• 2020/07/13
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RACIチャートを使ってプロジェクトの役割分担と責任の所在を明確にしよう

  • マーキャリ 編集部
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この記事では、プロジェクトに関わる各メンバーの役割を明確にする「RACI(レイシー)チャート」について解説しています。プロジェクトは進むにつれ、誰が実行しているのかが複雑になってくることが多いもの。RACIチャートを使うことで、役割分担と責任の所在が誰にとっても分かりやすくなります。

RACIチャートとは

RACI(レイシー)チャートは、プロジェクトに対するメンバーの責任分担表です。RACI図と呼ばれることもあります。 プロジェクトをすすめていると、この件については誰に聞けばいいのかとなったときに、「それは〇〇さんに任せたのでそちらに聞いてください」などと、誰が実行しているのか、誰が責任をもって管理しているのかと混乱してしまうことが少なくありません。


RACIチャートは、あらかじめそれぞれのタスクについて実行する人や責任者を決めておくことでプロジェクトを滞りなくすすめていくのに役立ちます。

RACIチャートの4つの役割

RACIチャートは、以下の図のようなものを指します。

RACIチャート図版

https://media.mar-cari.jp/article/detail/780


軸にプロジェクトやそれを構成するタスク、横軸にチームメンバーをとり、マス目にそれぞれの役目を記入していきます。RACIチャートでは、メンバーを以下の4つの役割に分けて記入していきます。RACIとは4つの役割の頭文字をとったものです。


・Responsible(実行責任者)

実際に業務やタスクを行う人。

・Accountable(説明責任者)

タスクの責任者。タスクの進捗や成果について上層部などへの説明責任を持つ人。タスクに対しての承認者とも言えます。

・Consulted(協議先)

タスクの遂行に対しての相談先。必要な専門知識などを持っていて必要に応じてサポートする。実行や成果への責任は負わず、あくまでサポート役。

・Informed(報告先)

タスクの進捗報告を受ける必要がある人。基本的には各メンバーからの一方通行な報告を受ける役割です。


それぞれの役割について詳しくみていきます。  

Responsible(実行責任者)

RACIチャート上でRで表すResponsible(実行責任者)は割り当てられたタスクについて責任を持って実行をする人。つまり、タスクについて誰かに割り振ったりする役割ではなく、実際にタスクを遂行する人のことです。1つのタスクについて複数のRがいても問題はありません。現場での作業など、タスクによってはResponsible(実行責任者)がAccountable(説明責任者)を兼ねることもあります。


Responsible(実行責任者)は常に進捗をAccountable(説明責任者)に報告し、タスクを計画通り完了できるようにすることが求められます。Responsible(実行責任者)に経験や知見がないタスクなどについては、Accountable(説明責任者)ではなく、基本的にはConsulted(協議先)に相談して疑問を解消していきます。  

Accountable(説明責任者)

RACIチャート上ではAで表すAccountable(説明責任者)はタスクに対しての責任者です。プロジェクト全体の責任者ではなく、タスクに対して説明責任がある人だということは誤解がないようにしましょう。Responsible(実行責任者)が期日までにタスクを終えられるように状況の確認をするのもAccountable(説明責任者)の役割です。タスクが完了するなど、必要に応じてInformed(報告先)へ報告します。


Responsible(実行責任者)とAccountable(説明責任者)は、RACIチャートを使用するにあたって必須の役割となります。どちらも責任者とついているので違いが分かりづらいかもしれませんが、部下と上司の関係だと考えるとイメージしやすいでしょう。実際にタスクを実行するのは部下ですが、それを管理するのは上司です。上司はさらに上司の上の部長などにタスクの結果や進捗について報告や説明をします。実際にタスクを行うのは部下ですが、その責任は上司にあるといったものと同様です。部下がResponsible(実行責任者)、上司がAccountable(説明責任者)です。  

Consulted(協議先)

RACIチャート上ではCで表すConsulted(協議先)は、Responsible(実行責任者)から相談を受ける立場です。プロジェクトの初期やResponsible(実行責任者)からの相談が少ないときは、積極的にサポートを行うことが求められます。立場で言えば、Responsible(実行責任者)の先輩にあたる人物が配置されることが多いでしょう。Responsible(実行責任者)と双方向のコミュニケーションを行い、タスクの遂行をサポートします。  

Informed(報告先)

RACIチャート上ではIで表すInformed(報告先)は、タスクに進捗があった場合に報告を受ける役割です。データやシステムを管理している管理部や総務、経理などが該当することが多いです。タスクやプロジェクトには関わらなくても、変更があった際には伝えておかないといけない人や部署のことを指します。


Consulted(協議先)とInformed(報告先)は、どちらもタスクに直接関わるわけではない点で共通しています。しかし、Consulted(協議先)とはコミュニケーションが双方向で、Informed(報告先)へは一方通行の報告となる点が大きく異なります。タスクによってはConsulted(協議先)とInformed(報告先)はいなくても構いません。

RACIチャートの活用シーンとポイント

RACIチャートは、責任の所在と実行者をメンバー内で分かりやすくするためのものです。そのため、少人数のチームであればRACIチャートを活用してもあまり効果はないでしょう。RACIチャートはたくさんの人数が参加する複雑なプロジェクトに有効です。だれが担当で誰が責任者か、それが分かるだけでもかなり円滑にプロジェクトがすすむでしょう。1つのタスクに複数のAccountable(説明責任者)がいるというミスも防げます。RACIチャートは、関わるメンバー全員が見えるように公開しておくとよいでしょう。


1つのプロジェクトに対してあまりに多くのタスクに分割してしまうとかえって責任の所在が分かりづらくなります。RACIチャートのマスは、増やしすぎないよう注意が必要です。RACIチャートを用いる際には、Accountable(説明責任者)から決めていくことをおすすめします。その理由として、Accountable(説明責任者)は1つのタスクに対して1人だからです。きちんとタスクが完了できるかは、Accountable(説明責任者)にかかっていると言っても過言ではありません。


また、Consulted(協議先)とInformed(報告先)の選定に時間をかけすぎないことも忘れてはいけません。Consulted(協議先)とInformed(報告先)はあくまで、プロジェクトにおいてはサブの役割。必要であれば、配置するといった考えで問題ありません。 

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