インサイドセールスは多くの人に影響を与えられる「かっこいい仕事」

インサイドセールスは多くの人に影響を与えられる「かっこいい仕事」

Profile

高内真登 株式会社サイトビジット

株式会社サイトビジットの「NINJA SIGN by freee」事業でインサイドセールスとして、自社サービスをトップにすることを目標に活動。ただ架電するのではなく、お客様のコンシェルジュとしてのあるべき行動を意識している。転職後2カ月も経たないうちに、最も高いプランで即アポ・即受注を達成。今後はマネージャーへの昇進とともに、「かっこいい大人」を目指している。

目次

今回インタビューしたのは、「『リーガル×テクノロジー』で社会のインフラになる」をビジョンに掲げる株式会社サイトビジットでインサイドセールスとして働く高内さん。同社のインサイドセールスチームを「超かっこいいチーム」にすることを目標に掲げ、プレイヤーとして日々活動しています。インタビューではインサイドセールスの魅力について伺ってきました。

インバウンド主体のインサイドセールス

──まず、御社の事業内容について教えてください。

私がインサイドセールスとして所属している電子契約サービスのクラウドサービス「NINJA SIGN by freee」は、電子契約だけではなく、作成・締結・管理まですべてを一元管理できるところが特徴です。

ターゲットは主に中小企業や個人事業主の方ですが、業界は多種多様です。パソコンメーカーや外食チェーン店のほか、学校法人や法律事務所、建設事務所などにも導入実績があります。



──現在は、Webサイトからのお問い合わせなどのインバウンドと新規開拓のアウトバウンド、どちらの活動量が多いのでしょうか。

基本的に弊社はお問い合わせから架電の流れが多く、インバウンドが中心です。自社サイトからの資料請求や無料プランに登録していただいたお客様、比較系サイトで資料をダウンロードしていただいたお客様に対して電話をかけ、状況をヒアリングしてご提案しています。



──架電にはどれくらいの時間をかけますか。

インサイドセールスからの架電は基本的に5分~10分程に収めています。5~10分の短い時間の中でお客様の興味や状況を伺い、弊社の電子契約サービスを導入するメリットがあると確信を持てた際はフィールドセールスへとアポをつないでいきます。


電子契約のニーズが高まる中、強みとなる「使いやすさNo.1」

──企業様は、具体的にどのようなお悩みが多いのでしょうか。

契約書の保管や管理面についてのお問い合わせが多いです。今までは契約書と言うと、紙で締結し、紙で保管する常識がありましたよね。しかし、契約書を紙で保管していることが原因で、契約の更新を忘れるなどの管理ミスが起こるケースが出てきます。

また契約時期・内容を振り返る際に、数ある契約書の中から目的の1枚を探すと手間がかかる点を問題視され、お問い合わせをいただくことも多いですね。さらに、来年の1月に「電子帳簿保存法」の法改正が迫っていることもあり、なるべく早くペーパーレスを導入したいという声も多く上がっています。



──電子契約は競合他社が多いと思いますが、御社独自の強みについて教えてください。

弊社の電子契約サービスには2つの強みがあります。

1つ目は、使いやすさに関する評価でNo.1をいただいていることです。中小企業の多くは、法務専任者が不在で総務や経理の方が契約業務を兼任する場合が多いと思います。そうすると、法律や契約業務に苦手意識のある方でも「簡単にできる」ことが重要になりますよね。ですので、UIは内容が直感的に分かるように、作成は日常的に使うWebサービスの入力フォーム形式になっています。それに回答するだけで、契約書が作成可能なんです。

2つ目の強みはコスト面です。「NINJA SIGN by freee」では、費用対効果を感じていただけるように、価格が異なる4つの有料プランを用意しています。最も安価なプランは、使用できるアカウント数を制限することで月5,000円の定額で利用でき、電子サイン利用時は従量課金もありません。安価かつ定額で安心にお使いいただける設定にしております。

使いやすさ、コスト面を重視しているのは、先述のとおり法務を兼任されているお客様、苦手意識を持っている方にも気軽にサービスを導入していただくためですね。



──実際にお問い合わせいただくのは、どの部門の方が多いのでしょうか。

「今後事業で契約書管理を担当することになるので」といった理由で総務や経理の方からご連絡いただく場合が多いですが、経営者や役員の方から直接お問い合わせいただく場合もありますね。


KPIは「超かっこいいインサイドセールスチーム」を確立すること

──御社の組織構成について教えてください。

弊社の営業組織はThe Model型を採用しています。マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、最後にカスタマーサクセスがいる形です。それぞれが組織的に活動する分業制度が整っています。



──インサイドセールス部門のKPIについて教えてください。

弊社のインサイドセールス部門はスタートしてまだ日が浅い組織なこともあり、具体的な数字目標を持ちながらも、「超かっこいいインサイドセールスチームを確立する」という大きな目標を掲げています。

具体的な活動として、資料請求や無料プランなどリードの種類ごとに効果的なアプローチについて考えたり、仕組み化したりするところを作っていますね。他の企業から目標にされるようなインサイドセールスチーム作りを目指しています。

また、私個人としては、部門で追っているKPIと同じ形でアポ数や受注数を目標に設定し追いかけています。

「お客様のコンシェルジュ」として動くインサイドセールス組織

──インサイドセールスの醍醐味、やりがいについて教えてください。

1番感じたのは、インサイドセールスの言葉一つでお客様にプラスもマイナスも与えられるところです。というのも、リードとして入ってきたお客様に対し、最初にコンタクトを取るのが我々インサイドセールスだからです。

電子契約を提供している我々に資料請求をしてくださるお客様は、バックオフィスを効率化し、より良くすることを求めています。しかし、我々が発する言葉や伝え方、アプローチの仕方によっては「効率化を図れないのでは」と導入を諦めてしまう場合もあります。ですので、お客様のファーストコンタクトになれる点は、難しくはありますが、その分やりがいになると思いますね。



──インサイドセールスとして気を付けている部分はありますか?

