人選の理由などを視聴者にわかりやすいワードを使って解説してくれます。

そしてそんな戸田選手の解説は視聴者から高い支持を得て、瞬く間に日本のサッカー解説者の代表格として躍り出ました。彼はハードワークするプレーイヤーからクレバーな解説者へと見事に転身した、サッカー界のリブランディングの先駆者と言えるかもしれません。

今回はスポーツ界におけるセルフブランディングの重要性をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
戸田選手はプロサッカー選手として必要な能力もさることながらマーケティング戦略的な思考も持ち合わせていました。
現在はSNSやブログなど自己発信の手段が多様化しているのでアスリートと言えど市場価値のあげ方は何もプレーだけに留まりません。

ある製品のファンだと情報を継続して発信していればその製品を取りあつかっている企業のブランドアンバサダーとして就任することも可能でしょう。
自分が興味がある分野においてオンライン上でつながりを持てば事業を立ち上げることもできるでしょう。

しかし成功するという目標を持って取り組むのであれば、知識の習得やスキルトレーニングはなくてはならないフェーズです。戸田選手も解説者としてここまでの地位に上り詰めるために

・1試合あたり4時間程度をかけてじっくり分析する
・喉には細心の注意を払い、外出時のマスクや本番前には発声練習は欠かさない

等、時には時間をかけプロフェッショナルであることに強いこだわりを持っています。いずれにせよセルフブランディングには分析、研究をして、自己を研鑽するといったフローは必須と言えます。

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