SaaS企業人事1,000人に聞いた「採用実態」〜セールスポジションに求める人物像が明らかに〜

SaaS企業人事1,000人に聞いた「採用実態」〜セールスポジションに求める人物像が明らかに〜

株式会社エムエム総研(本社:東京都新宿区 代表取締役CEO:萩原 張広)は、SaaS企業で働く人事担当者を対象に、「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査を実施しました。

<調査背景>
近年、インターネット社会の拡大とともに、SaaS業界の急成長が注目を集めています。
中途での転職市場における人気も高まっているようで、現在SaaS系企業への就職・転職を希望する人は大変多いようです。

しかし企業側の目線で考えると、そのように多くの人材の中から自社の社員としてふさわしい少数を選ばなくてはなりません。

まだSaaS業界に関してあまり詳しい知識を持っていない方も多い中で、これを完璧に実現させるのはなかなか大変な事だと思います。

SaaS企業では、より良い人材を獲得するための採用についてどのように考えているのでしょうか。


<調査サマリー>
・企業の人材募集・採用に関して積極的に行われているかを聞いたところ、『かなり積極的である(37.8%)』『ある程度は積極的である(49.5%)』と回答。採用は多くの企業で力を入れているということが分かりました。

・エージェントの利用社数は『2、3社(35.6%)』が最多。複数のエージェントを利用している企業が多いことが分かりました。

・人事担当者がセールスポジションに求める人材は『コミュニケーション能力が高い人材』が41.9%で最多となりました。

・自身が勤める会社の採用に関する課題を聞いたところ、『求める人材が来ない(38.7%)』『応募数が少ない(32.6%)』『人材の特徴や個性が分かりづらい(27.9%)』と回答。課題改善のための具体的な取り組みは、『労働時間の短縮や休日などのあり方を重視し、募集につとめている』『企業認知度向上』という回答が集まりました。

・人材採用プロセスにおける課題を聞いたところ、『面接だけでは相手が分からない』『採用しても離職してしまう』という回答が集まりました。

<調査概要>
調査概要:「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査
【調査期間】2023年1月27日(金)〜2023年1月28日(土)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,005人
【調査対象】SaaS企業で働く人事担当者
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ

※今回アンケートにお答えいただいたご担当者様の所属する企業の従業員規模は以下の通りとなります。

『~9人(1.7%)』
『10~29人(4.7%)』
『30~49人(5.7%)』
『50~99人(10.6%)』
『100~149人(10.2%)』
『150~199人(7.1%)』
『200~249人(7.3%)』
『250~299人(4.5%)』
『300~399人(4.7%)』
『400~499人(4.7%)』
『500人~999人(10.0%)』
『1000人以上(28.8%)』

【SaaS企業の人材募集状況】8割が積極的に採用活動をしていると回答

はじめに、企業の人材募集・採用に関して伺ってみましょう。

「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査の図

「現在、貴社における人材募集・採用は積極的に行われていますか?」と質問したところ、『かなり積極的である(37.8%)』『ある程度は積極的である(49.5%)』『あまり積極的でない(9.9%)』『まったく積極的でない(2.8%)』という回答結果になりました。

8割以上の方が、積極的に人材募集、採用を行っていると回答しました。
では、何社くらいのエージェントを利用しているのでしょうか。

「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査の図

そこで、「貴社のエージェント利用社数を教えてください」と質問したところ、『2、3社(35.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『4、5社(32.5%)』『6~9社(12.5%)』と続きました。

多くの企業では、2、3社のエージェントを利用していることが多いようです。

【SaaS企業が求める営業人材】第1位はコミュニケーション能力

各企業での、人材募集や採用の状況が明らかになりました。
では、実際にセールスポジションにどういった人材を求めているのでしょうか。

「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査の図

「貴社がセールスポジションに求めているのはどういった人材ですか?(上位3つまで)」と質問したところ、『コミュニケーション能力が高い(41.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『ヒアリング能力が高い(30.5%)』『分析能力が高い(26.1%)』と続きました。

さらに、どういった人材を求めているのか具体的に聞いてみました。

■セールスポジションに求める人材はこれ!
・先入観を持たず、誠実(30代/男性)
・論理的思考力で戦略的に考えられる人(30代/女性)
・コミュニケーション能力が高くてチームの中心になれそうな人(30代/男性)
・顧客の見えない要望も引き出す人(40代/女性)
・客観的に考え自ら行動できる人(40代/男性)
・対応力に優れている(40代/女性)
・リーダーシップがあり他を引っ張ってくれる人材(50代/男性)
・問題を最小限に抑えるため、できるだけ人とコミュニケーションをとる人(50代/女性)

