SaaS営業職のキャリアパスとは? 〜SaaS営業への転職、その後のキャリアパスを解説〜

SaaS営業職のキャリアパスとは? 〜SaaS営業への転職、その後のキャリアパスを解説〜

目次

現在、SaaS業界の求人数は増加傾向にあり、挑戦しやすい環境が整っています。この記事では、SaaS企業の営業職の魅力や仕事内容、キャリアパスについて紹介します。

1. 2022年、SaaS企業の営業が今オススメな理由

SaaS企業の営業職を転職先として今オススメする理由は、成長中のSaaS業界に従事することが、求職者のキャリアアップにつながりやすいからです。

評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ企業が選抜されるユニコーン企業として、SmartHRやSmartNewsなどのSaaS企業も含まれていますので、そのような成長企業で確実な営業成果を出すことで年収アップも期待できるでしょう。

2. SaaS営業の仕事内容とは

SaaS企業での、売上げに関連する営業部門は役割別で、「マーケティング」「インサイドセールス」「フィールドセールス」「カスタマーサクセス」の4部門に分かれます。営業部門内でチームが分かれるのは、SaaS業界での組織の特徴です。

営業職としては下記の役割があります。

インサイドセールス:顧客への課題ヒアリングの吸い上げを行います。
フィールドセールス:商談による契約締結を役割とします。
カスタマーサクセス:契約後の顧客に対し、サービスの継続利用の促進を行います。

サブスクリプションの課金モデルのため、毎月売上げを積み上げるために継続利用してもらうには? という視点が重要です。そのために、各部門は顧客情報を連携し、各ミッションにコミットしていきます。

3. SaaS営業の平均年収

SaaS企業での営業職は、一般的な営業職の平均的な収入相場と比較すると高いと言われています。パーソルマーケティングの調べによると、20代での営業職の平均収入は340万円~420万円という調査結果(営業の給料はどれくらい?職種別・世代別で平均年収を公開)が出ていますが、SaaS業界では、20代の営業職の収入平均は350〜500万円相当と比較的高いです。

営業経験値にもよりますが、法人営業で無形商材を取り扱ったことのある経験を保持し、その経験が評価された場合には450〜500万円程度の年収を狙うことも可能です。

SaaS業界はスタートアップ系の企業が多いため、成果主義で給与を支払う仕組みを取り入れている企業が比較的多いです。そのため、実力があればあるほど評価され、昇給しやすいのも特徴的です。実際、マネージャークラスであれば年収1,000万円の求人も多く出ています。

4. SaaS営業へキャリアアップするために必要な経験やスキル

SaaS業界の営業職で即戦力として活躍するために、事前に備えておきたいスキルや経験についてを紹介します。

4-1. 2〜3年以上の法人営業経験

事前に備えておきたい経験は、2年から3年以上の営業の法人経験です。SaaS業界はBtoB向けのサービスやプロダクトを取り扱っている企業が多いため、法人営業の経験を保持する人を歓迎する傾向にあります。特にどの業界で法人経験が良い、というのはありませんが、応募したい企業のサービスに関連した経験を持っていると優遇される可能性があります。

例えば、住宅関連系の情報を提供しているアプリなどであれば、不動産関係の営業職経験があるとなお良いでしょう。提供先の業界が特化されない場合は、無形商材を取り扱ったことのある経験があればなお良いです。SaaSはクラウドサービスとして提供されるプロダクトのため、無形商材との親和性が高いのです。

4-2. 論理的思考

スキルや素質としてあると良いのは、論理的思考です。ロジカルシンキングとも言われますが、SaaS業界ではこの思考力が非常に重視されます

従来型の営業組織は、力任せにテレアポを行い、気合と根性でがむしゃらに数をこなして目標を達成させるというスタイルが一般的でした。しかし、SaaSの営業組織は前述したように分業型組織を取り入れていることから、目標に掲げた数値から各部門で逆算して行動が組まれます。

マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの部門それぞれでどのように行動すれば最終ゴールを達成できるのか。実数値のデータを根拠に仮説立てを行い、戦略を立てて実行する、という論理的な思考と行動のセットが非常に大事になってきます。またこのスキルは、マーケティング部門からカスタマーサクセス部門までのどの部門でも必要となるスキルです。

4-3. スピード感

SaaS市場の成長は著しいので、市場の成長スピードと共に自分を成長させるスピード感も大事です。論理的な思考や分析力といったスキルも当然必要ですが、ゆったり考えていても行動に移すことを早めなければ事業を進めるペースが遅くなります。すぐに競合他社が参入し、市場競争に出遅れてしまうでしょう。

思考力だけでなく、行動するスピード、特にPDCAと呼ばれるPlan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを回すスピードも大事にしたいところです。

SaaS営業の面接時に、これまでの営業活動について問われることがあった場合には、実際の活動実績にプラスしてスピード感も交え、達成までのスパンが短いことも伝えられると評価される可能性が高まります。

