コントロール出来る事に集中し、コントロール出来ない事は受け入れる
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表彰された社長のうちの一人が、昨年の12月に東証グロース市場に上場されました。その社長とは長い付き合いですが、最初に上場を目指して監査法人のショートレビューをいれてから13年かかっての上場です。その間には主幹事証券の変更やコロナの流行などいろんな事があったようです。それでもその目標に向かって努力を継続した結果だと思います。
長く事業をやっていると、自分ではコントロールできない事も起こります。もちろんそういった事も想定して準備をしておく事も経営者としては必要ですが、すべてのリスクを考えて対応しすぎるとコストやリソースのバランスが崩れて前に進めなくなる事もあるので、ある程度のリスクは理解しつつも許容する事もあります。また、長期的には、経営に大きなインパクトのある事象が起こります。私自身で言えば、バブル崩壊とかリーマンショックとか今回のコロナの流行とかですね。そういった事象にうまく対応できずに、姿を消していった社長仲間もたくさんいます。もちろんそういった状況から再起して頑張っている人も多くいます。
事業や経営は、頑張ったから必ずよい結果が出るとは限りません。結果に影響する要因は自分がコントロールできる事だけでなくそれ以外の事もあるからです。大事なのは、自分がコントロールできる事に集中して、そこに意識や努力の方向を向かわせる事だと思います。そして、もし自分自身でコントロールできない事象が起こってしまった時、これは受け入れるしかないんだと思います。その上で、再度自分が出来る事に集中していく。この繰り返しですね。
一方、自分がコントロールできない事に意識が行ってしまい、本来自分がやれるべき事への集中力や継続性が落ちているのではと思う人もいます。過去の事象や、他者の考え方など変えられない事ではなく、新たな自分の決断やこれから出来る他者との接し方、振る舞い方に意識を集中させるべきですね。
先ほどの上場したその社長も、上場を目指してからの13年間にはそういったことがたくさんあったかと思います。でもその度に、自分がコントロールできる事に集中して、結果時間はかかったけど、それを乗り越えて今回の上場があったのだと思います。コロナの流行や戦争、インフレなど不透明な事の多い昨今ですが、最低限の準備をしつつも自分が出来る事に集中して行きたいですね。
■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。