フリーターからCSO(最高戦略責任者)へ〜営業職として成長できたターニングポイントをRocketsジェイ氏が語る〜

フリーターからCSO(最高戦略責任者)へ〜営業職として成長できたターニングポイントをRocketsジェイ氏が語る〜

Profile

ジェイ(鈴木純太) 株式会社Rockets

高校卒業後、ジムトレーナーなどの仕事を経験した後、営業職に転向。数字を追うばかりの営業組織で成果を出せずに挫折を味わった。その後、スマホゲーム事業のスタートアップ企業で顧客志向の営業を身に付け、現在は営業支援のプロダクト「LEADPAD(リードパッド)」を提供する株式会社RocketsでCSO(最高戦略責任者)として活躍。また朝日メディアラボベンチャーズ社アクセラレータープログラムでの営業講師、エムエム デジタルセールス・アカデミー特別外部講師も務めるなど、営業の魅力を啓蒙している。

目次

フリーターから営業職に転向し、現在はCSO(最高戦略責任者)としてプロダクト開発やマネジメントに携わりながら、自身もセールスとして活動するジェイさん。今回はジェイさんに、フリーターから営業職にキャリアチェンジしたきっかけや、仕事のやりがい、プロダクトに込める思いについて伺いました。

挫折からの逆転! 営業の鍵は「顧客を知ること」

──はじめにジェイさんのキャリアについて教えてください。

高校卒業後、ジムトレーナーや店舗のカフェスタッフとして働いていました。ちゃんと会社員になろうと決意した27歳頃に、営業職としてのキャリアを始めることになります。当時入社した企業は泥臭い営業活動を行っていて、数字を達成できないと当然のように激しく怒られますし、顧客の課題解決は二の次で売上が求められる世界でした。その営業スタイルは無理だなと挫折して転職したのが前職のスマホゲーム会社のスタートアップです。当時はスマホゲーム黎明期で、次々ゲームがリリースされていて、私は広告営業としてゲーム会社にメディアへの広告出稿を提案していました。

その時期が私にとってのターニングポイントです。営業で重視されたのは、「顧客の課題を知り、解決方法を考えること」でした。売ることが中心の考えから、お客様が求めていることを理解することを最優先にするようになりましたね。1社目のお客様のことは思い出せないのですが、今でもゲーム業界の方々は思い出せます。


──現在、ジェイさんは営業研修やセミナーの講師を担当されたり、noteでは営業のノウハウを発信されたりしていますが、当時から勉強されていたのですか?

営業手法については学んでいなかったです。コアにあったのは、やはり現場でお客様の声を聴くことです。体系化されたフレームワークが先ではありません。顧客に詳しくなり成果が出てきた時に「なぜ成果が出たのか」と振り返ることで初めて営業手法は体系化されると考えています。勉強よりも、信頼を得られるよう努力しました。当時のゲーム業界は横のつながりがあるようで実際はありません。複数の会社の情報やトレンドを把握していることが信頼関係に直結するのです。



月間40件以上の新規営業も行うCSO(最高戦略責任者)

──現在の業務内容について教えてください。

現在はCSO(最高戦略責任者)としてビジネスサイド全般を支援しながら、自分でも新規営業や既存顧客のケアを行っています。その他プレスリリース広報や採用活動などの業務もしていますが、最も比率が高いのは新規営業です。


──営業もしているとは驚きました。複数の業務に携わっている中で、最も楽しさを感じる仕事はどの部分でしょうか。

新規営業ですね。先月も1人で40商談ほど新規で行っています。CSO(最高戦略責任者)ではありますが、現場の空気感が戦略に生きることもあり、積極的に現場へ出ています。

特に好きなポイントは、商談が発生した際に行う情報収集と、その結果築かれる信頼関係、その延長線上にある提案・課題の部分です。私は顧客についてかなり詳しく調べます。企業のミッションやバリュー、ビジョン、歴史だけではなく、顧客の取引相手や競合他社、代表インタビューまで網羅します。「実際に応募して採用されたらどうしよう」とまで考えることもありますね。顧客のさまざまな情報と私の好きなことや経験との共通点を見出すのも面白いですね。


──もはや顧客視点での営業が天職ですね。プロダクトに込めた思いについても教えてください。

まず、営業にもマーケティング脳を持ってほしいと考えています。営業職は、商談数や受注数などの「数」を毎月追う傾向にあります。そこにマーケター脳を入れると、現状のシェア率やリード数、未開拓の領域について把握できるようになります。積み上げの思考だけでなく、逆算思考を持ってもらうことが、1社目の数を追求する営業で挫折した私の願いです。

また、業種・業界のデータが豊富にあれば、従業員数や事業内容に合わせた最適なメール配信を自動化できると考えています。私は通り一辺倒にメルマガを送られることがあまり好きではありません。1対1を意識した最適な営業に近づけてほしいのです。

このような願いを込めて、特にインサイドセールスに使っていただきたいサービスとして作っています。1対nに強いマーケティングと、1対1に強いフィールドセールス。その間に位置するのが、インサイドセールスという職種だからこそ、両方の視点を持てる優秀な人材になってほしいと考えています。


──プロダクトで、印象に残っているアップデートはありますか?

