• 2021/02/04
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BtoC企業に欠かせないリテンションマーケティング

  • マーキャリ 編集部
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この記事を読むと以下のことが分かります。


・リテンションマーケティングとは何か

・リテンションマーケティングを知る上で重要な2つの法則

・リテンションマーケティングを支えるカスタマーサクセス

・リテンションマーケティングを成功させるためのポイント

リテンションマーケティングとは

リテンションマーケティングは、一度買ってくれた顧客の来店頻度や購買頻度を高めるためのマーケティング活動のことです。一言でいえば、「リピーターを生み出すためのマーケティング活動」となるでしょう。 リテンションマーケティングに対して新規顧客を獲得するためのマーケティング活動はクリエーションマーケティングと呼ばれます。


リテンションマーケティングの具体例としては、イベントへの招待、メールマガジン配信、SNSでの情報発信などによる継続的な情報、クーポンの配布などが挙げられます。

リテンションマーケティングを知る上で重要な2つの法則

マーケティングにおいては新規顧客の獲得だけでなく、リテンションマーケティングによって既存顧客を維持することも重要であるとされています。 その最大の理由はコストの問題です。リテンションマーケティングの理解を深める上で知っておきたい2つの法則があります。  

「1:5の法則」

「1:5の法則」は、マーケティングの世界では基本の考え方で、新規の顧客を獲得するためには、既存の顧客を維持するよりも5倍のコストがかかるというもの。新規の顧客の獲得のためには広告宣伝をはじめとした多くのコストがかかります。それに比べて既存の顧客に再度商品を購入してもらうために要するアフターフォローなどの費用は5分の1で済むわけです。


新規顧客の獲得にはコストがかかるうえに利益率が低い一方で、一度商品を購入した経験のある既存顧客は少ない費用で再度商品を購入してくれる可能性が高いことになります。 新しい企業でまだ顧客が少ないような状態なら新規顧客を獲得するためのクリエーションマーケティングが重要ですが、ある程度の顧客を抱えているのならリテンションマーケティングにこそ力を入れるべきでしょう。  

「パレートの法則」

パレートの法則は、「2:8の法則(にっぱちのほうそく)」とも呼ばれるもので、「全体の2割の要素が、全体の8割の数値を生み出しているという法則」です。


具体的には

・売上の8割は全体の2割の顧客が占めている。

・ホームページの総アクセス数の8割は、2割のページに集中している。

・営業利益の8割を生み出しているのは、全営業マンの2割の人数。


などが例として挙げられます。 パレートの法則によれば企業の売上を生み出しているのは2割の顧客となります。そのような顧客は、新規の顧客ではなくいわば会社のファンと言えるような既存顧客のはずです。この点から考えてもリテンションマーケティングに力を入れることは非常に理にかなっていると言えるでしょう。      

リテンションマーケティングを支えるカスタマーサクセス

カスタマーサクセスとは、その名の通り顧客の成功体験へ向けてサポートを行う仕事のことです。自社のサービスを顧客に継続して使い続けてもらうために、顧客が不満を抱える前に先んじて解決するのが主な仕事となりますので、リテンションマーケティングのための必須の職種と言ってもよいでしょう。


カスタマーサクセスの特徴としては、待ちの姿勢ではなく能動的に顧客にアプローチを行うところ。課題や問題が発生してから対応するのではなく、課題が生まれる前にアプローチを行うことが求められます。たとえば商品を購入したものの使い方が分からないとか一部の機能しか使えていないとなれば、顧客は不満を抱えています。そうならないように先手を打って行動していくことがカスタマーサクセスには求められます。顧客が商品やサービスを使うにあたって何も不満がなければ、解約にはつながりません。カスタマーサクセスは、商品やサービスを利用することで顧客が常に満足した状態にいられるようにするのが役割です。

カスタマーサクセスの仕事内容

カスタマーサクセスは、営業やマーケティング職というよりはコンサルタントやトレーナーに近い存在と考えると分かりやすいです。サブスクリプション型のサービスの場合は、継続してもらうのが最重要。顧客が解約をしようと思うのは、不満がたまっているからです。カスタマーサクセスは、顧客に対して自社のサービス・製品をどのように使えば成功体験へとつながるかを伝えるのが仕事。サービスに対する満足度を上げることで解約防止へとつなげます。顧客が自社の商品を使うことでどんなことを実現・達成させたいのかをきちんと把握し、そのために商品をどう使えばよいかを提案します。顧客の満足度が上がれば、さらなる商品の購入にもつながります。


