• 2020/12/22
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業務改善の着手には「ECRSの原則」を活用しよう

  • マーキャリ 編集部
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業界や業種を問わず、あらゆる業務には効率化や改善が求められます。この記事では「ECRSの原則」という、業務改善を行う際に有効なフレームワークについて詳しく解説しています。ぜひ会社や部署の業務、ひいては自分のタスクマネジメントを効率化のために参考にしてください。

ECRSの原則とは

ECRSの原則は工場などの生産現場で使われる業務改善手法です。主に工場で利用されるフレームワークですが、オフィスワークにおいても十分に活用できるものです。ECRSの読み方はイクルスです。ECRSはEliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入れ替えと代替)、Simplify(簡素化)の英語の頭文字を合わせたものです。以下の図のようにE→C→R→Sの順番で業務改善に取り組んでいきます。この順番は効果が大きいものから並んでいます。


https://media.mar-cari.jp/article/detail/685

ECRSの4つの要素

ここからはEliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入れ替えと代替)、Simplify(簡素化)それぞれのパートについてどのような行動をするのかを見ていきます。  

Eliminate:排除

ECRSの1つ目のアクションは「Eliminate(排除)」です。無駄な業務を取り除くために「その作業をなくせないか、やめられないか」という視点で見ていきます。この際、その業務を行う目的や目標を改めて確認しながら考えていくと、無駄な業務が見えやすくなります。


特に長年、当たり前のように行っている定型的な業務は、「排除」の対象になる業務が多いです。前任者から引き継いでそのまま業務を行っているものの、「なぜ、何のためにその業務を行っているのか」を担当者さえ理解していないケースが該当します。業務そのものに影響しないただの習慣は思い切ってやめてしまうことも検討しましょう。


「Eliminate(排除)」の具体的な例としては会議を行う時間を決め、だらだらと長引かないようにする、朝礼を廃止する、出張をなくしテレビ会議を利用する、共有すべきことの周知は会議ではなく資料で行うなどが挙げられます。


会議は一定数の人間の時間を使うものです。回数を減らす、参加人数を減らすなどできる対策は多いです。週に1度行うものだからなどの理由で特に伝達事項もなく開催している会議などは迅速に排除すべきでしょう。  

Combine:結合と分離

ECRSの2つ目のステップでは、業務を1つにまとめる、ジャンルやカテゴリの異なる業務を分割する作業です。業務をまとめることで似たような作業が同時に進められるようになり、工数が減らせます。ここでは時間の節約を意識するとよいでしょう。たとえば1つの資料を作成するのに何人にも役割分担してしまうと、かえって作業効率が悪くなっていることがあります。このような状況を根本的に見直していく作業が「Combine(結合と分離)」です。


「Combine(結合と分離)」の具体例としては、2つの会議を1つにまとめる、会議と定例会を1つにする、発注作業や部署やカテゴリごとで担当者を分けるのではなく、発注の先任者を設ける、新規顧客のデータ入力や営業日報をそれぞれの担当者ではなく1日の最後にまとめて1人が行うなどが挙げられます。


「Combine(結合と分離)」を成功させるコツは、現在の役割分担を見直すつもりで取り掛かることです。また、小さなことでも長期的に見れば大きな成果となります。メールを一斉送信にするといった手軽なところから取り組んでみましょう。  

Rearrange:入れ替えと代替

ここまで紹介した「Eliminate(排除)」と「Combine(結合と分離)」は、何かしらの業務を省略していくものです。ECRSの3番目のステップである「Rearrange(入れ替えと代替)」は、「Eliminate(排除)」と「Combine(結合と分離)」の2つが難しい場合に行うものです。優先順位をつけて、作業を行う順番を入れ替えることができないかをチェックしていきます。簡単な例で言えば、作業を行う担当者をより適任の人に変更するといったものも「Rearrange(入れ替えと代替)」に含まれます。


「Rearrange(入れ替えと代替)」において意識したいのは全体的な視点です。場合によっては業務を他部署に振り分ける方が、全体からすれば効率がよくなることもあります。 「Rearrange(入れ替えと代替)」の具体例としては、アポイントを特定の曜日に集中させてアポがない日を作業に集中できる日にする、営業ルートを見直して時間の節約をする、議事録の作成を音声認識ソフトで行う、自社で行う必然性がない業務を外注するなどが挙げられます。  

Simplify:簡素化

ECRSの最後のステップは「Simplify(簡素化)」です。ここで意識するのは「作業をもっとシンプルにできないか」という視点です。作業の一部を簡素にしても成果が変わらないのであればその作業はシンプルにしてもよいということになります。複雑な工程を経て行う作業は、複雑であるからこそ一見すべての工程に意味があるように見えてしまいがちです。作業をシンプルにするという視点で取り組めば、工数が減ったり、あの人でしかできないといった属人化を解消したりといった効果が期待できます。


「Simplify(簡素化)」の具体例としては、出先での報告や連絡を電話ではなくメッセージアプリを使ってスマホで簡単にできるようにする、社内メールでは要件だけを記載するようにする、社内で使う資料をテンプレート化するなどが挙げられます。 ECRSの4つのステップを実行することで業務の改善や効率化につなげられます。しかし、ECRSを成功させるにはフラットな目線が重要。長年続けてきたやり方が最も効率が良い方法であるとは限りません。改善や効率化に終わりはありません。今一度ひとつひとつの業務を洗い出して、無駄がないかを確認してみてください。



ECRSは、会社や部署全体の業務だけでなく、自分が行う業務にも応用できます。ムダな作業をしていないか、ひとつにまとめられる作業はないか、業務の優先順位は正しいか、もっとシンプルな方法でできないかといったことをぜひ分析してみてください。自分のことであれば会社や部署全体の承認なども必要なくその日から改善できますよ。

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