働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。
今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。
今回の記事投稿者:佐藤 真紀子さん
⇒佐藤 真紀子さんのバイオグラフィはこちらをクリック
はじめまして。佐藤 真紀子と申します。現在2人の子どもの育児に奮闘しながら仕事と主婦業を頑張っています。仕事はフリーでインテリアコーディネーターをしながら、最近は細々ですがライターの仕事に挑戦し始めました。私がフリーターから現在の仕事に就くまでの流れを紹介していきたいと思いますので最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
高校卒業後フリーターからの出発
私は将来どのような仕事に就きたいかという具体的な夢もなく、中学校卒業後何となく普通科の高校に入学し、何も資格を持っていないまま高校を卒業しました。高校は普通科でしたし、パソコンを使った授業は一度もありませんでした。パソコンが普及しているご時世なのにパソコンを一度も触らないまま高校を卒業したので簡単なパソコンの操作ができて当たり前の風潮の中、何もアピールポイントがない状態でした。
おまけに5教科の成績も最悪で大学進学もできない状態でした。唯一、小さい頃から続けていた書道の腕を書道の先生が認めてくれ、書道科のある大学に推薦で行かないかという話を頂いたのですが、既に私の姉が書道の推薦で4年生大学に通っており、かなりのお金がかかる事を知っていたので家庭の金銭的状況も考えて大学進学は断念しました。
そんな私には高校卒業後就職するしか選択肢がありませんでした。就職難と言われた時代に就職試験を何社か受けましたが全滅し、就職できずに結局フリーターとしてコンビニやスーパーなどでレジ打ちの接客のアルバイトを2年程続けていました。正直接客業が嫌いだったので「とりあえずパソコンの資格でも取って事務員にでもなりたいなー」と考えていたので、パソコンの訓練校に通い事務に必要な最低限のWord、Excel、PowerPointと電卓検定、簿記の資格を取りました。
それから簡単な入力業務の事務員兼雑用の仕事に就職しました。その頃、1日パソコンの前に座って単純作業をする中で自分の本当にやりたい仕事は何なのかという考えが浮かび始めました。
本当にやりたいことは何なのかを考えた結果
実家が工務店をしていたこともあり、小さい頃から休みの日は現場に顔を出して父の仕事を見に行き、現場の掃除や雑用を手伝いながら家造りの流れや職人さんの仕事を見ていました。その時から建築に関して興味があったんですよね。そのことを思い出して建築関係の仕事をしたいと思いました。
それから建築士免許を取りたいと思ったのですが、普通科の高校を卒業し建築関係の仕事経験のない私には建築士免許の受験資格がありませんでした。受験すらできない事を知りかなりのショックを受けました。私のように建築関係の学歴のない人間が2級建築士の試験を受ける場合は“建築関係の仕事を7年以上経験すること”が受験資格の条件だったのです。
そこでインテリアも好きだったこともあり、インテリアコーディネーターの資格をとり建設業の会社でインテリアコーディネーターとして仕事をしながら建築の勉強をしようと考えました。お金が無かったのでインテリアコーディネーターの資格は通信講座でできるだけお金を掛けずに取得しました。インテリアコーディネーターの試験勉強をする中で、インテリアコーディネーターの仕事は部屋のイメージに合う家具のコーディネートだけでなく、住宅・店舗などの壁や床・建具・住設備などの内装デザインをコーディネートする仕事もあることを知りました。
そして地元の工務店が出していた求人でインテリアコーディネーターの募集を見つけ、うまいこと入社することができ、私は住宅の内装のデザインをトータルコーディネートする仕事に就くという夢に近づくことができました。
フリーター時代の経験が知らぬ間に役に立っていた
住宅の内装提案などは直接施主様との打ち合わせをしますが、高校卒業後何となくしていた接客業の経験が活かせました。基本的な事ですが、笑顔で相手の話をよく聞き相手が求めていることを先回りして読んでいく。いつの間にかこのスキルが身についていたので小さい頃人見知りだった私が嘘のようにスムーズに会話ができるようになっていました。まさかフリーター時代の経験が役立つとは思っていませんでしたが、「フリーター時代安い賃金で一生懸命働いていたことが現在の仕事に繋がる“下積み時代”だったのかな」とこの時感じました。
そう思うと当時就職に失敗しフリーターとしてアルバイトをしている自分に劣等感を感じていた気持ちがパァーっと晴れていきました。今まで私の中で自分自身を苦しめてきた気持ちが晴れて、社会人になって初めて仕事に関する幸せを感じる事が出来ました。
キャリアチェンジで最初大変だったこと
インテリアコーディネーターの資格の勉強は通信講座でしたし、建築関係の仕事経験も無いため最初は現場での力仕事もしました。そして家の構造や家造りの流れなどを現場で学びながら内装デザインを本やネットなどから勉強し、どんどん変化していく最新情報をできるだけ沢山仕入れました。実際に他社モデルハウスに潜入したこともあります(笑)
インテリアコーディネーター協会に入り勉強会に参加しながら先輩方の仕事ぶりを勉強させていただくしかなかったので、勤務時間以外でも勉強づくしだったので正直大変でしたが好きなことだったのでどんどん覚えたいという欲求が強く、続けることができました。内装デザインだけでなく、住宅設備(キッチン、バス、給湯器)から照明器具、色彩についても勉強しました。
そして1番悩んだのは現場で作業する職人さん達に“この部分はこういう風にして欲しい”とか“これはイメージと違うのでやり直して欲しい”などを伝える事がとても難しかったことです。経歴の長い職人さん達からすれば、経験がほとんど無い若造からの注文は受けたくないというプライドがあるのか、なかなか思いが伝わらずに思ったように仕事を進めることができませんでした。
仕事で成果を出すための小さな心使い
最初は小さいリフォームの内装デザインから始め、段々と仕事を覚えだしてからは少しずつ仕事内容が大きくなっていき、最終的には間取りまで考え家一棟を丸ごとデザインするという所までできるようになりました。とてもやりがいを感じました。職人さんたちが使う専門用語なども勉強し、仕事をしてくれる事に対しての感謝の気持ちを素直に伝えコミュニケーションをとったりすることで会社の人や現場で作業する職人さん達からも少しずつ認めてもらえるようになり、仕事をスムーズに進めることができるようになってきました。
キャリア転職を目指しているなら
以上の経験をし、第一子出産を期に子育てとの両立を図るためフリーランスでインテリアコーディネーターの仕事をすることに決め、現在に至ります。
キャリア転職を目指している方。過去、現在に経験した職業で培ったことだけでなく、趣味や学生時代の経験などもキャリア転職に繋がるものがあるかもしれません。それを探すことから始めてみてください。自分ができることは何なのか、自分の趣味、好きな事、得意なこと…その経験を活かせる仕事は何なのか。そして転職のために必要な技術や資格はどんなものがあるのか十分に下調べして準備をしましょう。
キャリア転職を何となく考えずに、計画を練りに練り上げてから進めた方が成功率はあがります。自分の目指す職業に対して努力を惜しまないようにして欲しいです。努力すればするほど、自信もでて積極的に自己をアピールでき転職に有利になると思いますので、あきらめずに頑張ってほしいです。