今回は、ホスティングやサーバといったITインフラを中心に提供する株式会社リンクでマーケティング部のマネージャーを務める小川様にお話を聞いてきました。長年営業職を務めてきた小川さんがマーケターとしてのキャリアを選択した理由は何だったのでしょうか。
*現状のマーケティング活動概要と課題
*広告会社の営業からマーケティング職へ
―現在の業務内容についてお聞かせください
小川さん(以下、敬称略)
私は主に「ベアメタルクラウド」という製品のマーケティング担当をしています。業務としては、マーケティング戦略立案から広報活動、Web広告出稿や運用管理、イベントの設計・運用など…いわゆる、マーケティング業務全般です。
弊社はプロダクトで事業部が分かれているのですが、マーケティング部はすべてのプロダクトを横断して活動しています。各プロダクトのマーケティング担当は決まっているのですが、それぞれ得意分野が違うので、得意分野では担当外のプロダクトのマーケティングにも関わることがあります。自分の場合はWeb・デジタル領域の施策です。
―Webやデジタル領域に強いということですが、以前はそういったお仕事をされていたのでしょうか?
小川
キャリアのスタートは、プログラマーでSEを目指すことから始まりましたが、1年ほどで広告の営業職にキャリアチェンジしました。インターネット広告を扱う会社で営業系の職種に従事し、2016年にリンクに転職しました。
―長年勤めた広告会社の営業職からマーケティング職に転職をされているのは、どういったお考えがあったからなのでしょうか。
小川
広告は企業が抱えるマーケティング課題を解決する一つの施策であり、そこだけでは、企業が抱える本質的な課題は見えてきません。将来的には事業を作っていくようなこともしたいと考えていましたので、そのためにはマーケティング領域の経験や知識が必要であると考えたからです。
―なるほど。それでは、現在のポジションでお仕事をされていて感じるマーケティングの厳しさ、面白さについて教えていただけますでしょうか。
小川
自分で戦略を立て、施策を考えて実行していくのですが、考えた施策がうまくいったときはやはり嬉しいです。思いついたアイデアからロジックを立てて施策に落とし実行していくプロセスの自由度が高く、やりがいがありますね。ですが、マーケティング戦略次第で事業の方向性が決まってくるので、市場におけるターゲティングやポジショニングを間違えると一気に事業自体が失敗してしまうというリスクも孕んでいます。その責任感は大きいですね。また、常に考え続けなければいけない仕事なので、忍耐力は必要な仕事だと思います。
*営業経験を活かしたマーケティング活動
―これまでのご経歴は、現在のお仕事に繋がっている部分はありますか?
小川
そうですね、やはり前職の広告業界での企画営業経験は、大きな財産だと思います。ただ単に「広告枠を売る」というだけではなく、お客さまの集客課題に対してどういったプロモーションを提案すればいいのか、自分で考える、企画を立てるという経験ができたことは大きかったです。そして何よりも、営業経験ができたこと自体ですね。マーケティングをする上で売ったことがない人間はどうしても頭でっかちになりがちだと思うのですが、営業がどういうところに売りやすさ・売りにくさを感じているか、肌感覚で理解できる。出てきた課題をどうやって解決するかというところに営業マンとしての思考が役に立っていると思います。
―他の会社だと営業とマーケの仲が悪いという話もよく聞きますが、そのギャップを埋めるための努力もされているのか?
小川
そうですね。それも自分が営業だった経験を活かして、売りやすくする努力はしています。ただ、営業が言うことがすべてではないので、マーケとしての譲れない部分はある。営業の思考は「売るためならなんでもやる」というふうになりがちなので、自分たちのプロダクトのコアを守るために言うべきことは言うようにしています。 それでも、弊社の営業とマーケティングは、かなり距離の近い関係性だと思います。弊社が扱っているようなインフラ商材は、足が長く、一人の営業マンが定期的にリレーションを取り続けるのは大変なんです。そこにインサイドセールスを活用しているのですが、運用面の効率化のためにマーケ側でMAでシナリオを組み、定期的にアラートを飛ばしてアプローチに漏れがないようにしています。実際に受注に繋がるケースもあります。営業とマーケの連携の好例ですね。
*マーケターとしてのキャリアビジョンと、これからマーケターを目指す方へ一言
―これからのキャリアビジョンについてお聞かせいただけますか。
小川
自分がやりたかったことがここにあると感じていて、すごく楽しく仕事をしています。まずは今担当している「ベアメタルクラウド」を成長させること、マーケターとしての経験値を積み重ねていき、いずれはマーケティングで培った経験を活かして事業を考えて作っていく側に進んでいきたいと考えています。
―これからマーケターを目指す方に対してのメッセージなどあれば、お願いします。
小川
マーケティングという仕事は、一見、華やかに見られがちですが、実際は孤独にひたすらPDCAを回し続けています。どうすれば売れるのか、どうすればCVが増えるのか、ひたすら考え抜いた施策が成功した時は、なんとも言えないやりがいや喜びを感じます。仕事柄、業務量も多くハードではありますが、守備範囲も広く色々なことにチャレンジできるので、そうした状況を楽しむことを大切にして欲しいと思います。
―小川さん、ありがとうございました