• 2021/02/22
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プロダクトアウトとマーケットイン〜それぞれの特徴と違いについて〜

  • マーキャリ 編集部
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この記事を読むと分かること

・プロダクトアウトとは何か

・マーケットインとは何か

・プロダクトアウトのメリット・デメリット

・マーケットインのメリット・デメリット

・プロダクトアウトからマーケットインへの流れについて

プロダクトアウトとは

プロダクトアウトとは企業が良いと思ったものを作り、提供販売していく考え方のことです。「良いモノだから売れる」という発想が根幹にある考え方だと言えるでしょう。  基本的には、顧客や市場のニーズよりも製品スペックなどを重視するものになります。

マーケットインとは

マーケットインは、会社が作りたいものや製品のスペックなどよりも市場や顧客のニーズを重視し、よりニーズのあるものを作っていこうとする考え方です。プロダクトアウトが「良いモノだから売れる」という考えなのに対し、マーケットインは「売れるモノを作る」という発想が根幹にあります。


マーケティングは「自社の商品やサービスが売れる仕組みを作ること」ですので、マーケットインの方がプロダクトアウトよりもマーケターやマーケティングの考えの方に沿ったものだと言えるでしょう。


 一概にどちらが優れていて、どちらが間違っていると断定することは簡単ではありません。どちらが良いかを考える前にプロダクトアウトとマーケットインそれぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。

プロダクトアウトのメリットとデメリット

一見すると作りたいものを作っているだけのように見えるプロダクトアウトですが、マーケットインにはないメリットがあることも事実です。まずはメリットから紹介します。  

プロダクトアウトのメリット

・企業の強みを最大限に活かしたモノづくりができる


プロダクトアウトは、企業が良いと思うものや作りたいものを作ってから、売る。となる考え方です。企業が作りたいものとは必然的に、その企業がもつ技術力などの強みを活かしたものになります。「作りたいものを作る」と聞くと、マーケティング的発想を放棄しているように感じるかもしれませんが、企業が作りたいものを追及すれば競合他社に真似できない製品が生まれる可能性があります。競合他社との競争に勝つためには、他社との差別化は必須ですので、作りたいものにとことんこだわるプロダクトアウトは、実は結果的にはマーケティングとして理にかなっている場合もあるのです。他社と差別化ができれば、会社のブランド力アップにもつながります。



・今までに世になかった製品ができる可能性がある


プロダクトアウトの発想を突き詰めていけば、今までにない新しい製品が生まれる可能性があります。まったく新しい製品というのは顧客の声から生まれることはないので、これはプロダクトアウトならではのメリットだと言えるでしょう。もちろん、今までになかったからヒットするというほど甘いものではありません。しかし、iPhoneやiPadを生み出したアップル社や、音楽を持ち歩けるウォークマンを作ったSONYが、プロダクトアウトの発想で製品作りをしたことは間違いありません。世にない商品を生み出すことは、大ヒットの可能性を秘めているのです。



・コストが抑えられる


プロダクトアウトでは、既に企業が持っている強みを活かして製品作りを行います。そのため、製品作りのために新しい部門を設ける必要がありません。時間と費用のコストが抑えられるので、集中したいところにコストがかけられるというメリットがあります。  

プロダクトアウトのデメリット

・市場や顧客のニーズに合わない可能性が高い


強みを追及して製品作りを行うプロダクトアウトでは、市場のニーズは考慮しません。そのため出来上がったものが、ニーズに合わないものである可能性が高くなります。



・製品の見直しにコストがかかる


市場ニーズを考慮せずにもの作りを行うので、製品が売れなかった場合の原因分析に時間がかかります。製品そのものに問題があるのか、それとも販売戦略に問題があったのかなどについて、いちから原因を究明していくのには時間も費用もかかります。

マーケットインのメリットとデメリット

市場ニーズをもとに製品作りを行うマーケットインには、一見デメリットがないように思われるかもしれません。しかし、デメリットが全くないわけでは決してありません。まずはメリットから確認していきましょう。  

マーケットインのメリット

・顧客が求めているものが提供できる


マーケットインでは、あらかじめターゲットとする市場や顧客のニーズを調査・分析した上で製品作りにとりかかります。そのため顧客が作ったものがそのまま顧客が求めているものになりやすいというメリットがあります。顧客からすれば自分が欲しかったものをピンポイントで作ってくれるので、会社への期待度や信頼度が高まり、自然と商品や会社のファンになる流れが生まれます。



・売上の予測がしやすい


マーケットインは市場のニーズを把握し、それを満たす製品を世に送り出します。ニーズを捉えたものを作るので、売上の予測が立てやすいというメリットがあります。新商品の開発となれば必然的に大きなコストがかかります。ある程度の売上予測が立てられることは、企業の経営にも大いに役に立ちます。



・どんなものを開発すればよいかの目標設定がしやすい


マーケットインでは市場や顧客が求めているものを作るという姿勢で製品開発が行われます。市場のニーズ分析を終えた段階で、どのようなものが求められているかが分かるので、製品開発までの具体的なスケジュール計画や、作るべき製品の詳細なスペックが設定しやすくなります。  

マーケットインのデメリット

・大ヒットが生まれにくい


ニーズを調査・分析して商品を生み出すマーケットインと言っても、出来た製品がすべてヒットするわけではもちろんありません。それはどんなに分析するコストをかけても変わりません。特に大ヒットは期待できないと言えるでしょう。今までなかったような斬新や確信的な製品にはならないので、一定以上のヒットが難しいのです。



