• 2023/12/22
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はりこらむ 第91回「他多目チェックの必要性~作り手の視点、受け手の視点~」

  • 萩原 張広  
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他多目チェックの必要性~作り手の視点、受け手の視点~


 ⇒第90回「再現性を因数分解する」はこちらから


 会社で業績結果などの報告を受け資料を見る事がありますが、私が間違いを発見する事が多いですね。もちろん社長なので全体の数字の感じが解っているので、「この数字こんなはずじゃないよね?」とか、「粗利率こんなになるはずないじゃない!」とか、異常値にすぐに気づく感覚があるのだとは思います。これって受け手の視点ですね。

 このコラムの作成においては自分が作り手になるので、何故か自分では間違いに気づかない場合も多いです。なので、このコラムは、締め切りギリギリに完成する感じにはしないようにしています。初稿をいつもかみさんに見せてチェックしてもらいます。その後会社の広報担当に渡してそこでもチェックしてから配信する感じですね。完成したものを、一日たってから自分自身で見直すと、新たな違和感や間違いを発見して修正する事もしばしばですね。

 以前からこういった自らが作成したものを、多数の他人、場合によっては翌日の自分にチェックしてもらう事を「他多目チェック」と言っています。

 友人である金融系の社長が、「もう何十年もやっているんだけどPLとかの間違いを発見するのって結局いつも自分なんだよね、私に持ってくる前になんで気づけないんだろう」と話していました。

 資料を作成する人は出来上がる直前まで、作り手の視点で作っているので完成した瞬間に客観的になることは難しいのです。エクセルできちんと計算しているから間違いないなど作り手側の感覚で見てしまっていて、全体感とか今までの経緯との違いのようなところに目が行かない場合も多いのではと思います。だからこそ今自分は作り手の視点で見ているという自覚が必要で、客観性を上げるために他多目チェックが有効なのだと思います。忙しい中なのでなかなか難しいですが、せめて最終的に見せる人に提出する一日前くらいには資料を完成させて、翌日の自分や他の人の目を通して確認するぐらいの余裕が欲しいところです。

 はじめからそういった観点でスケジューリングするのが大切だと思います。よい意味で自分を信用しない姿勢が、クオリティを上げていくための一つの方法だと思います。

⇒次の記事はこちらから



■萩原 張広 Profile
株式会社エムエム総研代表取締役CEO。株式会社リクルートにて法人営業、営業マネージャーとして7年のキャリアを経て、株式会社エムエム総研を設立。法人営業のコンサルティングサービスを大手IT企業やベンチャー企業に向けて多数提供。1998年、ニューヨークでの視察経験から日本でのBtoBマーケティングの必要性と可能性を感じ、業態をBtoBマーケティングエージェンシーとする。以降、数百件のマーケティングプロジェクトに関わる。

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