• 2020/07/28
  • 連載企画
  • 不毛な会議

『不毛な会議』vol. 1 ~不毛な会議~

  • 冨沢  
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■新連載企画『不毛な会議』
あらゆる企業が直面しているビジネス課題に対して、会議を開かないと物事を前に進めることが出来ない主人公「噛皮情介(かみかわじょうすけ)」が挑んでく、マーケター冨沢によるオリジナル小説記事。
年間67万時間、約15億円も無駄な会議に費やしていると言われる中で、噛皮は有意義な会議を開き、トラブルを解決できるのか...

~とある化学製品メーカーの営業会議にて~

進行役「では先月の営業実績の共有からはじめたいと思います。まずは営業1課から、お願い致します」

1課課長「はい、営業1課の先月の業績ですが、まずみなさまのお手元にある資料の8ページ目をお開きください。こちらが今期の営業実績をグラフ化したものになります。グラフに書かれております通り先月は~~」

営業本部長「….zzz」コクリ、コクリ

カタカタカタカタカタカタカタカタ

1課課長「~~でありまして、1課の業績は先月比に比べて○○○%の成長という結果になりました。」

ヴーッ ヴー ガタッ

営業2課メンバー「もしもし、お世話になっております…」

1課課長「~~ということで、来月の目標・方針を含めた業績共有は以上となります」

進行役「ありがとうございます。ではお次に2課の営業業績の発表をお願い致します」

カタカタカタカタカタカタカタカタ…….


―――――――――――――――――――

噛皮「はあ…….」

滑函「どうしたんですか?溜息なんかついて」

噛皮「さっき課長と一緒に営業会議に行ってきたんだよ」

滑函「ああ、そういえば月に一回やってますね。ただ、噛皮さんって参加メンバーに含まれていましたっけ?」

噛皮「いや、それが今月からマネージャー候補として職歴のある人達何人かも参加するようになったんだ。一応、ほら職歴もあるし、何人かの部下のマネジメントもしているしって事で俺も呼ばれたんだよね」

滑函「なるほど。で、そのこととさっきのため息、なんの関係があるんですか?」

噛皮「今回始めて営業会議に参加したんだが、本当に意義の感じられない会議だったからムカついてたんだ。それぞれの課の業績や今後の方針の共有なんてチャットやメールで資料を共有すればいいのに、20人以上も本部に集めてやることかね?あと、参加者の態度も気に食わなかった。まあ、内容がないのも問題なんだが、集められた以上は会議に参加しようと話は聞くもんだろ?それなのにどいつもこいつも我関せずといった顔をしてパソコンでカタカタカタカタ。他にも信じられないことに寝ているやつまでいたよ。俺だって自分の業務ほっぽりなげて会議に参加しているのに、『僕は関係ないので、勝手に進めてください』みたいな態度されて無性に腹が立ったんだよ。今後も自分の業務を圧迫してまであの会議に参加するって考えると憂鬱で仕方ないね」

滑函「なるほど、確かに会議が目的も意思決定もないただの報告会になっては意味ないですね。話を聞いている限りだと何か業務改善、業績向上のための案を練るといった目的でもないようですし、特定の事項の意思決定もされていないみたいですね。ちなみに噛皮さんはその会議で何か発言はされましたか?」

噛皮「いや、俺は全く発言していないよ。進行役が一人いたのと、あとは営業1課、2課、3課の課長が先月の営業活動と今後の活動方針を発表したくらいかな。そもそも意見を求められる場でもなかったし」

滑函「発言を求められていないのであれば、何で噛皮さんは営業会議によばれたのでしょうか?」

噛皮「マネージャー候補として、あらかじめ営業会議がどんなものか見せておきたかったんじゃないか?」

滑函「じゃあ、噛皮さんがその会議で得たものは?」

噛皮「本当に必要な会議って少ないってことかな…」

滑函「なるほど、では僕たちのチームにおいても今回噛皮さんが抱いた会議に対する違和感に基づいて、一度本当に必要な会議とそうでない会議を整理してみるのはどうですか?僕たちだって限られたリソースの中で業務をやらなければいけないのは一緒ですし、中には会議に参加する時間を他の業務に割り当てたほうがいいメンバーもいるはずですから」

噛皮「確かにやらなくてもいい会議があるかもしれんしなぁ…。よし、みんなに今どんな会議をやっているのか聞いてみるか!」

滑函「ちょっと待ってください。その前にまず、噛皮さんが思う必要な会議の要件定義をしませんか?そこを決めておかないと有意義な取捨選択ができないと思うので。噛皮さんが思う会議に求めるものって何ですか?」

噛皮「そうだな、まずは会議に参加している人は全員発言することかな。発言をしないのなら会議に参加しなくてもいいのと同義だしな。だから求めるものといったら参加者全員が発言をしやすい環境かな」

滑函「そうですね…。『何か意見を言え』みたいな圧迫感のある会議だとフレキシブルなアイデアというのも出にくいと考えられますしね。そういった環境だとたとえ発言したとしても立場が上の人の意見に同調したり、あたりさわりのない意見が多くなりますよね」

噛皮「そうなんだよ。あっ、あと会議に参加するメンバーは4~5人くらいかな。参加人数が多いと論点がずれて会議の目的を見失ってしまいがちだし、何よりいろんな人が意見を出し合うと情報が多すぎてまとめるのが大変なんだよな」

滑函「最低限必要なのは会議の主催者と課題となっている業務に携わっている実行者、実行者が多い場合はその責任者だけでもいいかもしれませんね。そして最も必要な人物が意思決定者ですね。下意上達のミーティングの場合、意思決定者が存在しないと決断が下されず物事が前に進まないので、会議を開いた意味もなくなりますからね」

噛皮「うんうん。そしてあと会議で用いるデータや資料は前もって共有することだな。もちろんアジェンダも。その場になって情報が共有されてもその時間がもったいないし、意思決定者としてもその場で即判断するっていうのも難しいからな」

滑函「単なる情報共有・進捗共有にならない会議にするためにもその作業は大事ですね。また、今情報共有や進捗共有だけになっている会議はそのやり方で、代用できそうですね」

噛皮「ざっとこんなもんかな」

滑函「なるほど、まとめると『全員発言する』『必要なメンバーのみ集める』『あらかじめアジェンダとデータは共有する』ですね。では要件に当てはまらない会議は実際に削減していきましょうか」

噛皮「う~ん。でもこれ俺だけの価値観だしなぁ。中にはこの要件に当てはまらない会議でも必要と思っているメンバーはいるんじゃないか?それこそお前はどう思っているんだ?」

滑函「私はこの要件でおおむね納得していますよ」

滑函「そうかぁ。でも、やっぱりみんなの意見は聞いといたほうがいいと思うなぁ。なるべく部下の意見は尊重してやりたいし…」

噛皮「よし、決めた!今から必要な会議とそうでない会議を協議しよう!ミーティングを開くぞ!」

滑函「えっ!?」


次回『不毛な会議』をお楽しみに

■マーケター冨沢のProfile
大学卒業後カーディーラーに就職。営業部門に配属され、店舗の売り上げに貢献。 翌年にカーディーラーを退職し、BtoBマーケティング会社に入社。セミナー/イベントの集客やナーチャリングを担当したのちオウンドメディア運営部門に配属。現在はオウンドメディアの運営管理、プロモーションに従事。
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