突然ですが今働いている仕事(会社)をこの先何年続けますか?
こう質問をした時に、多くの人は「分からない」と答えます。
では「この先転職する可能性はありますか?」と質問を変えてみます。
やはり回答は「まだ分からない」です。
何故でしょうか。
今既に仕事を変えたいと思っているけれど、明確にやりたい仕事や転職先が見つかっていない。
給料や待遇に不満があって転職したいけれど、業務が忙しくて活動する時間がない。
今の仕事をやっていても将来性が感じられないが、何かをチャレンジするモチベーションではまだない。
こういったケースは少なくありません。
また、本人が今の仕事に満足していたとしても、この先何があるかわかりません。
突然経営が傾き、リストラに合うかもしれない。
親の介護などやむを得ない事情で今の仕事が続けられないかもしれない。
多くの人がこれら「可能性」を持っています。
つまり誰もが「転職潜在層」であると言えるのかもしれません。
希少性が問われるこれからの社会
政府の働き方改革推進も相まって、副業や複業への企業理解はどんどんと深まってきています。働き方の選択肢が増えれば、それだけスキルを持った有能な人材が多方面で活躍できるチャンスも増えます。
そんな中、2020年新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け失業率が一気に上がり、求職者トレンドが売り手市場から買い手市場に転換しようとしています。
これが意味することは、仮に今後転職を考えた時に自分が希望する企業に応募が殺到する可能性が上がるという事、つまり転職活動をする時のライバルが増えるという事です。
当然そうなれば、これまで以上に市場価値の高い人材ほど有利になるでしょう。
では市場価値はどうやって見せるのか。
例えば、「難関の大学を卒業し、上場企業に就職、営業を3年間経験しその後、チームのマネジメントを任された」という経歴があったとします。
キャリアとして決して悪くありませんが市場価値でいうと、これだけでは高いとは判断されにくいでしょう。
企業からしてみれば、似たような経歴は山ほど見てきているはずです。
そこで仮にその3年間の営業経験の中で、以下のような実績があったとします。
「自分が所属していたチームは、独自ツールを用いて顧客管理を行っていたが、どのプロモーションを打ったタイミングで購入されたのか、また、関連したセミナーへの参加状況など、重要なデータが全く管理されておらず分析をする体制もなかった為、上長に新たなツールの導入と体制の見直しを打診、それが採用され翌年の売り上げ向上に繋げられた」
これだけでも市場価値は大分高まります。
さらに、例えば営業経験の中で「メルマガの配信を1人で担当していた時期があり、毎回リンククリック率30%以上を維持していた」という実績を持っていたら、市場価値はさらに上がるでしょう。
何故なら「メーリングリストが増えない」や「コンバージョンに繋がらない」などメールマーケティングに課題を持っている企業は多いからです。
色々な業務をする中で、自分が目標や希望としていたゴールを達成した経験や、チームに貢献できたと思える実績・成果を多かれ少なかれ誰もが持っているのではないでしょうか。
それら「アチーブメント」を知っているのは通常、所属する組織のみです。上司で止まっていれば、会社(経営層)ですらそれを知ることはありません。
しっかりと日々の現場を見ることができている管理者でない限り、組織成果が誰の貢献によってどれくらい得られたのか常に把握するのは難しいところでもあります。特に個々の成果を数字で表せない業務であれば尚更です。
表彰など特別な評価を受けなければ、誰もが自分のアチーブメントを意識することもなく、キャリアを重ねていきます。
それ故、経歴書では、これまでの積み重ねを単に「業務経験」としか表現できず、多くの転職者が自分の本当の価値を示すことができずにいるのです。
個人の成果の積み重ねは、知られることに意味がある
経験と成果を日々重ね、そして記録し、それを市場に周知し続けることが価値向上へと繋がります。
例えばスポーツ選手を思い浮かべてください。
成果を上げる度に選手の市場価値は上がります。それは成果を上げたからだけではありません。試合という公の場で多くの人がその成果を知り、またそれが周知されるから、スポンサーや有名チームからのオファーといったチャンスが舞い込んできます。
極端に言えば、どんなに試合で凄いプレイをしてチームを勝利へ導いたとしても、観客もプレスも誰もおらず、さらにそれが周知されることもなければ、その選手の成果はチームだけの価値になります。
冒頭の話に戻りますが、「この先転職する可能性はありますか?」という質問に対しもし「絶対にありません」と言えない何かがあるのであれば、
自分の成果をチームだけの価値にすることは非常に勿体ないのです。
キャリアアーカイブは自身の価値をアーカイブする場所
こうしたリスクを踏まえ、ミスマッチを防ぎ、定着率や社員のエンゲージメントの向上を目指さなくてはならない為、採用コストを抑えられるリファラル採用に力を入れる企業が増えることが予想されます。
その一方で自社の業績維持のために最低限、コストを掛けて自社にマッチした質の高い採用を行う必要があります。
そういった背景もあり、キャリアアーカイブに企業からの注目が高まっています。
既に多くのビジネスキャリアがアーカイブされており、サイトにアクセス可能な誰もが無料で見ることができます。
ビジネスキャリアを始め、所属する組織内で表彰された実績や、業績アップに貢献した功績などを、自らSNS上で発信することに気が引ける人も少なくはないでしょう。
それはSNSの本来の目的が交流にあるからです。
一方でキャリアアーカイブはそれらの情報をその個人のビジネスにおける価値と捉え、重要記録として保存・活用し、未来に伝達することを目的としている為、誰もが気兼ねなくキャリアを公開する事ができます。
また本名で公開をしている人は、インターネットで名前を検索した際にページを見つけることができる為、知り合いに見られる可能性があります。
それは同時に、その人のキャリアをよく知っている組織内の人からも見られる可能性があるという事です。
当然、事実と異なる情報が掲載されていればそれらの方々から指摘が上がる為、
本名+キャリアを公開すること自体が、その人にとって公への信用にも繋がるのです。
企業からすれば、キャリアアーカイブは将来の有力社員の可能性の宝庫でもあります。
現在β版としてリリースされていますが、今後更に色々な機能が加わり本格的にリリースされる予定です。
自身のキャリアに本気で向き合いたい人は、是非いち早く活用してみてはいかがでしょうか。
■Te23 Profile
弱冠22歳にして数多くの企業のBtoBマーケティングを支援。2008年以降、複数のグローバル企業と契約を結び、いち早く複業という新たな働き方を体現しながら、彼らの日本参入に大きく貢献。また、自らのブランディングと並行し、某音楽配信企業や国内機材メーカーのアドバイザーとしても活躍、ファンマーケティングを通じてそれら企業のグロースハックを経験。別名義でのSNS総フォロワー数は8万人を超える。近年、自身のこれまでの経験とクリエイティブなポテンシャルを活かし当メディア内で執筆も行っている。