• 2020/06/18
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ブライダル業界から法律事務所へ転職した話【キャリアチェンジ体験記】

  • マーキャリ会員  
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【キャリアチェンジ体験記とは】
働き方改革が施行されたことにより、会社の体制や制度が変わったなんて人も多いと思います。企業も個人も今まで以上にビジネスマンのキャリア展望に目が向けられている中、マーキャリ会員によるキャリアチェンジに伴った体験談をシリーズものとして連載していくのが本企画です。

今まさに自身の今後のビジネスライフに向けて働き方を変える動きをしている方もまだキャリアプランが漠然としている方も参考になる内容になっておりますので是非ご覧ください。

今回の記事投稿者:佐藤華さん
⇒佐藤華さんのバイオグラフィはこちらをクリック

はじめまして。佐藤華と申します。
私は学生時代、接客のアルバイトをやっており、接客業の楽しさと奥深さにすっかり魅了されたことから、新卒でブライダル系の企業・Z社へ就職することを決めました。一生に一度の大切な1日に携わるブライダルの接客こそ、「最も高度な接客業」の1つだと思い、それにチャレンジしてみたいと思ったからです。Z社では、ブライダルスタイリストとして、お客様が結婚式当日にお召しになる衣装に関する業務に従事しました。お客様の幸せな笑顔を沢山見ることができ、とてもやりがいのあるお仕事だったのですが、様々な理由から転職を決意。転職先に選んだのは、全くの異業種である「法律事務所」でした。

ブライダル系企業からの転職を考えた理由

私がZ社からの転職を考えた最も大きな理由は、土日祝日の休みが全く取れなかったからです。ブライダル業界に足を踏み入れる以上、土日祝日の休みはほぼ無いということは、入社前から覚悟していました。しかし入社後、土日祝日の休みは「ほぼ無い」どころか「全く取れない」ということが分かったのです。更に、私は大手式場に配属されたため、年末年始の休みすらありませんでした。私は働くのが好きで、「結婚・出産をしても仕事を続けたい」と思っていたのですが、土日祝日も年末年始も全く休むことが出来ないと、家族とすら予定を合わせることが困難。

つまり、結婚後は退職せざるを得なくなる可能性が高い。このように、Z社のことを知れば知るほど、Z社の勤務体系と自分の理想とするライフプランとがかけ離れていることを実感し、「この企業では長く働けない」という考えが強くなっていったのです。

若いうちに転職すれば“ポテンシャル採用”を狙えると考えた

ここで、ブライダルスタイリストとして働く中で培うことができるスキルについて触れていきます。まずはコミュニケーション力。これはどこに行っても役立つスキルです。しかし、それ以外は、結婚式に関する知識が増える・ドレスを綺麗に着付けることができるようになる…など、ブライダル業界で働くうえでしか役に立たないスキルがほとんどでした。私の式場では、売り上げなどの管理もオリジナルのコンピューターシステムで行っていたので、WordやExcelなど、一般的なパソコンスキルも身に付きません。

また、私が転職を決めた最大の理由が「土日祝日の休みが取れない」であったことから、同じく土日祝日休みが取れないことが予想される同業他社ではなく、全くの異業種に転職をする必要がありました。コミュニケーション力以外、誇れるスキルを持っていない私が異業種に転職するには、いわゆる「ポテンシャル採用」をしてもらうしかありません。当時私はまだ20代でしたので、「ポテンシャル採用」をしてもらえる可能性は大いにある。このような理由から、少しでも早く、若いうちに転職活動をした方が良いという結論に至ったのです。

転職先に法律事務所を選んだ理由

早速転職活動を開始した私ですが、数ある異業種の企業の中から、転職先として法律事務所を選びました。その理由は大きく2つ。1つ目は、単純に法律に興味があり、いつか学んでみたいと思っていたこと、そして2つ目は、法律事務所で事務職として働くことで身に付けられるスキルに魅力を感じたことです。前述のとおり、ブライダルスタイリストとして働く中で得られるスキルは、そのほとんどがブライダル業界でしか使えないものでした。

