• 2024/03/22
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はりこらむ 第95回「成長している時に停滞の、苦しんでいる時に成功の、要因がある」

  • 萩原 張広  
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成長している時に停滞の、苦しんでいる時に成功の、要因がある


 ⇒第94回「不適切にもほどがある!~令和の常識、昭和の常識~」はこちらから


 起業して33年経ちますが、最初の15年くらいは一つの事業(複数サービスは提供していたがPLは一つで運営していて私自身がその事業責任者)でした。

 社員も30~40人くらいで売上もまだ数億円規模でしたし、自分自身がプレイヤーとして現場で活動していました。一つの事業でその売上規模だと当然業界の変化や固有のお客様の影響が大きく、何回も事業継続のピンチがありました。業界でちょっとしたブームが起きて売上が急成長したり、固有のお客様との取引が拡大して急に利益が向上した事もあります。

 一方メインのお客様の動向により業績に大きな影響が起きた事もありました。当時はまだ私自身に事業成長の蓋然性の概念がなく、業績が上がると強気の計画を立て、1~2年くらいたつと停滞とピンチがくるような事もありました。自分自身が事業責任者で客観性を持つことができておらず、外部の方の意見や知見を取り入れる必要があったのだと思います。当時も経営者経験の長い外部の方との接点はあり、アドバイスはもらっていましたが、きちんと心に落ちていなかったのでしょう。やはり失敗して逆境にたって苦しんでみないと本当の事は学べないのかとも思います。

 現状私の会社は外向けには3事業、社内運営的には5つのPLがあり、それぞれの責任者がいます。事業フェーズも、ずっと続けている既存事業、5年ほど前に始めて急成長して若干踊り場になっている事業、3年前に始めて本格的な成長期に入ろうとしている事業があります。それぞれにおかれた環境や業績状況も違うので、対策も違います。会社全体としては複数の事業を持つことで一つの事業が多少のピンチになっても継続できる体制にはなってきているので、それはよかったと思います。

 過去の経験で思うのですが、事業が停滞しはじめた時に、「順調に成長している時にこの準備をしておけば」とか、「ここをちゃんと考えておけば」と過去を思い返すことがあります。また苦しい状態から立ち直って再度成長路線に入った時には、苦しい時にあきらめずに最後まで突き詰めて考えたり行動し続けたりしたから、今の結果に繋がっているのだなと思います。事業単位で言うと、ほとんどの場合はプロセスと結果の間には大きなリードタイムがあり、プラスにしてもマイナスにしてもその予兆を見逃さないことが大切ですね。

 以前よく、長期的には「陽転志向」で、短期的には「かもしれない運転」でというような事を社員に言っていました。自分たちがやろうとしている事に信念や自信があるのなら、逆風があっても自信を失わず未来を信じて今の事に取り組むべきですが、日常的な事やここから1年先位の事については、多少順調にいっていたとしてもこんな事があるかもしれないと、ネガティブ発想で備えておくことが重要ですね。年があけ、日経平均もバブル後最高値を更新しました。今現在の状況、半年後の状況、近未来の状況を想像しつつ、目の前の重要な事に取り組んでいきたいですね。

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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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