この記事では日本発のリーダーシップ論である「PM理論」について解説しています。チームを導くよいリーダーの要素や、それを伸ばす方法について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
PM理論とは
PM理論は、社会心理学者の三隅二不二(みすみ じゅうじ)氏が1960年代に提唱した理論で、P(Performance)とM(Maintenance)の2つの要素の強弱によってリーダーには4つのタイプがいるとしたものです。日本発のリーダーシップ論として、定番のものとなっています。
PM理論のPとM
PM理論のPはPerformanceの頭文字で、「目的達成能力」を指し、MはMaintenanceの頭文字で「集団維持能力」を指します。一般的には能力ではなく「機能」とすることが多いですが、リーダーとしての「能力」と考えたほうが理解しやすいでしょう。
目的を達成するための力であるPには、目標の設定や戦略の立案、チームのメンバーへの的確な指示や進捗管理などが含まれます。目的を達成する、つまり結果を出すために必要な能力はすべて目的達成能力と言ってよいでしょう。
一方で集団維持能力のMは、チームワークを維持したり高めたりする力と言えます。メンバー間の人間関係を良好に保つ、対立があれば和解させる、チーム全員が力を発揮できるようにきちんと意見を出す機会を設けるなどの行動が該当します。
リーダーシップと聞くと、全体をひっぱっていくカリスマ性のようなものが求められるイメージがあるかもしれませんが、仕事で成果をあげるためのリーダーシップと、チームをまとめていくためのリーダーシップの2つがあるということです。
PM理論における4つのリーダー像
P(目的達成能力)とM(集団維持能力)の2つの能力はその強弱によって以下の図のように4パターンに分けられます。
https://media.mar-cari.jp/article/detail/752
4つのパターンについてそれぞれ見ていきましょう。力が強い場合はアルファベットが大文字に、弱い場合は小文字で表します。
PM型
PとMのどちらの能力も兼ね備えた理想的なリーダー像です。仕事の目標達成にもチームとしての一体感のどちらにも強い意識を持っています。
Pm型
Pの能力に比べてMの能力が低い状態です。つまり、仕事の目標を達成しようする意識や行動は強いが、チームに対しての関心は薄い状態になります。結果は出すものの、チームとしてはあまり機能していない状態です。
プロジェクトの計画や管理、チームメンバーへの指示や指導をしっかりと行っているので成果にはつながります。しかし、メンバーに対しての配慮や正当な評価に欠けるところがあるので、長期的に見ればメンバーのモチベーション低下から、パフォーマンスにも支障が生まれる可能性が高い危険な状態とも言えます。一言でいえば、結果は出すが人望はないリーダーです。
pM型
仕事の成果をあげる力は弱いが、チームとしてのまとまりはしっかりとあるリーダー像です。たとえば、チームメンバーそれぞれの意見を尊重するあまりに、成果をあげるために的確な指示や、戦略を立ててメンバーを引っ張っていくことができていない状態です。
pm型
仕事に対する達成意識も、チームをまとめる力もない状態で、リーダーとしては向いていないタイプです。パターンとしては、チームへの信頼や興味がなく、ひとりで焦ってもがいてしまうような人物があてはまります。
自分がどのタイプのリーダーかを知ろう
PM理論を知ることで、リーダーには4つのタイプがあることが分かります。PM理論の特徴としては、リーダーとしての能力の指針がP(目的達成能力)とM(集団維持能力)の2つだけで、とてもシンプルであることが挙げられます。チームや組織の人数のちがいはあっても、リーダーに求められるのは大きく分けて2つだと考えれば、自分が4つのタイプのうちどのリーダーであるかが見えてきやすいでしょう。
PM理論では、自分がどのタイプのリーダーであるかを診断したりテストしたりする方法が決められているわけではありません。そのため、自問自答をしていくことが必要になります。たとえばチームメンバーの自主性に任せるというのは、響きは良く聞こえますが、場合によっては放任主義やチームに興味関心がないと捉えられる可能性もあります。自分にそのつもりがなくても、重要なのはチームメンバーがどう感じているかです。自主性に任せるスタイルであるならば、なぜそうするのか、どういう目的でそうするのかをメンバーにしっかりと伝える必要があるでしょう。
PとMの力を伸ばすために必要なこと
P(目的達成能力)やM(集団維持能力)のどちらか、またはどちらも足りないと思った場合、どのように伸ばしていけばよいのでしょうか。
P(目的達成能力)を伸ばすには
チームとしての目的や目標を達成する力を伸ばすには、まず目標を徹底的に共有することが必要です。目標や期日なしに行動を起こしても、決して理想の結果にはつながりません。目標をメンバーに伝えるのはリーダーの役割ですが、メンバーにきちんと自分事としてとらえてもらうためには、リーダー自身がチームだけでなく会社全体の目指す方向性を理解しておくことが重要になります。
会社が何を達成するために、会社の一部であるチームにその目標が課せられているのか、それをしっかりと理由をつけて繰り返し伝えていくことで、目標を達成しようとする意識づけを行うとよいでしょう。その上で、目標を達成するために各メンバーには何が求められているのか、目標を達成するために具体的にどのような行動が求められるのかを伝えていくことも重要です。目標に対する意識面と行動面の両方でメンバーを導くことが、P(目的達成能力)を伸ばすことにつながります。
M(集団維持能力)を伸ばすには
M(集団維持能力)はひとことで言えば「チームをまとめる力」です。つまりはチーム内での人間関係を良好にするということなのですが、チームの中には実は2パターンの人間関係があります。それはリーダーである自分とメンバーの上下の人間関係、もう1つはメンバー同士の横の人間関係です。 定期的にメンバーひとりひとりと面談をしてじっくりと考えや意見を聞く、チーム全体の場では、全員に意見を発表してもらうなど、メンバーそれぞれの意見や思いをしっかりと共有することが重要でしょう。
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