それに対し、裁判文書などを作成していく中で培う文章作成力・日々パソコンを操作することで身に付くパソコンスキル・法律的問題を抱えた様々な事案をみることによって得られる法律の知識など、法律事務所で働く中で培うことのできるスキルは、非常に汎用性が高いと感じました。この先、法律事務所から更に転職しなければならないときが来たとして、次の職場でも間違いなく役に立つものですし、仕事だけでなく、万が一周りで裁判沙汰が起きたときなど、プライベートにおいても役立つスキルや知識が得られる…これこそ、私が法律事務所に感じた最大の魅力でした。

異業種への転職活動をするときに意識したこと

とは言え、この時点では法律に関する知識も、事務職に従事した経験も無く、何とか「ポテンシャル採用」をしてもらえないかと目論む私。せめて「自己PR」をしっかりしなければ、法学部出身者や、事務職の経験者と応募が競合した場合に、絶対に負けてしまうと思った私が、転職活動の際に最も力を入れたのが、「自己PRに具体性を持たせること」です。

例えば「担当のお客様の結婚式の日にちを頭に入れ、滞りなく準備が進むように管理していく」ブライダル業界での経験が、「担当の事件の裁判の日にちを頭に入れ、提出書面の出し忘れが無いように管理していく」法律事務所で活かせる…と言った具合に、一見全く異なるブライダルと法律事務所との間に具体的な共通点を見つけ、自己PRに盛り込んでいきました。もちろん、ブライダル業界に従事している人間として、コミュニケーション力は最大の武器ですので、面接は笑顔でハキハキとをモットーに挑みました。その結果、法律事務所・Y社にて、無事に採用していただけることになりました。

法律事務所に入社するも、初めは苦労の連続だった

法律事務所というのは、よほどの大手でない限り、少人数で業務をこなしている所が多く、中には、弁護士1名・事務員1名なんていう事務所も数多く存在します。Y社も例外ではなく、人数が少なくて皆業務が手一杯…という感じで、中々丁寧に仕事を教えていただくことができない環境でした。そんなY社に入社して、何よりも苦労したのが、裁判の専門用語が分からないということ。正直、初めは暗号を聞いているようでした。

忙しい先輩方に質問をするのが憚られる中、私は、知らない用語を聞いたら(漢字が分からないので)ひらがなでメモを取り、翌日までに全て調べて理解したうえで出社するよう心掛けました。その甲斐あって、入社して3ヵ月間の試験雇用を終えるころには、ほとんどの用語を理解することができていましたし、上司からも、コツコツ頑張る姿勢を評価していただくことができました。

努力が認められ、事務職リーダーに任命される

ある日、Y社の支店で事務職リーダーとして長く勤務をされていた方が退職されることになり、なんと、入社して数ヵ月の私が、その後任に指名されました。正直不安もありましたが、それだけ会社から認めてもらっているのだということが嬉しくて、より一層気合が入りました。支店に異動してからは、通常の事務作業だけでなく、支店の売り上げ管理など、業務の幅がぐっと広がり、大変貴重な経験をさせていただいています。

更に私は、行政書士の資格を取るべく、勉強を始めました。行政書士の資格を取ることができれば、この事務所で働き続けるという選択肢だけでなく、行政書士として独立するという選択肢も出てくるなど、人生プランが多彩になると考えたためです。仕事上、毎日間近で法律に触れることができるので、働きながらも勉強をしている感じで、テキストを読んで家で勉強することの何倍も、知識が身に付きやすいと感じます。実際、事務職員として勤務をしながら、弁護士をはじめとする士業の資格取得を目指している方は、とても多いです。

まとめ

全くの異業種への転職は、楽なものではありません。明確な理由もなく、ただ何となく転職をと考えているだけなのであれば、止めた方が良いでしょう。冷静になって、しっかり自分と向き合ったとき、強い気持ちを持って「転職したい!」と思えるのであれば、その選択は間違っていないと思います。新たな世界に向かい、勇気をもって一歩を踏み出してみて下さい。

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