SaaS営業の年収を徹底解説! 〜相場や年収アップの方法は?〜

SaaS営業の年収を徹底解説! 〜相場や年収アップの方法は?〜

目次

成長業界であるSaaS業界において、営業職の採用ニーズが高まっていますが「転職して年収が上がるのだろうか?」「転職した後にどこまで年収が上がっていくのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回はSaaS営業の年収について解説していきます。

1. SaaS営業の年収相場

まず、転職を考えている方にとっては、SaaS営業と一般的な営業職とで年収に違いがあるのかが気になるポイントでしょう。大手転職サイトdodaによる2021年の調査では、営業職の平均年収は435万円と発表されていますが、SaaS企業の営業職の年収は、400万~600万ほどと比較的高い傾向にあります

なお、SaaS営業については、下記の記事にて詳しく解説しています。

SaaS企業の場合、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスという職種に分かれていて、職種と役職によって年収に違いが出てきます。一つひとつ業務内容と年収を見ていきましょう。

1-1. インサイドセールスの平均年収

インサイドセールスは、見込み顧客へ電話やメールでアプローチを行い、確度の高い商談のアポイントを獲得するポジションです。ただのテレアポとは違い、顧客の課題やニーズをヒアリングする中で、自社プロダクトが貢献できる点を訴求し、購買意欲を引き上げて質の高い商談を創出することを目的としています。

法人営業経験者であれば、インサイドセールス未経験でも転職できる可能性があります。 平均的な年収は400万~700万円ほどが相場です(マーキャリNEXT CAREER調べ)。

1-2. フィールドセールスの平均年収

ゴールである受注に向けて、対面/非対面で商談を行う営業職がフィールドセールスです。インサイドセールスでは、多くの顧客にアプローチを行うため断られることも多く失敗許容度が比較的低いですが、フィールドセールスの段階では、一つひとつの商談の重要性が上がる点、失注してしまうとダイレクトに事業に影響する場合もあることから、営業としての高い実績が求められます

採用要件としては、法人営業経験者の中でも無形商材や新規営業の経験を必須としている企業もあり、インサイドセールスと比べるとハードルが高くなります。年収は400万~700万円が平均ですが、企業によっては上限800万〜1,200万円も珍しくありません(マーキャリNEXT CAREER調べ)。

1-3. カスタマーサクセスの平均年収

自社サービス受注後、自社の製品・サービスを最大限に活用してもらうために、顧客の活用課題に向き合い、顧客のビジネス成功を支援するのがカスタマーサクセスです

採用要件として即戦力が求められるためカスタマーサクセス経験者を必須条件にしている企業も多く、経験がない場合はITツールの導入支援経験、IT業界の営業経験が求められます。業界知識や経験をそのまま活かせるならオススメの職種です平均的な年収は400~800万円ほどが相場です(マーキャリNEXT CAREER調べ)。

1-4. マネジメント層の平均年収

インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、どの職種においても、管理職・マネージャーに関しては、600万〜1,000万円の求人が多くあります(マーキャリNEXT CAREER調べ)。管理職の場合は、求められる採用要件として、チームリーダーやマネージャーの経験、KPIマネジメントの経験などがあり、スタートしたばかりの組織であれば、カオス耐性、胆力のある方が求められることもあります。

成果への責任を求められプレッシャーも高くなりますが、大きく成長できるとともにSaaS企業のマネージャー経験という市場価値の高いキャリアを築くことができるでしょう

2. SaaS営業への転職で市場価値は上がる?

SaaS業界は成長業界と言われており、富士キメラ総研の調査によると、2022年度のSaaS市場は対前年度比が117.5%で、1兆891億円の市場規模。2026年度予測は1兆6,681億円と発表しています。市場が大きくなるにつれて企業やサービスも増えていくことが予想されますので、今後ますますトレンドである業界に、早めに転職することは自身の市場価値を高める上でも優位だと言えます。

インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとに職種が分かれているため、それらの専門職でスキルや経験を得ることができます。さらにSaaS業界で働いた経歴自体も、SaaS営業経験者として優遇されるため、多少年収を落としてでもSaaS業界に飛び込む方もいます

営業職のスキルはポータブルスキルと言われていて、営業としての経験を積むことで、業種や職種に囚われることないスキルを得て転職もしやすいと言われていますが、さらにSaaS営業では専門職ならではのスキルを得ることも可能な点が非常に魅力的です。

2-1. SaaS営業で得られるスキル

インサイドセールスであれば、インサイドセールスにおける営業スキルはもちろん得ることができますが、 他にもメールマガジンやダウンロード資料などのコンテンツ制作のスキルを獲得できるケースもあります

フィールドセールスは商談・クロージングをメインで行うため、一般的な営業力を獲得できます。またSaaSはカスタマーサクセス文化のため、押し売りをすることが少なく顧客に有益になるかどうかを踏まえて提案するため、気合一辺倒の営業と違って、本質的な提案力が身につくと言えます

カスタマーサクセスであれば、顧客データを分析して施策を提案することもあるため、データ分析のスキルやコンサルタント的な提案スキルを身につけることできます。具体的にはデータベース言語であるSQL、プログラミング言語のPythonを使用することもあるため、転職時にもアピールしやすいと言えます。

3. 転職時に年収を上げるには?