・他社と似た製品が生まれやすい


市場のニーズ調査や分析をした上で製品を開発しているのは、もちろん自社だけではありません。そのため同業者間では、似た製品が生まれる可能性が十分にあります。また、マーケットインでは、自社の技術力にこだわってモノ作りをするわけではないので、仮に自社が先に作ったものでもすぐに他社が真似することや、真似をした上で改良を加えたものを作ることが比較的容易になります。



・企業ブランディングにブレが生まれやすい


マーケットインで最重要視されるのは、市場と顧客のニーズです。そのため、自社が作る製品に軸がなく、固定ファンがつきにくくなる恐れがあります。

プロダクトアウトからマーケットインへの流れについて

現代は、作れば作るだけ売れるという時代でも、良いモノであれば売れるという時代でもありません。そのため、技術力にこだわるプロダクトアウトは時代遅れで、マーケットインが現代には必要とする声もあります。この論争はそのまま「4P」と「4C」の2つのマーケティングフレームワークに置き換えることができます。なぜなら4Pは、売り手側の視点での考え方であるのでプロダクトアウトと同じですし、4Cは買い手側視点に立った考え方なのでマーケットインと同じだからです。


4Pと4Cが提唱され始めた時期には30年以上の差があるので、4Pの方が古いことは間違いありません。しかし、4Cは4Pをもとに考案されたものなので、どちらが正しいかという話はあまり意味がありません。プロダクトアウトにもマーケットインにもメリットがあればデメリットもあります。どちらが正しいというものではなく、どちらの視点も持つことこそが重要なのではないでしょうか。


プロダクトアウトとマーケットインの対比をより具体的に捉えられるように、4Pと4Cについて解説を付け加えておきますので、プロダクトアウトとマーケットインそれぞれの特徴を思い返しながら確認してください。 

4Pとは

4Pの捉え方を変えたものが4Cですので、まずは基本となる4Pから説明します。4Pとは、商品(Product)・価格(Price)・流通(Place)・プロモーション(Promotion)の4つのPの頭文字です。商品(Product)は、メーカーであれば何を作るかが、小売りであれば何を仕入れるかといった商品に関する戦略を、価格(Price)は最適な価格設定を、流通(Place)はターゲットに届けるための効率的な流通網(チャネル)を構築することを、プロモーション(Promotion)は、販売につなげるための広告やPR手法のことを指します。


この4つの要素について考える際のポイントは、自社のブランドイメージやビジョンとターゲットとなる購買層の求めているものが合致しているかについて分析するところにあります。購買につなげるための4つの要素ですので、「売り手側の視点」となっているのが特徴的です。  

4Cとは

4Pを買い手の立場から捉えなおしたのが4Cです。製品(Product)を顧客価値(Customer Value)、価格(Price)を顧客にとっての経費(Cost)、流通(Place)を顧客利便性(Convenience)、プロモーション(Promotion)を顧客とのコミュニケーション(Communication)、と捉えなおしています。顧客価値(Customer Value)・経費(Cost)・顧客とのコミュニケーション(Communication)・顧客利便性(Convenience)の4つで4Cです。


たとえば、PCを買う際にユーザーは鉄やプラスチックでできた箱が欲しいわけではありませんよね。インターネットを使って調べものや買物をしたり、PCに組み込まれているソフトを使って仕事をしたりするためにPCを購入するためです。モノ自体ではなくユーザーが何に価値を見出し、お金を払っているのかを分析するという手法が4Cです。企業が顧客に適切なコストや便利さが提供できているか、商品やブランドの価値はきちんと伝わっているかという点をもとに、商品を作って届けるまでのプロセスを見直していきます。


4Cと4Pは以下のような対比になっています。



・製品(Product)と顧客価値(Customer Value)


製品とは、売る側の視点で見た品質や機能、ブランド名などのことを指します。価値とは、製品やサービスの購入によって得られる価値全般を意味します。製品そのものだけでなく、アフターサービスを受けられることや、購入することで気分が高まるなども価値に含まれます。 ・価格(Price)と経費(Cost)価格とは、商品そのものにつけられる金額のことですが、経費(コスト)という場合には料金だけにとどまりません。購入や利用時の移動時間や検討の時間などもコストに含まれます。



・流通(Place)と顧客利便性(Convenience)


流通とは販売網のことです。たとえば特定の店舗でしか買えないなら、顧客にとっては不便になるというように、表裏一体の関係にあるのが流通と顧客利便性です。利便性とはサービスや製品の入手のしやすさと言い換えられます。



・プロモーション(Promotion)と顧客とのコミュニケーション(Communication)


プロモーションとは、広告宣伝などの販売戦略のことを指します。売り手は商品を購入してもらうためにプロモーションを行いますが、それが一方通行であれば購入にはなかなか至りません。買い手がいて初めてマーケティングが成功するわけですから、買い手の声も考慮する必要があるわけです。お客様センターやお客様窓口を設けるのは、単純にクレームを受け付けるだけでなく、双方がコミュニケーションをとる役割もあるのです。



4Pと4Cは対になるものですが、捉え方を変えたものでありお互いを否定するものではありません。売り手の視点・買い手の視点の両方を捉えることがマーケティング戦略を練る上では重要であることは忘れないようにしてください。

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