リモートワークの可能性と課題について
⇒第92回「あの年を思い出します。コロナがはじまった年始!」はこちらから
私の会社では以前より外資系の企業様との取引も多く、オンラインでの会議や打ち合わせ、部門によっては在宅勤務も普通にありました。コロナ禍でリモートワークが急速に普及し、現状社内はリモートワークが普通の働き方になっています。コロナが終焉に向かい、会社によっては出社に戻すところや、ある一定のルールを設けて―例えば週に2日は出社のところなど、どんなかたちが自社とって最もよいのかなどを模索中という感じでしょうか。
私たちの会社もコロナ禍で事業的には、イベントの喪失、一方ではインサイドセールスの普及と、プラスとマイナスの両方に影響がありましたが、今後にむけてどのような方向性でリモートワークに対応していくかが重要課題だと認識しています。会社としては自由な働き方の追求をビジョンとして掲げているので、リモートワークをベースにどういう時にリアルの場を作っていくのかということですね。またリモートワーク時におけるリスクや課題をどのように解決していくのか、そのノウハウや知見を自らチャレンジして作っていく事が将来的な事業価値の創造に繋がっていくのだと考えています。
例えばオンライン会議の中で、どうすればみんなの心からの合意形成をとれるのか。オンラインだと、みんなが何も言わないことでなんとなく了承された感じになり、本当は違う意見や不納得感があっても顕在化していない事があるかもしれません。業務的なコミュニケーションになりがちで、何故その仕事をやるのか、各個人のキャリア形成にどのような形でその仕事が繋がっていくのか等の本質的なコミュニケーションが希薄になる部分もあると思います。また自己課題認識や成長意志の強い人材にとってリモートワークは時間や場所を選ばない為、効率性が高くプラスに働きますが、自己管理能力に課題がある人の場合は、生産性があがらない働き方になってしまう事もあります。
昔からいる社員同士、またお付き合いの長い外部のパートナーさんとはすでにお互いの理解やリレーションが出来ているので、必要なことだけをオンラインで打合せしても、認識違いのないコミュニケーションがとれます。一方、中途採用や新卒などで新しくJOINした人材や、新しくお仕事をする事になったパートナーさんの場合は、過去のプロセスであったり、その仕事をする個人や会社としての背景、価値観などが共有できていません。その状態で、オンラインで実務だけスタートしてしまうとボタンの掛け違いが発生する可能性が非常に高くなります。こういった課題を解決する知見や方法論を自らも考え、また同じような課題をもっている外部の方々も含めてコミュニケーションをとっていき、新しい方向性と各論を作って行きたいと考えています。
■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。