5. SaaS営業の求人の探し方

優秀な営業人材を確保する動きが盛んなため、現在、SaaS営業職の求人数は増加傾向です。実際に「SaaS営業 求人」と検索してみると数多くの求人がヒットします。時間をかけたくない方は、条件検索可能な求人サイトで検索するか、転職エージェントを利用するのが早いでしょう。

一般的な求人サイトでは、大規模な企業しか取り扱っていない場合もありますので、SaaS業界に特化したサイトや転職エージェントを利用することをオススメします。

転職エージェント「マーキャリ NEXT CAREER」は、SaaS業界を専門とするキャリアアドバイザーがいますので、SaaS業界の動向を教えてもらいながら、転職活動を進めることができますよ。

その他にも、友人や知人の紹介による採用活動の「リファラル採用」などを活用するという手もあります。SaaS業界に勤務している人が近くにいるようであれば、一度話を聞いてみるのも良いでしょう。

6. SaaS営業職からの、その後のキャリアパス

SaaS企業で営業職を経験した後は、さまざまなキャリアパスが開けるでしょう。「今よりも高みを目指し、キャリアアップを図りたい!」と上昇思考の方にはとっておきの環境とも言えます。ここでは、具体的なキャリアパスについて紹介していきます。

6-1. 営業職のマネージャーへ

SaaS企業の営業職の第一線で活躍し、じっくりと経験とスキルと磨きながら営業成績を出し続けることができれば、部内では一目置かれる存在になること間違い無いでしょう。インサイドセールスやフィールドセールスの両部門を統括する統括部長など、組織を管理する側の人間としてキャリアアップすることも可能です。

また、社内だけでなく社外のSaaS業界に転身するというケースも考えられます。SaaSのベンチャー企業でじっくりとスキルと経験を磨き、輝かしい成績を武器にして、大手のSaaS企業の管理職に就くということも可能です。

6-2. 他部門へ転身

SaaS企業の営業職を経験した後、マーケティング部門やインサイドセールス部門、カスタマーサクセス部門などの他の部門へ転身するケースもあります。

一般的な企業では、マーケティング部門と営業職は分離されています。またマーケティングの専門知識が必須のために他業種からの転身が困難とされることがあります。しかし、SaaS業界ではマーケティング部門と営業部門は、セールス内の組織として括られるため、転身がしやすいという特徴があります。

また、営業職の次なるポジションとして、カスタマーサクセスへ転身するケースもあります。カスタマーサクセスは、顧客のビジネスを深く理解し、能動的に関わる仕事となります。インサイド・フィールドセールスで一定の経験を得てから、顧客に対しより深い興味と熱意を持って接したいと考える方がキャリアチェンジを望む傾向にあります。

6-3. 専門家として独立

SaaS業界の営業の専門家として独立したり、起業したりする華々しいキャリアアップを望むことも可能です。SaaS業界の特にスタートアップやベンチャー企業などでは少数精鋭型で組織運営を行っている傾向にあります。そのため、企業の成長スピードとともに管理職への昇級スピードも早いです。

20代でチームをまとめるマネージャーとして活躍し、マネージメントスキルを備えることができれば、顧問や外部コンサルタントという形で、プロとして携わることができるかもしれません

7. キャリアを築くために今行うべきこと

キャリアを築くために行うべきことは、まず目指す方向性を定めることです

会社の組織内で上り詰めるキャリアを歩むのか、転職して営業組織の立ち上げに携わるのか、マーケティング職にチャレンジするのか、または組織外で独立してプロとしてのキャリアを歩みたいのか、方向性が異なれば目指すべき方向も変わるためです。

目指す方向が確定したら、次はじっくりあせらず継続的に実績を出すことです。実績を積み上げたら、自ずとキャリアもついてくるものと思います。実績を武器にしたら、転職活動時も引く手数多な状態になっていることでしょう。

まとめ

「成長産業に携わり、キャリアを伸ばしていきたい!」と上昇志向の高い方はSaaS企業の営業職がオススメです。一度SaaSの営業としての経験を積めば、その先にあるキャリアパスは幅広く存在します

SaaS営業経験者はまだ少ないですが、人気業界ではあるため、希望する求人が他の求職者とバッティングする恐れがあります。そのため、本記事で紹介した必要な経験やスキルは事前に備えておきましょう。

SaaS企業の営業職への転職に興味がある方は、できるだけ早い段階で活動を進めてみてください



森田 旭洋

執筆者 (teru3ds)

森田 旭洋

Webコーダーからキャリアをスタートし大手電気機器メーカーの会員サイト等の運営を担当。その後はWebのディレクションと合わせて、BtoBマーケティングベンダーの記事作成やホワイトペーパーの制作ディレクションとライティング・校正も担当。マーケティング的な視点でのコンテンツづくりを得意とし、クライアントや自社のオウンドメディア運営にも数多く携わる。現在は新規事業のスタートアップメンバーとしてメディアのグロースにコミット中。

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