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SaaS企業への転職は一筋縄ではいかないことから、オススメできないといった情報がWeb上に出てきますが、実際はどうなのでしょうか。今回は営業職にフォーカスしてSaaS企業への転職実態について解説します。
1. SaaS転職「やめとけ」と言われる理由
SaaS業界は成長市場のため、求人も増加傾向にあり、転職したい営業職が増えている一方で、簡単には転職できないことや、転職しても成果を出すまでが困難である点から、一概にオススメはできないといった意見もあります。
その理由を紐解いていくと、SaaS業界はスタートアップ企業が多く、ロジカルな営業職が求められるため、向いている人と向いていない人がはっきりしているのが要因だとも言えます。詳しく見ていきましょう。
1-1. やめとけと言われる理由(1)スタートアップがハードだから!?
SaaS企業の多くがスタートアップ、ベンチャーの風土を持っています。スタートアップ企業の場合、組織や仕組みを一から作っていくため、次のようなハードな面があります。
- スタートしたばかりだと、人手も少なく仕組みも作っていく必要があるため即戦力が求められ、ハードワークになる場合もある。
- 大手からベンチャーに転職して仕組みもこれから作っていく場合、今までの環境、福利厚生と比べるとギャップがある。
- 事業を成長させるため、主体性を持って課題解決をすることが必要で、さらにスピード感を持って実行していくことが求められる。
- 変化が多いため、ルーティンな仕事は少なく新しい状況を楽しむポジティブな姿勢が求められる。
- 成長市場のため優秀な人材が多く集まる人気の業界だが、一方で、成果をシビアに求められる。
1-2. やめとけと言われる理由(2)SaaS特有の営業文化
SaaS企業の多くが採用している分業型の営業組織は、従来型の営業スタイルとは一線を画すものです。次のような特徴や難しさがあります。
- SaaS企業の営業組織は、KPIの数値管理が明確なことが多く、日次や週次で目標を追うため、 活動管理や達成度合いを日々問われます。
- 営業組織は分業型が多く、一つの職種にとどまっていると営業としての経験が部分的になる可能性があります(ずっとインサイドセールスを担当して商談化までしか担当しない場合は、商談・クロージングの経験が薄くなる)。
- 分業型の営業組織では、自分のチームだけでなく、他部門との連携も必要となりますが、各部門が自分のチームの成果だけを追い求めてしまっている場合、ギスギスした組織となりメンバーも働きづらい。
2. やめとけと言われる=向いていない人の特徴
SaaSは、スタートアップであり新しい営業スタイルだからこそ、人を選ぶとも言えます。これまでの話を踏まえて、SaaSに向いていない人の特徴をまとめると下記です。
- 変化に対応できない、したくない。ルーティン業務が好き
- チームより個人プレーが好き
- 成長意欲がない
その他にも、SaaS企業は解約率が売上に直結してしまうため、解約を防ぐカスタマーサクセスが活躍しており顧客志向の文化があります。お客様の成功を第一に考えるカスタマーサクセス志向がなく、売れさえすればよいと考える方は向いていないと言えるでしょう。
3. SaaS企業はこんな人を求めている
実際にtenbōが今までインタビューした中で、SaaS企業で働く方がどういった人物像を求めているかを一部紹介します。
特にテレワークが主体の今は、主体性や積極性が求められます。積極的に行動できる人とそうでない人では差が生まれると思いますし、自分の意思を持って動ける人材が同じチームにいたら嬉しいですね。
(ウイングアーク1st/石川さん)
出典:https://media.mar-cari.jp/tenbo/article/1742
まだまだスタートアップですので、セールスやカスタマーサクセスなどのリーダー候補や、新規事業の立ち上げに関わっていくチャンスもあるので、新しいチャレンジができる環境があります。それらを楽しめる人に、ぜひ面談などでお会いしたいです。
(Nint/唐澤さん)
出典:https://media.mar-cari.jp/tenbo/article/1677
新規事業の立ち上げなどのチャンスもありつつ、主体性を持った人物が求められているのがわかるかと思います。転職してキャリアアップしたい、苦労してでも自分を成長させたい。そのように考える人はSaaSへの転職が向いています。
4. SaaSはきついが、ここが良い
以上のように、SaaSで働くことの大変さがある一方、SaaSで働くメリットも多くあるのです。
- トレンドのSaaS/IT業界で給与アップ、SaaSでのキャリアを積める。
- インサイドセールスやカスタマーサクセスなどの専門性の高い営業スキルを獲得できる。
- 事業の立ち上げを早くから経験することができ、若くてもマネージャーになれる。
- 自分の市場価値を高めることができ、その後の転職もしやすい。
- リモートワーク、服装自由、フレックス制度など自由な働き方の会社が多い。
などです。営業のスキルはどこの企業にも持ち運べるポータブルスキルと言われていますが、さらにSaaS営業の経験が加われば、他のSaaSや外資SaaSなどへも転職しやすくなります。ハードな可能性がある分、見返りは大きいです。
5. SaaSへ転職し活躍するための4つのポイント
SaaS転職のネガティブ・ポジティブ両面を解説しましたが、実際多くの方が、これからの成長業界に身を置きたいと考えることでしょう。ここでは、「自分はSaaSに向いている。ぜひチャレンジしたい」と考える方に、SaaS企業で活躍するためのポイントを紹介します。
5-1. 転職後のギャップを作らない
前述のとおり、SaaS企業はスタートアップが多いため、ハードワークになる可能性があったり、成果を求められたりとシビアな世界です。面接では働き方や求められる成果を確認し、入社後のギャップを作らないようにしましょう。
5-2. 企業のフェーズを見極める
営業組織の立ち上げ段階なのか、それとも営業組織の仕組みができあがっている段階なのかで業務は大きく変わります。後者の仕組みが整っている組織であれば、業務の定型度も高く、マニュアルに沿った働き方でスキルを高められます。一方で、0⇨1の事業作りを経験したい場合は、立ち上げから携われる企業がよいでしょう。
5-3. 本当に共感できる会社を探す
SaaS企業は、チームでの協業・カスタマーサクセス文化があるため、カルチャーフィットを重視します。面接で無理に話を合わせても、入社後にカルチャーの不一致が露呈してしまい離職となってしまえば、お互いのためになりませんので、本当に自分と価値観が合う会社を探しましょう。
5-4. 明確なキャリアプランを持とう
入社を目標にするのではなく、入社後に活躍しどのようなキャリアを描きたいかまでを考えておきましょう。たとえ仕事が困難で行き詰まったとしても、通過点として持ちこたえるためには、目指すキャリアのためと捉えることが必要です。
さいごに
今回は、SaaS企業への転職実態について解説しました。SaaS営業は人によって向き不向きがあるかと思いますが、市場価値の高いキャリアを構築できるのは間違いありません。SaaSへ転職を考えている人は、ぜひ、SaaS特化の転職エージェント「マーキャリNEXT CAREER」へご相談ください。
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執筆者
マーキャリ 編集部