訪問販売などを仕事として行うセールスマン。玄関先に「セールスお断り」などとシールが貼ってあるのを見たことがあるかもしれません。それでは、営業を行う営業マンとセールスマンには違いはあるのか考えたことはあるでしょうか。一般的に今では、セールスマンという言葉を使う機会はあまり多くないかもしれません。訪問販売が自宅に来たとしても「〇〇の営業が来た」、「セールスが来た」などと表現することが多いですよね。
この記事では、混在して使用されがちなセールスマンと営業マンの正しい意味と、セールスマンとして成果を出すために必要なことにについてご紹介しています。これから営業職やセールスマンとして活躍していこうと考えている方に、参考になるはずです。
実際に区別されて使われることはほぼない
セールスとは、言葉の意味から考えれば英語の「sell」つまり「売る」から来ています。セールスマンとは、商品を売る人と定義できそうですよね。実際のビジネスシーンでセールスマンと営業マンを区別して使用することはまずありません。一番成績の良い営業マンのことを「トップセールス(マン)」と呼んでいる会社も多いです。一応言葉の意味の上では商品を売ることに特化したのがセールスマンだと言えます。
実際には同じものですが。すると「販売員だって売ることに特化しているのでは」といった疑問が浮かんでくるかもしれません。どちらも「売ること」を軸とした職種ですので、この機会にそれぞれの違いについて確認しておきましょう。
販売と営業・セールスの違い
販売とはお客様が欲しいものをそのまま売る仕事のことです。たとえばコンビニの店員やアパレルショップのスタッフは販売職と言えるでしょう。棚や冷蔵庫にあるものをお客様がカゴに入れて、それの精算をするコンビニ店員や、お店に並んでいる服を販売するショップ店員は、どちらもお店にある商品をそのまま売っています。アパレルショップであればお客様への声かけやおすすめなども行いますが、当然のことながらお店にないものは売ることはできません。一方で営業やセールスとは、「相手の潜在的なニーズを引き出して自社の商品をおすすめして売る」のが仕事です。最大の違いは相手のニーズを引き出すということでしょう。優秀な営業マンであるほど自社の商品を無理に売り込もうとしないと聞いたことがあるのではないでしょうか。現代ではモノがあふれています。作れば売れるという時代ではありません。 また、似たような製品は他の会社からも買うこともできるので、どこで買うかよりは「誰から買うか」が重視される時代となってきています。
また、いくらアプローチをかけようとも、相手に潜在的にニーズがなければ購入する意味はありません。そのためトップセールスマンであればあるほど無理に商品を売ろうとはしないのです。一時の成績にはなるかもしれませんが、リピーターになることはありえませんし、場合によってはクレーマーとなってしまうことさえ考えられます。自社の商品がお客様の課題を解決できるようなものでない場合は、無理に契約を迫る必要はないと考えましょう。