条件アップの選択肢(1)〜営業職なら検討すべきThe Model型組織〜

条件アップの選択肢(1)〜営業職なら検討すべきThe Model型組織〜

目次

営業職がキャリアアップやキャリアパスを考える際、これまでは自身のスキルや経験を考慮して、それらがそのまま活かせる転職を狙うのが一般的でした。ただ、近年では営業職において「The Model型」とよばれる新たなトレンドが生まれています。今回はThe Model型を採用している組織について解説していきます。

1. The Model型の組織について知っておこう

The Model型の組織とはサブスクリプション型とよばれる月額課金型でシステムやサービスを利用できるSaaS型のビジネスを展開するスタートアップ企業やベンチャー企業に多く採用されている組織モデルのことです。具体的には従来、営業職が担うことが多かった営業関連業務をマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つで分業する組織のことを言います。

The Model型組織の大きな特徴は、これまで営業が担っていた幅広い業務を分業、専門化することで営業活動全体の生産性や運用効率性を高めている点にあります。一言でいえば、売上を最大化するための業務効率化をはかる目的で分業化されているわけです。


図:Salesforceが提唱するThe Model型組織の仕組み

1-1. SaaS型ビジネスの特徴


SaaSは「Software as a Service」の頭文字をとったもので、「サース」や「サーズ」と読みます。直訳すれば「サービスとしてのソフトウェア」となり、クラウドで提供されるソフトウェアのことを指します。

クラウドとは、「クラウドコンピューティング」のことで、従来のようにパソコン上のアプリやデータではなく、インターネット経由でアプリケーションを使います。

SaaSは主にクラウドで提供されるソフトウェアで、サービスを提供する側(ベンダー)でソフトウェアを稼働させて、ユーザーはネットワーク経由でソフトウェアを活用するものになります。身近なSaaSの例で言えばGoogleが提供するGmailがあります。

スマートフォン登場以前の携帯電話に届いていたe-mailは、携帯電話の中に保存されていました。そのため圏外であっても受信済・送信済のメールは確認できました。しかしGmailの場合は、インターネット環境がなければページに行くこともできませんよね。これはGmailというソフトウェアがSaaSだからです。基本的にPCやスマホは常にインターネットと接続されているので意識することはないでしょうが、Gmailがクラウド上にあるものだということの表れです。

技術の進歩により、パッケージ製品がSaaS化したものとして、WordやExcelといったofficeソフトと、IllustratorやPhotoshopといったデザインソフトがあります。PhotoshopやIllustratorは現在では完全にSaaSに移行し,月額課金型・従量課金型のサブスクリプションビジネスへと転換しています。

1-2. SaaSの強み

SaaSの強みは、インターネット環境があればどこからでもアクセスできる、複数の担当者がデータを共有し同時に編集・管理できる、導入コストが安い、安いランニングコストで、常に最新のソフトが使えるといったものが挙げられます。

単純に消費を拡大していくことが困難な現代において、従来のビジネスモデルが限界を迎えつつあることに危機感を感じた企業が、いち早くサブスクリプションビジネスへと移行しています。

SaaSのようなサブスクリプション型ビジネスは、ユーザーにとっては導入への敷居の低くなる、企業にとっては安定して継続収入を得られることと新規ユーザーを獲得しやすくなるといった特徴があります。

1-3. SaaSの将来性

SaaS自体が買ってもらって終わりではなく、買ってもらってからがスタートのため、購買後のビジネス活動が重要視されるようになりました。そこで、カスタマーサクセスという概念がトレンドとして高まってきていることもSaaSが注目される要因となっています。

導入コストを下げて使いやすくすることは、一見ブランドの安売りや延命策のように思われがちですが、実際のところは買い切りからSaaSに移行させることで過去最高の収益を達成しているケースが少なくありません。

日本においても、SaaSビジネスがこれまで以上に浸透していくことは間違いなく、多くのビジネスがデジタル化、SaaS化していくでしょう。それに伴い、営業の世界では従来の営業職という職種から、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4つに分業化するThe Model型の営業組織が不可逆なトレンドになっていく可能性が極めて高いと考えられるのです。

2. マネジメント層なら年収アップも期待できる

SaaSビジネスは現時点ではソフトウェアやサービス、人材、コンサルといった無形商材を扱う企業で行われているものです。このことは、有形商材を取り扱う営業職は、SaaSビジネスを行う企業への転職が難しいことを表しています。

有形商材の営業職からSaaSビジネス企業へとキャリアチェンジを行う際は、教育や研修サービスがある人材紹介を利用する、いきなりSaaSビジネス企業を目指すのではなく、マーケティング事業を行う企業で経験を積み、次のキャリアを見据えるといった方法が有効でしょう。

2-1. インサイドセールス・カスタマーサクセスで年収1,000万円の求人も

また、分業化組織で専門職化されたポジションは現時点でも需要が高いことから

例えば、
・インサイドセールスではマネジメントミッションがなくても年収1,000万超えの求人
・カスタマーサクセスでは前年比求人数が3倍に増え、さらにマネジメント職では通常で年収800から1000万円の求人

が多数存在しているので、最短ルートで収入面もアップが期待できます。

今後あらゆるビジネスがデジタル化していく可能性が高い中で、いつまでも従来の職種の枠や働き方の枠にとらわれてしまうことは危険かもしれません。これからのキャリアについて、ぜひ分業専門職化を考慮して考えてみてください。

マーキャリ NEXT CAREER

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マーキャリ NEXT CAREER

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