• 2023/03/17
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はりこらむ 第74回「SNSマーケティング ~営業されて思う事~」

  • 萩原 張広  
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SNSマーケティング ~営業されて思う事~


⇒第73回「ユーザー会やりました! ~直接お客様に接して思う事~」はこちらから


 過去に一度だけ接点がある研修会社の営業の方が転職されたらしく、Facebookのメッセージで営業のアプローチがありました。

 最近は、Facebookでいきなり友達申請があり、営業される事も結構ありますね。アプローチされた中には、実際によいお話だなと思って商談になり、私たちの会社から発注させていただいた事もあります。

 今回に限らずですが、営業的なメッセージを頂いてちょっと残念なのが、私たちの会社や事業についてほとんど調べずに連絡をいただく事ですね。今回の方はデジタルマーケティングの会社に転職されていて、一部ですが弊社と競合になりそうですし、またその会社の社長さんや役員の方とも私は面識があって、一度プレゼンを受けたこともあります。そこを確認もせずにいきなり面談のお願いをされると、ちょっと違うなと思ってしまいました。またコーポレートサイトの問い合わせフォームにくる営業も含め、新しい形での新規の商談創出の活動は、よいチャレンジだとは思いますが、活用方法を考えるべきかなと思います。

 Facebookの私宛の営業メッセージも、これは明らかに何かテンプレート的な文章を作成して、一部宛名だけを変えて送ってきているなという場合はすぐに解ります。そういった文章でも、配慮があって、私信に見えるような工夫をしている人もいますね。同じ案内を多くの人に送る場合は生産性を考えると自分もワンオブゼムだと理解できるので、問題は感じません。ただこの場合は、私が返信をしないことも多いです。

 一方、これは明らかに1件1件個別にメッセージをしているなと思うものもあります。前述の営業の方もそうでしたが、個別に送っているにも関わらず、こちらの事をあまり調べないで一般的な営業メールを送ってしまうと何かもったいないなあと思います。

 生産性視点で考えても、多くの人に同じような情報を送る時は効率を考えるべきで、個別にその人なりのアプローチをするのなら、効果を最大化する事を考えるべきです。会社や事業を調べて、以前に自社と接点があったのかを確認し、課題の仮説を想像してオリジナルな文章でアプローチすべきだと思います。個別に対応するのに、送る内容が一般的だと、時間をかけた割には効果が出ず、むしろ悪いイメージを与える場合もあります。私自身、弊社の課題を理解・想像してオリジナリティのある内容で送られてきた場合は反応してしまう事が多いです。

 私がまだ営業の最前線で仕事をしていた時に、ある大手の人材会社のセミナーにいって、そこの社長と名刺交換をしました。自分自身もリクルートで求人系の仕事をしていたので、そのセミナーで社長が話していた内容から、その会社が置かれている状況や課題は想像できました。その会社は上場していたので、有価証券報告書などを見て分析し、結構な時間をかけて自分なりに課題を想定し、オリジナルなメールでその社長にアプローチをしました。

 その社長はその1件のメールにちゃんと反応をしてくれて、初回訪問時には、その想定した課題をもとにさらに深い本質的なヒアリングが出来、その次の提案時には数千万単位のお仕事をいただけた成功体験があります。私自身が業界に精通していた部分もありますが、やはり事前にどれだけその会社を調べて仮説をたててアプローチをしたかだと思います。

 新しいツールや手法での営業活動がたくさん出てきますが、法人営業の場合は事前の仮説想定力が重要である事には変わりはありません。その活動が効率を高め生産性を上げることを目的にする活動なのか、成果を出す事を目的に時間をかけて行うべき活動なのか、見極めが重要ですね。

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■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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