昨今話題に上がっているファンマーケティングやコミュニティマーケティングというワード。企業と個人の距離感が縮んでいる今だからこそファン醸成やコミュニティ創設という活動は企業にとっては大変効果がある活動として取り入れる企業が増えています。
では個人でファン醸成やコミュニティ開設という活動はどんな効果が生まれるのか、そもそもどう行けばうまくいくのか等、個人によるコミュニティ運営やファンマーケティングをテーマに解説したいと思います。
企業とファンの関係性
まず、ファンやエンゲージメントという言葉は前からありましたが、
情報インフラがどんどん進化していった事とTwitterやアメブロFacebookなどのSNSが台頭してきた社会的な背景からファンやエンゲージメントという言葉がビジネス界隈で劇的に注目を浴びるようになりました。
今企業が特にデジタルでマーケティング戦略を策定しようと会議を行ったときに真っ先に議題に上がるものはもしかしたらファンをベースにしたマーケティング活動かもしれません。売り上げの80%は上位の20%の顧客が生み出しているという80:20の法則(パレートの法則)や新規を獲得するには既存の顧客の5倍のコストがかかってしまうという1:5の法則などの有名な法則があります。
企業にとって新規開拓は大事だという一方で売り上げを上げていくには既存顧客としっかりリレーションを取り、会社のファンを醸成することは必須になります。
また、情報過多になった現代においては選択肢が多すぎるために顧客としても悩むことにもいちいち疲れてしまいます。もしその顧客がある商品ブランドのファンだとしたら。顧客は悩むと作業をしなくても済むし、企業は比較検討というフローをすっ飛ばすことができます。ファンを獲得する、ファンになるという事は顧客にとっても企業にとってもメリットになるでしょう。
個人におけるファンマーケティングと成功事例「西野亮廣さん」
企業は既存顧客をファンへと育成したことで売り上げが上がり、企業としての成長にもつながるために力を入れています。そして個人事業主やフリーランサーもまたファンを獲得していくことは信頼を勝ち取りビジネスを円滑にしていくためにも、自身の認知度を広げていくためにも有効な手段といえます。
個人がファンマーケティングに成功するにはSNSやブログを通して絶えずに情報発信しなければいけません。そして独立して働き、生活していきたいのならどこかでマネタイズのステップが必要です。
今回は個人でオンラインサロンを立ち上げ、ファンの獲得、マネタイズがうまい人物としてお笑いタレントの西野亮廣さんを紹介いたします。
西野亮廣さんの代表作「えんとつ町のプペル」はクオリティの高いクリエイターたちと、かなりの時間も労力も割いて作り上げたものでしたが、彼がその全ページをWEB上に無料で公開したのは記憶に新しい出来事です。
今回彼が絵本を無料にしたことによって二つのシーンでマネタイズ化&ファンの獲得を果たしています。
①月額1000円のオンラインサロンへの誘導戦略
「世界観や美術的センス」や「引き込まれるストーリー」また「本来有償のものを無償で公開するというスタンス」どれかをフックにして「えんとつ町プペル」というプロダクトに対しての愛着から西野亮廣本人に愛着を持ったファンへと変化させた後にそのファンたちとのさらに密度の高いコミュニケーションをとるための着地点として、「えんとつ町のプペル」の収益化のゴールとしてオンラインサロンへと見事に誘導していました。②データではなく絵本を購入してもらうフリーミアム戦略
彼が無料公開されたデータを見てそのクオリティに「データだけでなくリアルなプロダクトである絵本も欲しい」「有形資産として手元に残しておきたい」という顧客を見事に獲得しました。絵本も現時点で40万という異例の大ヒットで見事マネタイズ化を成し遂げました。このように「えんとつ町のプペル」を無料公開することで西野亮廣さんのファンが劇的に増え、オンラインサロン会員数2万人超と国内最大級のコミュニティになっています。彼の戦略が見事にはまったことと、彼の作品やスタンスに心から価値を感じた人たちの母数が大きかったことが要因と言えるでしょう。
彼の手法で最も感心なところは「なんか絵本が無料で見られるから見てみるか」という機能的価値に目が言っていたユーザーを「ここまで高クオリティの絵本を無料で公開している西野さんに興味が出てきた」と西野亮廣自身に感情的な価値を感じるまでの醸成したことです。
まとめ
ビジネスにおいては売り上げや成果などの大部分を上位20%の顧客で負担しているケースが非常に多く、その20%を獲得してリレーションを維持していくことは活動を継続していく上で不可欠になります。現代においてファンやエンゲージメントの獲得は法人だけでなく個人事業主やパラレルワーカーにとっても資金を獲得していく上で重要活動になります。
ファンを獲得するにあたって、アプローチした全員に好感を得られようとする必要はありません。
1クラス40人の中で友達(ファン)を8人作れれば上等というイメージで行けばOkです。そしてその友達との信頼度をあげていくことによりその8人は自身の評判を広めてくれるでしょう。そうしてまた新たに新規ファンを獲得できる正のスパイラルにはまっていくことになります。
これからSNSやブログなどでファンを獲得していこうと思っている人は初期のスタートアップフェーズではファンの数より密度や一人一人とのコミュニケーションを増やすことが肝心でしょう。