年収を上げたいと転職活動をする方も多いですが、前職より年収が上がった人は3割程度と言われています(厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、転職時に前職の賃金に比べ増加した割合は34.9%でした)

また、年収が上がっている方は若い方が多いです。20代の営業職で現在の年収が低い場合は当然転職時に上がる傾向にあります

そのため、若い方で「実績を出しているが、給与が上がらない」と悩んでいるタイミングが転職で年収を上げるチャンスです。一方で、30代においても実績と給与にギャップがあれば、年収アップの可能性はあります。まずは転職エージェントに相談してみるのも良いでしょう。

4. SaaS企業に転職後、年収を上げるには?

SaaS企業に転職した後に、年収を上げる方法は大きく2パターンあり、1つ目は会社の中で成果を出し昇格や昇進を目指す方法。もう1つは転職です

4-1. (1)昇格・昇進で年収を上げる

SaaS営業として成果を出して評価されれば、給与アップ、ひいては管理職の昇進も難しくないでしょう。

営業として成果を出すために知っておきたいポイントは下記です。


  • 商材は自分が売れる、売りやすいものなのか?
  • 営業難易度が高い場合、1件の受注で評価されるのか?
  • 営業組織が成熟しているか? 優秀な管理職がいるか?

まず、商材に関してですが、商材が課題解決型なのか価値提案型で、導入の障壁が変わってきます。バックオフィス系の会計や電子署名システムなどのツールであれば、企業も必要性を理解していますが、モチベーション管理など、新しい価値観を提示するようなツールであれば、企業が必要性を認識していないケースもあり、営業の難易度は高くなるでしょう。

営業難易度が高い場合でも単価が高い商材であれば、1件受注しただけでも高く評価されますが、営業難易度が高いうえに単価が低いものとなると、成果を出すには高いスキルが必要となってくるでしょう。

また、営業組織が成熟している状況であれば教育や評価制度も整っていますので、属人的な営業スタイルにならず、誰もが成長し昇格できる可能性が高まります

マーキャリNEXT CAREERのキャリアアドバイザー河村氏は、良い組織かどうか、自身が成長できるかどうかを見極めるためのポイントを次のように解説しています。

分業組織ではインサイドセールスやカスタマーサクセスなどの各職種が成果を出す為に、プレイヤーのスキルや能力に依存しない組織作りが求められます。

組織の方針や各職種の役割、ミッション、目標、そして定量活動指標の策定や活動管理に必要な各種マネジメントツールの選定、導入、運用、評価制度の導入、運用など、とにかく組織構築に幅広いノウハウが求められるのです。

選考ではいかに内定を取るかだけでなく、その会社は自身を成長させてくれる会社かどうかを見極めることも忘れずに行うようにしましょう。


出典:「わたし、SaaSへ転職できますか?」~毎月数十名のSaaS転職希望者と対話して分かった、転職を成功させる3つのポイント

4-2. (2)転職して年収を上げる

SaaS企業で、数年間働いて成果を出してから転職する方法もあります。この時点で、SaaS業界経験者として一定のキャリアを積んでいるため、SaaS経験者を積極的に採用したい企業へ転職できる可能性が高くなっています

そこでさらに年収を上げるためには、「インサイドセールスからマネージャー候補へ」「インサイドセールスからフィールドセールスへ」などとポジションや職種を変える転職があります。また、外資系ではインセンティブ制度が充実していることもあり、営業職の平均年収が1,000万円というSaaS企業もありますので大幅な年収アップのチャンスがあります

他にも、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセス、各職種の専門性を生かして、コンサルティング会社の営業や営業ノウハウを提供する営業コンサルティングに転職する選択肢もあります。

5. SaaS企業-日系と外資系の違い

外資系のSaaS企業に転職すれば年収を大幅にアップできる可能性があるとお伝えしましたが、一方で次のような点に注意が必要です。


  • 即戦力が求められる
  • 成果主義
  • 日本法人の権限が少なく、本社トップダウンが多い傾向
  • 方針の変化が激しい。また意思決定のスピードが速い

外資系では、年功序列はなく実力主義の世界です。常に成果を求められ達成ができなければ解雇されてしまうこともあります。また、日本のSaaS企業の方が経営層との距離は近く、ボトムアップで意見を通しやすい傾向があります。外資系のSaaS企業に転職したい場合は文化の違いを理解しておきましょう

6. SaaS転職での年収ダウンは通過点

今回は、SaaS営業の年収について解説しました。未経験からの転職の方や、インセンティブで高い年収を得ていた方などは、年収が下がってしまう場合もありますが、今後も成長していくSaaS業界での経験自体がその後の市場価値を高める選択です。

自分の市場価値やSaaS転職の成功可能性を知りたい方は、SaaS特化の転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」へご相談ください。あなたに合った最適なキャリアをアドバイスします。


マーキャリ 編集部

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