この記事では、マーケティング戦略の立て方の基本となる考え方を中心にご紹介しています。マーケティングをしていく上で特に重要な項目ですので、マーケティング初心者の方はぜひ参考にしてください。
マーケティングについてしっかり理解しよう
企業の商品開発から販売に至るまで、広い範囲で重要なマーケティング活動。価格が安いものや質がよいというだけでは商品のヒットにつながらない現代においては、インターネットやSNSの発展も手伝ってマーケティング戦略は非常に高度化しています。しかし、マーケティングを行うに当たってまず重要となるのは、広告宣伝の仕方といった手法や分析のフレームワークそのものよりも、「どのように戦略を立てるか」です。
マーケティング戦略とは?
商品を販売するためには、マーケティングが重要です。消費者に購入してもらってこそ利益が上がるという構造と考えれば、独りよがりな商品を世に出すわけにはいきません。マーケティング戦略の立案をするにあたって重要な3つの項目をまずお伝えします。それは以下の3つです。
・誰に
・どんな価値を
・どのように提供するか
製品やサービスを購入するのはあくまでお客様です。マーケティング戦略を立てるのなら「相手目線」が重要となります。ここからは3つの項目について詳しく解説していきます。
誰に:セグメンテーションとターゲティング
誰のために商品を届けるか。それを考える際にヒントとなるのがセグメンテーションとターゲティングです。
セグメンテーションとは「市場の細分化」を意味します。たとえばサプリメントという市場であっても健康のため、ダイエットのため、体の悩みの解決のためというように消費者が求めるものはさまざまです。新商品を開発するなら、市場の中にあるたくさんのニーズのどれに絞るかをまず考える必要があります。市場の中のニーズを分類するのがセグメンテーションです。また分けられた1つ1つの市場・ニーズをセグメントと呼びます。
次にターゲティングとはセグメンテーションで細かく分けたセグメントのうち、どのセグメントを狙っていくかを決めることです。ターゲティングをする上で重要なのは、自社の強みが活きるセグメントを選ぶこと。競合と比べても優位性が得られると判断できなければ、そもそもの商品力が弱いかターゲットとする対象やマーケットが間違っていることになります。
どんな価値を:ベネフィット
マーケティングの世界における有名な格言に「ドリルを購入する人が欲しいのは穴である」というものがあります。企業側からすると商品そのものに目がいってしまいがちですが、購入する消費者が求めているのは、商品を購入することによって得られる価値や感情なのです。
企業側が商品に対して想定する価値と、顧客側が感じる価値に違いがあれば、ニーズに応えられていないことになり、マーケティングとして失敗と言えます。セグメンテーション、ターゲティングに加えのちほど説明する「ポジショニング」の頭文字をとって「STP」と呼ぶことがありますので覚えておいてください。
どのように提供するか
これは顧客に価値を届ける方法をどうするかということです。どのように売るかと捉えてもよいでしょう。せっかく買いたいと思ってもらえても買いづらい環境にあれば購入にはつながりません。店舗を構えて小売をする、カタログを発送する、営業担当が訪問販売をする、商品の購入サイトを作るといったものだけでなく、購入サイトの見やすさや使いやすさ、また商品の決済方法などを整え、購入にあたって顧客に面倒だと思われないように工夫することを指します。
誰に・どんな価値を・どのように提供するかを踏まえてのポジショニング
顧客目線でマーケティング立案する上で重要な3項目と並んで語られるのがポジショニングです。企業が商品を作り、販売するためにいろいろな策を考えるのは会社の利益のため。しかし企業が事業経営を行い利益を上げるのは最終目的ではありません。たとえば食品会社であれば「安心安全な食べ物を家庭に届ける」といったようなビジョンがあります。自社が目指すビジョンの達成をないがしろにしてマーケティングを行い、結果として利益が上がったとしてもそれがビジョンの達成から遠ざかるようなものであっては意味がありません。
ポジショニングとは、「企業や商品に対してどのようなイメージを抱いてもらいたいか」を設計すること。企業に対するイメージとは、最終的には消費者が抱くものですので不確定なものではありますが、企業側の働きかけによる部分も大きいです。たとえば高級なブランドイメージを抱いてもらいと定義するのであれば頻繁にセールや値引きを行わないようにするといったように、コントロールできる部分もあります。セグメンテーションを行い、ターゲティングをする際に、自社の目指す立ち位置を明確にすることで企業にもとっても顧客に対しても有意義なマーケティングにつなげることができます。
今後ますます重要となるマーケティング。まずは基本の考え方や型から身に付けていきましょう。