セールスポジションには、対応力に優れていることや、自ら行動できるといった人材を求めていることが分かりました。

では、人事の皆様は、SaaS企業ならではの人材が必要だと感じることはあるのでしょうか。

「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査の図

そこで、「SaaS企業ならではの人材が必要であると感じることはありますか?」と質問したところ、8割以上の方が『よくある(32.4%)』『たまにある(56.1%)』と回答しました。

非常に多くの方が、SaaS企業ならではの人材が必要だと感じることがあるようですが、一体どのような人材なのでしょうか。
『よくある』『たまにある』と回答した方に詳しく聞いてみました。

■SaaS企業ならではの人材とは
【よくある】
・倫理的で協調性のある人(30代/男性)
・自分で主体的に考えて行動できる人(30代/男性)
・ロジカルシンキングが出来る人材(50代/男性)

【たまにある】
・自分から動き判断できる人(20代/女性)
・物事を多方面から見ることができる人(20代/女性)
・課題発見能力が高い人材(40代/男性)
・柔軟性が必須(30代/男性)

SaaS企業の多くは、The Model型営業分業組織を採用している企業も多いことから、チームプレーや相互連携を意識した協調性のある方や、柔軟に物事を考え、自ら行動できる人材を求めていることが分かりました。

【採用に関する課題】3割が求める人材が来ないことに課題を感じると回答

先程の調査結果で、コミュニケーション能力が高い人材を求めている企業が非常に多いことが分かりました。
では、人材採用に関する課題として何が挙げられるのでしょうか。

「人事から見たSaaS企業の採用状況」に関する調査の図

「貴社の採用に関する課題は何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、『求める人材が来ない(38.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『応募数が少ない(32.6%)』『人材の特徴や個性が分かりづらい(27.9%)』と続きました。

3割以上の企業が、人材募集をしても求める人材が来ないことが課題のようです。
では、そのような課題改善に向けてどのような取り組みをしているのでしょうか。詳しく聞いてみました。

■課題改善の取り組みとしてしていること
・待遇の向上(40代/男性)
・就職、転職サイトを利用。広告の改善(40代/女性)
・社内の雰囲気や求める人材を写真とともに掲載。共感していただける方に応募いただけるよう取り組んでいる(40代/女性)
・労働時間の短縮や休日などのあり方を重視し、募集につとめている(50代/男性)
・外部の意見を取り入れている(50代/男性)
・企業認知度向上(50代/男性)

企業認知を向上するための採用広報活動の強化のほか、待遇の向上を図ったりとさまざまな取り組みをしていることが分かりました。

SaaS企業人事独自の悩みが明らかに

採用についての課題が明らかになりましたが、SaaS企業の人事担当者として悩みなどはあるのでしょうか。 詳しく聞いてみました。

■SaaS企業人事独自の悩みはこれ!
・専門知識が必要だが、知識を持っている人がまだ少数である(40代/男性)
・企業の魅力が伝わらない(40代/男性)
・専門知識を学習した人材が少ない(40代/男性)
・低年齢の人材が少なく、今後が不安(50代/男性)
・経験者を採用したいが応募が少ない(50代/男性)

専門知識が必要になるSaaS業界において、求める人材を見つけることは容易ではないようです。 SaaS業界では、ベンチャースタートアップ系フェーズの企業様も多いためか、企業認知が低く魅力が伝わりにくいと感じている人事担当の方もいるようです。

【まとめ】SaaS企業との親和性が高い人材を求める企業が多数。業界に特化した人材獲得のために必要なことは

今回の調査で、多くのSaaS企業がセールスポジションに求める人物像として、コミュニケーション能力が高いこと、柔軟に物事を考え自ら行動できることが重要であるという結果が明らかになりました。

一方で、業界や職種に関する専門知識や経験ある人材が市場に少数であることから応募数が少なく、企業認知や魅力の発信にも課題を感じているようです。

これらの課題を解消するために、採用広報や広告の強化、また待遇や働く環境の改善といった取り組みをしている企業もあることが分かりました。

マーキャリ 編集部

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