カスタマーサクセスは、実際の顧客と接するシーンが多い職種です。そのため、どの部署よりも顧客が抱えやすい課題や、潜在的に持っているニーズについて把握できる立場にあります。常に顧客のニーズを吸い上げて、必要な情報を商品やサービスの開発部門やマーケティング部門にフィードバックすることで、顧客の満足度が高いサービスへとアップグレードさせることができます。  

カスタマーサクセスは近年注目されている

近年急にカスタマーサクセスが注目されるようになった大きな理由としては、「サブスクリプション型」のサービスが増えてきた点が挙げられます。サブスクリプション型とは、月単位などで定期的にサービスに対しての利用料を支払うもので、「Amazon Prime」や「Netflix」などの動画配信サービス、グラフィックソフトの「Photoshop」や「Illustrator」、Officeソフトの「Word」や「PowerPoint」「Excel」もサブスクリプション型のサービスです。「Word」や「PowerPoint」「Excel」は買い切りのものもありますが、「Photoshop」や「Illustrator」は現在では完全にサブスクリプション型に移行しています。  

カスタマーサポートとの違い

それでは、カスタマーサクセスと混同されやすい「カスタマーサポート」はどんな役割でしょうか。カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせを受け、問題をはっきりとさせたあとに電話口で対応したり、専門のスタッフを派遣したりすることで問題を収束させるのが業務です。カスタマーサポートでは、お客様の問い合わせを受けるところが仕事のスタートになります。位置づけとしてはサポートとあるとおり業務支援と言えるでしょう。


つまり、カスタマーサポートは問題が起きたあとに対応するのに対し、カスタマーサクセスは課題が生じる前に顧客にアプローチをする点が大きな違いとなります。カスタマーサポートはいわゆる「待ちの姿勢」、カスタマーサクセスは「攻めの姿勢」だと言えるでしょう。 

カスタマーサクセスとカスタマーサポートはどっちを優先すべきか

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは顧客満足にとってどちらも重要な役割を担っています。しかし、人員の問題などで両方を配置できないスタートアップ企業などにおいては、カスタマーサポートを優先するのがおすすめです。なぜならスタートアップ時に起きるトラブルはすべて誰もが経験したことのないものになります。事前に不満の芽を摘む役割のカスタマーサクセスを配置しても、顧客がどんなことに不満を持ちやすいかといったデータがありません。そのため十分な活躍ができず、結局カスタマーサポートと同じような役割となってしまう可能性が高いです。


将来的にカスタマーサクセス部門を導入したいと考えていても、まずはカスタマーサポートの充実から優先させた方がよいでしょう。カスタマーサポートへ寄せられる問い合わせはそのまま、カスタマーサクセス導入時に使えるデータとなります。 逆に言えばリテンションマーケティングを行うような企業においては、カスタマーサポートよりもカスタマーサクセスを優先させるのが推奨されます。  

リテンションマーケティングを成功させるためのポイント

リテンションマーケティングを成功させるためには、顧客データを収集・分析し、それぞれの顧客に合った施策を実施することが重要になります。リテンションマーケティングを行う際は、データ収集や分析のツールとして「CRM」を導入することが望ましいです。 

CRMとは

CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、SaaSのサービスとして提供される顧客管理システムのことです。つまりはクラウド上で顧客管理が出来るシステムのことを指します。 CRMで顧客との関係を一元管理することで、全社員が情報にアクセスして効率的な営業ができます。 

CRMを導入する主なメリット

CRMを導入するにあたって挙げられるメリットは大きく分けて2つあります。


・顧客の情報を一元管理して全社員で情報共有できる

顧客の情報は、これまで営業担当しか知らないというパターンが多くありました。ベテランの営業担当にはこれまで蓄積した自分だけの情報があるものでしたが、CRMを導入すれば情報量の差がなくなります。たとえば新人の営業担当が先輩から担当を引き継ぐ場合などでも、必要な情報の漏れがなくなります。クラウド上で入力作業ができるので、職場に戻らなくてもたとえば商談が終わったタイミングなどですぐ情報共有ができるようになります。


・見込み客と既存顧客に対して効果的なマーケティング活動ができる

ひと口に見込み客といっても会社の規模やニーズは異なるものです。従来のマーケティングではそれぞれの企業に合わせたアプローチではなく、どうしても画一的なものになりがちでした。CRMに情報を蓄積していくことで、見込み客ごとの効果的なアプローチや、成約につながらなかった場合の原因分析もしやすくなります。  

RFM分析もリテンションマーケティングの大きなヒントに

マーケティング活動を行う上で顧客の分析は必須です。お金をたくさん使ってくれる顧客でも、来店頻度が数年に1度であれば、企業にとってあまりアテにすることはできません。さまざまな顧客がいるなかで、3つの指標から顧客をランク付けする手法の1つに「RFM分析」というものがあります。


