この記事では、未経験からサーバーエンジニアを目指す方に向けて、サーバーエンジニアの転職市場や、仕事内容について解説しています。ぜひ参考にしてください。
サーバーエンジニアとは
サーバーエンジニアは、サーバーの設計や運用、保守に携わるエンジニア職です。IT業界のなかにおいて、今後も高い需要があると考えられている職種と言われています。
サーバーエンジニアの仕事内容
サーバーは、データの保存や共有、提供といった役割を担うものです。サーバーエンジニアはサーバーの設計・構築、保守・運用が主な仕事内容です。
サーバーにはWebサーバーやデータベースサーバー、メールサーバー、アプリケーションサーバー、ファイルサーバーなどさまざまな種類があります。サーバーの種類によって必要とされる知識やスキルが異なりますので、広い知識が必要となることも多いです。 簡単にサーバーエンジニアの主な業務である設計・構築と運用・保守の2つについて説明します。
設計・構築
サーバーエンジニアが行う設計とは、システムの全体像に対しての基本の設計書を作る仕事です。基本設計書はサーバーの大元となる設計書のためサーバーエンジニアが行う仕事のなかでもかなり難易度が高いです。基本設計書をもとに詳細設計と呼ばれるサーバー構築に必要な細かな準備を行います。
サーバー構築は、詳細設計をもとにサーバーのOSや、OSとアプリケーションの中間の役割を持つミドルウェアと呼ばれるソフトウェアをインストールすることを指します。未経験から始めたサーバーエンジニアなら、まず単独でサーバーの周辺環境を整えるサーバー構築ができるようになることが当面の目標となります。
サーバーエンジニアへの転職事情
サーバーエンジニアに限らず、エンジニア職は慢性的な人材不足の状況にあります。いわゆる求職者側に有利な売り手市場ですので、比較的募集も多く、転職しやすいと言えます。そのため専門性や経験が浅くても、サーバーエンジニアへの応募が可能な求人も多いです。とはいえ、IT関係の仕事の経験がまったくない状態では仕事に対する難度がかなり高く、採用されることは難しいでしょう。
第二新卒などの20代半ばあたりまでは、ポテンシャルを評価されての採用はありえますが、30代であればある程度のスキルは必須と言えます。まずは正社員ではなく、アルバイトや派遣社員としてエンジニア職に就き、キャリアを積む方法もありますが、なかなか難しいものがあるでしょう。そのため、サーバーエンジニアを目指すなら、転職活動とともに自身での学習も並行して行い、正社員として就職するのが一般的な流れになります。
サーバーエンジニアになるために必要な素質
サーバーエンジニアに限った話ではありませんが、どんな職種にも向き不向きがあります。サーバーエンジニアとして活躍するためにはどんな素質を持っていることが望ましいか紹介していきます。特にポテンシャル採用を狙う方には重要な項目です。
責任感の強さ
サーバーエンジニアは、会社の中では裏方の仕事です。会社のWebサービスやシステムの土台を支える役割で、セキュリティ面に関しても強い責任意識が問われます。万が一にでもサーバー内の顧客情報などが漏洩してしまうことは許されません。自分が会社の大事な情報を守っているという意識で働ける人がサーバーエンジニアには適任です。
コミュニケーション能力
サーバーエンジニアは、会社の情報を守る門番として一人で活動するものではありません。一般的には、社内でチームを組んで業務にあたることになります。そのため直接顧客と接しないとはいえ、チームで円滑に仕事をすすめるためのコミュニケーション能力は必須となります。
素直さ
コミュニケーション能力と関連するものではありますが素直さは重要な素質です、エンジニア職であるサーバーエンジニアは、かなり専門性の高い仕事です。そのため知識の浅い状態では、なかなか活躍することは難しいでしょう。しかしチームや先輩からの指示や指導を素直に吸収できれば、成長のスピードは加速させることができます。
サーバーエンジニアになるために必要なスキル・資格
ポテンシャル採用を狙う場合であっても、サーバーエンジニアとして必要なスキルを身につけておけば、選考に有利になることは間違いありません。また、第二新卒以上、30代で未経験からサーバーエンジニアとしての転職を目指すなら、スキルがなによりも重視されることは頭に入れておきましょう。
情報処理技術者試験
https://www.jitec.ipa.go.jp/
スキルを手っ取り早く身につけるならデータベースエンジニアに関連する資格の取得を目指すのがおすすめです。資格があればそのままスキルや知識の証明となります。IT系の資格はたくさんありますが、「情報処理技術者試験」が広く知られています。レベルが4段階ありますので、そのなかで基礎的な知識を問う「ITパスポート試験」から始め、コンピュータの世界全般に対する知識を幅広く学べる「基本情報技術者試験」の取得を目指しましょう。基本といっても合格率は20~30%ほどで、難易度は高いです。
MCSA
https://www.microsoft.com/ja-jp/learning/mcsa-certification.aspx
MCSAはMCPとよばれるWindowsサーバーに関わる知識と技術力が問われる試験のうちのひと区分です。サーバーエンジニアを目指すなら、まずはMCSAから取得を目指すのがよいでしょう。
LPIC
https://www.lpi.org/ja/
Windowsサーバーと並んで高いシェアを持つサーバーOSの「Linux」を扱うスキルを証明する資格です。レベルが1から3までありますので、まずはレベル1から目指しましょう。
サーバーの知識を身につけるには、独学で教材を使って学ぶ方法とスクールに通う方法の2つがあります。どちらがよいということはありませんが、スクールに通うにしても、まずは独学で勉強をすすめてからがよいでしょう。
その理由としては、全くの知識ゼロからだと、どうしても「教えてもらう」という受け身の姿勢になりがちです。また、スクールに通っていること自体で満足してしまう可能性もあります。サーバーエンジニアを目指すなら、まずはとことん自分から主体的に勉強することが重要でしょう。試行錯誤や工夫をしながら自分でスキルを身につける姿勢は、サーバーエンジニアとして働くことになった後にもきっと活きてきます。