この記事では相手に伝わるプレゼンテーションのコツとして「ダイヤモンドモデル」について解説しています。プレゼンがつい冗長になって自分でも何を話しているのか分からなくなる、どういう順番で話すのがよいか悩んでいるといった際に特に重要な考え方になります。ぜひ参考にしてください。
プレゼンを行う目的
ダイヤモンドモデルについて解説する前に、「よいプレゼンとはどういうものか」について確認しておきましょう。ダイヤモンドモデルをただその通りに真似ても、どういうプレゼンを目指すべきかが定まっていなければ、本末転倒です。
よいプレゼンについて考える際には、プレゼンをする目的を確認するのがヒントになります。プレゼンは、経営陣に戦略を提案する際や、顧客に対して商品の良さをアピールする際に行いますよね。この2つに共通しているのは、聞き手に対して行動を促すという点です。
経営陣へのプレゼンなら、自分やチームの案を採用することを求めていますし、顧客に対してなら契約や購入を求めています。つまりプレゼンの目的とは、「相手に行動してもらうこと」にあります。商品の良さをアピールすることがプレゼンの目的ではなく、商品の良さをアピールして、買ってもらうことがプレゼンの目的なのです。よいプレゼンとは、「相手に行動を起こさせるもの」であると言えるでしょう。プレゼンの計画や内容を練る際には、このことを忘れないようにしてください。
ダイヤモンドモデルとは
プレゼンを効果的に行うためには、相手に理解してもらうことが重要になります。ダイヤモンドモデルとは、プレゼンを論理的に行うために話す内容の順番をモデル化したものです。プレゼンにおけるダイヤモンドモデルとは、以下の図のような順番で話をすすめることを言います。
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論理的にプレゼンするための「始め・中・終わり」
ダラダラと話をしては、行動を起こしてもらうどころかプレゼンの内容が伝わりません。ダイヤモンドモデルでは、論理的なプレゼンの基本の枠組みとして「始め・中・終わり」の3つのブロックに分けて話をすすめることを推奨しています。ダイヤモンドモデルの図を見ると、細かく分かれていますが「注意を惹く」と「メイントピック」の2つが「始め」、「サブトピックの紹介1,2,3」、「サブトピック1,2,3」、「サブトピックの要約1,2,3」が「中」、「結論」と「アクションプラン」が「終わり」にあたります。それぞれのブロックごとのポイントについてみていきましょう。
ポイントその1:「始め」の部分ではいきなりメイントピックに入らない
プレゼンに慣れていない人がやりがちなのが、いきなりメイントピック、つまり本題に入るというミスです。商品の説明をいきなりされても、相手が興味を持っていない状態であれば購入や契約には至りません。いきなり本題に入るのではなく「相手の注意を惹くこと」から始めましょう。
聞き手に興味がないなら、聞き手がいないのと変わりません。相手の関心を集めるために自分の話をしたり、相手に質問を投げかけたり、相手が意外に思うようなデータを紹介したりすることで、相手の注意を惹くことを心がけましょう。
注意を惹いてから本題に入ることで、相手が初めて聞く姿勢を作ってくれます。メイントピックについては「はっきりと簡潔に話すこと」がポイントです。聞き手にクエスチョンマークが浮かぶようなものではなく、「〇〇について話します」などと相手に誤解や推測する余地を与えないようにしましょう。話を聞くことでどんなメリットがあるのか、どんなことができるようになるのかについても、この段階で伝えます。
ポイントその2:「中」でメイントピックを3つに分けて話す
何について話すかという本題をしっかりと聞き手に示したら、次はメイントピックを3つに分割して話していきます。メイントピックを分割したそれぞれをサブトピックと呼びます。2つや5つなどではなく、3つに分ける理由は相手の印象に残りやすいからです。細かく分けすぎると部分的に忘れてしまいがちですし、2つだと分け方がおおざっぱになってしまうことが多いです。そのため基本的には3つに分けると覚えておいてください。5つのものを紹介したい場合には、共通点で絞るなどして3つにするとよいでしょう。
「中」の部分ではまず、3つのサブトピックを簡単に紹介します。ここで重要なのは「1つ目は・・・」、「2つ目は・・」などときちんと番号をつけて話すことです。番号がないとせっかく3つに分けたトピックの区切れが分からなくなり、聞き手が混乱しやすくなります。
3つのサブトピックについて紹介したら、次にそれぞれのサブトピックについて具体的に掘り下げて説明していきます。客観的なデータや根拠を紹介することで、相手に納得してもらいやすくしましょう。説明を終えたらそれぞれのサブトピックについて要約していきます。ここでも「1つ目は・・・」、「2つ目は・・・」と、数字をつけて話すことを忘れずに。
ポイントその3:「終わり」でメイントピックをもう一度
終わりのブロックで行うことは「結論」と「アクションプラン」の提示です。終わりの段階まで来ると多少時間がかかっています。結論では、もう一度メイントピックに触れ、このプレゼンが何をテーマとしたものかを再確認しましょう。そしてこのプレゼンがなぜ聞き手のメリットになるのかを伝えます。
「終わり」のブロックで特に重要なのは、結論を述べたあとです。セミナーに参加した際に「今日はいい話が聞けたなー」と思ったものの、その後何も行動に移さなかったという経験はないでしょうか。せっかくプレゼンをしても相手が行動を起こさなければ何の意味もありません。プレゼンを行う目的はあくまで「相手に行動を起こしてもらうこと」。決して講演会ではありません。プレゼンで結論を述べたあとは、具体的に何をすべきなのかというアクションプランを必ず提示することを忘れないでください。
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