リテンションマーケティングはいわば優良顧客を生み出すためのアプローチです。RFM分析は、リテンションマーケティングを行う上で大きなヒントとなるでしょう。特に店舗を構えて営業をしている企業は、リテンションマーケティングをしていく上で「RFM分析」を参考にできる部分が多いです。 

RFM分析を行う目的

RFM分析を行う目的は、顧客に対して効率的にアプローチする方法を模索することです。たとえば店舗への来店を促す方法の1つにDMがありますが、何年も来店していない顧客にDMを送るのは効果的とは言えません。RFM分析では3つの指標に基づいて顧客をグループ分けします。そうすることで売り上げ拡大や集客できそうな顧客に対して、効果的なアプローチ施策を講じることができるようになります。


企業や店舗にとっては、新規の顧客を増やすことよりも既存顧客にリピーターとなってもらう方がコストをかけることなく売上につなげることができますので、RFM分析とリテンションマーケティングの相性は良いと言えます。優先すべき顧客に費用と時間を使うことで、効率的な売上アップを目指せる点が、RFM分析を行うメリットです。 

RFM分析の3つの指標

RFM分析のRFMとは3つの英単語の頭文字を合わせたものになります。3つの単語は「Recency(直近でいつ)」、「Frequency(頻度)」、「Monetary(購入金額)」です。顧客の中には、よく来店するが一度の少額の買い物が多いタイプや、年に数度の安売りの際に大量購入するタイプなどさまざまです。RFM分析では、顧客ごとに「Recency(直近でいつ)」、「Frequency(頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの項目について並べ替えてグループ化し、比較することになります。RFMのそれぞれの項目について5段階で分けるのが一般的です。RFM分析を行う際は、エクセルで表やグラフにすれば分かりやすいです。3つの指標は以下のようになっています。


・Recency:最新の購買日

企業にとっては、何年も前に購入した顧客より最近購入した顧客の方がよい顧客だと言えます。「その顧客が最後に買ったタイミングはいつか」について並べ替え、グループ化していきます。グループ化する際に重要となるのは、「どの程度の期間で分けるか」ですが、それは業種によって異なってくるでしょう。スーパーのような日常品を買うような店舗なら1か月前に来た顧客はずいぶん前に来た顧客になりますが、車などの高級品を取り扱うようなお店なら1か月前でもつい最近になります。


・Frequency:購入頻度

顧客がどのくらいの頻度で商品を購入してくれたかを指すものです。当然購入頻度が高いほどよい顧客であると考えられるでしょう。一定期間内に、何度商品を購入したかを顧客ごとに調べ、回数が多い順に並べていきます。その際、どの程度の金額を使ったかは関係ありません。「F」の項目が高い顧客が多いなら常連客が多いということになりますが、「F」の高い顧客ばかりの場合は、常連客ばかりで新規顧客が少ないことになります。


・Monetary:購入金額

一定期間の間に、どのくらいの購買があったのかの合計金額を指すのが「Monetary」です。金額が大きいほどよい顧客となります。購入金額の高い順に顧客を並べれば、上にくる顧客ほど、一度にたくさんのものを買うまたは高い商品を買う確率が高くなります。「Recency(最新の購買日)」、「Frequency(頻度)」、「Monetary(購入金額)」はどれも同じ期間内で算出します。 

RFMの3項目の分析の仕方

R・F・Mの顧客はどれも一定期間の間に購入をした顧客ですので、それぞれの項目で順位の違いはありますが、すべて同じ顧客についてのデータとなります。それぞれのデータについて顧客をランクづけして、総合評価をもとに「優良顧客」、「非優良顧客」、「新規顧客」、「安定顧客」、「離反顧客」などに分類します。もちろん、R・F・Mすべての項目で順位が高ければよい顧客となります。しかしRは高いがFは低いといったことが起こるのが通常です。それぞれの組み合わせについて、どのような顧客であると判断できるかの例をピックアップして示しておきます。


「Recency(直近でいつ)」、「Frequency(頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの項目について、

・Rが高ければ高いほど将来的にも企業の利益に貢献する可能性が高い

・Fが低い顧客は他社に奪われている可能性が高い

・Rが同じならFが高いほど常連客

・RやFが高くてもMが低い顧客は購買力が低い

・Mが高くてもFが低い顧客を比べる際、Rが高い方が良い顧客である

・RFMすべて低い顧客に対しては今後プロモーションを行わないなどの対策も検討すべき


と判断できるでしょう。

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