視野と視座!~一つ上のレイヤーから考える事~
⇒第87回「計画通りに着地できるか? ~どれだけの事を想定できるか?~」はこちらから
マーケティング系のパートナーのディレクターやプランナーの方と話す機会がありますが、自分の視野と彼らの視野との違いに難しさを感じることがあります。
私の頭の中には経営的な背景や状況があり、その上でSTPなどのマーケティング戦略的な視点を持ってコミュニケーションをとることで最適な判断をしたいと思うのですが、現場でマーケティング活動に邁進している一部の方は、どうしてもCVを上げるための戦術やテクニカルなことを中心とした話になるので、時として話が噛み合いません。
新しいマーケティングテクニックやCPAを上げないための手法に話がいってしまい、その手法が現状のSTPなどの戦略にマッチしているのか、事業的な背景を汲み取った思考で活動内容を考えてもらえているのかなどに不安を感じることもあります。それゆえ、逆にそういった戦略的な思考を理解したうえで最適な戦術や施策を立案して実行している人の価値は高くなるのだと思います。
SNSの広告上には、CPAを劇的に下げるとか、短期的な成果を㏚するものが多いのですが、実際には戦略に照らし合わせて活動内容の検証を繰り返し、時間をかけて最適な手法に近づいていく感じになるので、戦術や手法にばかり目がいってしまうと迷子になって一生最適解にたどり着かないことになりかねないと思います。一つ上のレイヤーである戦略的思考から戦術面や施策を考えることの重要性を感じます。
先日、長い付き合いの年下の経営者の方と二人で食事をさせていただく機会がありました。彼は若い時にすでに会社を上場させてexitし、その後再起業してその会社も大きな規模にし、今度はアメリカに移住すると言っています。私の目から見ると、私が人生かけてまだ1回転も出来ていなのに、すでに3回転くらいしている感じに見えリスペクトしています。
年齢は私の方が一回り上ですが、彼も今後の人生をいろいろと考えているらしく、会食では人生という視点で、仕事や経営についてどう考えるかという話になりました。家族や子育て、終盤戦となるこれからの人生をどうやって生きていくのか、その中で、自分にとっての会社や経営者としての位置付けはどういうものなのだろうか、自分の人生の視点から経営の在り方を考えることですね。
仕事観や経営観より人生観は上のレイヤーだと思うので、そんなことを考えていたら、人生自体を考える時のその上のレイヤーとはどんなものなのだろうかと思いました。感覚的ですが、それって歴史とか哲学とか宇宙とか、そういった人間が答えを見つけようとして見つけられないようなことなのだと思います。
私自身も歴史や宇宙が好きですが、そういったことに想いを廻らせて自分の人生を考えると、なんか小さすぎて切なくなりますが、だからこそ思い切って生きてもよいのではと思えます。戦術を考える時は戦略の視点で、戦略を考える時は経営の視点で、経営を考える時は人生の視点で、人生を考える時は宇宙の視点ということでしょうか。
何かに行き詰った時はひとつ上のレイヤーから物事考えてみるのがよいかと思います。
⇒次の記事はこちらから
■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。