面白い質問ですね。もちろんあります。新規開拓のリストを作成する際は、既存顧客リストと照らし合わせ、手動で重複を取り除かなければなりません。その作業を自動化できるように現在アップデートを検討しているところです。また、プロダクトをデジタルセールスでよく使われるサービスと同期し、登録済みのリードと開拓の余地のあるリードの割合を自動で表示される機能も開発中です。

大事にしているのは「顧客を主役にする営業」



──デジタルセールスと今までの営業との違いは感じますか?

デジタルセールスの定義が「デジタルを駆使して営業する」ということであれば、ツールを使いこなすことで効率化したり、やれることの範囲が広がったりしますよね。今までの営業ではできなかった「1対n」の発信ができるようになり、人と会わなくても単純接触効果を上げられるのが強みだと思います。

また、デジタルセールスを分業制と捉えると、分業することで各オペレーションを磨ける点が優れていると思います。前工程のマーケティング・インサイドセールス、後工程のカスタマーサクセスと役割を分割することで、問題点も明らかになりますしね。

分業制のいいところの一つとして、会社として顧客に向き合える点も挙げられると思います。一気通貫型の営業では、顧客一人ひとりに対し、属人的な接し方になりがちです。しかし分業制であれば、営業組織として顧客への価値提供の場を極めることが可能です。


──そもそもの営業職についての魅力は、どのように捉えていますか?

そうですね。自分がどのような営業人材なのかを考えたときに、営業職はスタイルフリーだと気が付きました。使える言語が決まっているエンジニアと違い、どのような手法でも戦えるのです。私は事業開発をしながら営業する「事業開発セールス」が自分のスタイルであるとともに楽しさを感じています。

営業は物を売ってくる仕事だと考えられていますが、自分でコンテンツを作ることや、フィードバックをしてサービスをアップデートできるのが営業という仕事だと思います。売上ばかりを追求しても疲弊してしまうからこそ、色々な営業手法があることを伝えていきたいです。


──過去に配信したnoteのなかで、営業職やデジタルセールス職を始める人に特におすすめの記事を教えてください。

「顧客を主役にする営業」がおすすめです。顧客を主役にせず受注すると、その後の運用もうまく進みません。いかに顧客を本気にさせ、顧客を主役にさせてから受注するかが重要になります。この考え方は、インサイドセールスやフィールドセールス、カスタマーサクセスのすべての職種で必要な考え方だと言えるでしょう。


──実際にジェイさんが営業で顧客を主役にするために意識しているポイントはありますか?

私自身が相手の会社の一従業員になった意識を持ちますね。私が受注し、カスタマーサクセスにパスする段階でも、キックオフミーティングに一緒に参加するようにしています。その時に私が必ず言うのは「私はお客さん側の人間なので」という言葉です。顧客目線に立ち、一緒にプロジェクトを進める人間になれるよう心がけています。


接客業経験者はデジタルセールス特有の「おもてなし」の素質がある

──ジェイさんの今後の展望について教えてください。

現在私が運営しているプロダクト「LEADPAD(リードパッド)」をさらに成長させ、もうLEADPADにログインしないと営業活動ができないと言われる世界観にしたいです。そのために営業が毎朝ログインするようなプロダクトに仕上げることが、第一の目標です。自分たちも活用しているツールのため、UIやデザインなど、使い勝手も突き詰めていきたいですね。


──ありがとうございます。特別外部講師を務められているエムエム デジタルセールス・アカデミーの印象についても教えてください。

デジタルセールス・アカデミーは、働きながら通うことができます。それに加え、デジタルセールス職にキャリアチェンジするためのセットアップができた状態で転職できるのが魅力的ですよね。私のようなキャリアのターニングポイントを作れる人はたくさんいるのではないでしょうか。

特に接客業に携わってきた人というのは、デジタルセールスに向いていると私は考えています。接客業経験者は、お客さんと向き合うことに慣れていて、相手のことを考えながら行動することができます。そのスキルこそ、営業経験者が持ち得ない強みだと思います。


──最後に、今後未経験からデジタルセールスを目指す人に、アドバイスをお願いします。

営業の種類を問わず、顧客が何を考え、何を悩んでいるのかを忘れないでください。顧客を主役にすることを忘れなければ、自ずと成果を出せるのがデジタルセールスなので、一緒に頑張って行きましょう。

──ジェイさんが一貫して顧客を大事にされている視点は、営業職の方はもちろん多くのビジネスパーソンの学びになると感じました。本日はありがとうございました!




Rockets社が提供する
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マーキャリ 編集部

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