チームでは「お客様のコンシェルジュであること」を意識しています。基本的な言葉選びやトーン、伝え方についても気を付けていますが、それだけではなく、お客様の本当のニーズを引き出し、お客様の想像を超えられるような関わり方が理想です。

お客様は検討している段階ですので、「契約書を電子にしたい」「効率的に契約を進めたい」という大枠のイメージしか持っていません。サービスを導入することでそれらの課題が解決するかもしれないという漠然なニーズに対し、いかにインサイドセールスが案内人となってヒアリングし、営業へとつなぐかが大切です。それを叶える者として「コンシェルジュ」と表現しています。



──ヒアリングや引き出すことを意識されているのですね。

そうですね。こちらが引き出したり、相手に気づいてもらったりすることを意識しています。

お客様が課題として認識していること、つまり「目に見えるニーズ」をしっかりヒアリングすることは大切です。しかし、それだけではなく過去の事例にもとづき、お客様が抱えている可能性のある課題を質問の形で投げかけ、新しいニーズや課題をあぶり出すことも必要となります。

提案の結果、「インサイドセールスチームと話したからこそ課題を見つけられた」と感じてもらえるように意識していますね。

今に生きるPDCAとコーチング

──現職で活躍する中で、前職やこれまでの経験で活かせたスキルについて教えてください。

前職の人材教育の会社では、自社で開発したセミナーの集客・営業活動を既存顧客に対して行っておりました。その中で、1日あたりのToDoを設定し、業務の重要度や緊急度を分け、終業後に成果や良かったこと、悪かったことをアウトプットしていた経験が生きていると思います。

8時間を30分ずつで16個のブロック分けし、30分毎のスケジュールを管理して仕事を回していました。そのサイクルが身についていたからこそ、今のインサイドセールスで重要なPDCAサイクルをうまく回せているのだと思います。

インサイドセールスは、PDCAを意識することが大切な職種です。
まずは仮説を立て、その仮説に対してさまざまなリードのパターンがあり、各リードに対するアプローチについて、さらに仮説を立てます。そして架電した後は振り返りを行い、再度仮説を立てて、とPDCAを繰り返します。インサイドセールスは架電量も大切なので、30分間でどれだけかけるか目標を決める際にも、前職の経験が生きていますね。

特に今はリモートワークをする機会が多くあります。自分の中でメリハリをつけて働けるかどうかというセルフマネジメント力は、インサイドセールスで特に必要なスキルではないでしょうか。



──今後チャレンジしようとしていることや、改善・向上しようと考えていることはありますか?

さまざまな業界のビジネスモデルを理解することですね。金銭が動くタイミングや契約書の種類や発生する頻度、契約書を作成する際の印刷代などをしっかり学びたいですね。より良いアプローチ方法を見つけるためには、各業界のビジネスモデルをしっかりとインプットすることが大切です。

それから、学生時代から続けているコーチングスキルも、さらに極めたいと考えています。コーチングスキルはコミュニケーションを取る上でも、質問の意図を汲んだり、質問力を磨いたりするためにも必要だと考えているためです。



──コーチングスキルを身につけようと考えたきっかけを教えてください。

理由は2つあります。

1つ目の理由は、学生時代に私自身がキャリアについて悩んでいた際に、友人がコーチングで助けてくれたからです。短い時間でしたがコーチングを受けると、みるみる自分の考えやビジョンが言葉になって出てきました。相手は質問を投げかけているだけだというのに、私の心はすっきりし、やりたいことが明確になりました。その時にコーチングの魅力に気が付いたのが1つのきっかけです。

もう1つは、後輩たちに自分自身がかつて友人からもらったものを還元できるのではないかと考えたためです。実際にサークル活動を通して後輩が多数いたため、彼らのキャリア相談に乗る際、生かせるようにと勉強を始めました。

転職で重要だったのは「かっこいい大人」になれるかどうか

──転職活動をする上で、軸や重視していたポイントについて教えてください。

そうですね。まず前提として私自身が転職して良かったと思えるかそうでないかの評価基準を考えました。

当時も今も私は「かっこいい大人になりたいと」思っています。そして「かっこいい大人とは具体的に何だろうか」と自分で考えた時に浮かんだのが、偏見や先入観がなく、実体験をもとにして多くの人に貢献ができる大人でした。まずそれが前提にあります。



──そのようなイメージをどのように具体化したのでしょうか。

実際に転職活動する時は社会人2年目でしたが、当時は既存のお客様に対して専業型のセールスを経験したので、何か1つでも専門的なスキルを得られる環境であることが望ましいと考えました。

また、前職は中小企業でしたので、中小企業では味わえなかったような企業フェーズや規模感を体感したいと思っていました。そのため、会社全体に推進力やモメンタム(勢い)がある企業かどうか、といった点も重視していました。



──成長業界は確かに魅力的ですよね。

そうですね。企業自体が成長すれば、入社時のフェーズよりもさまざまな規模感を体験できます。そのような面で、伸びている業界で実際に大きくなっていくところを自分の力を含めて体験してみたいと思っていました。



──インサイドセールスを初めから希望していたのですか?

実は、私はフィールドセールス採用でありながら「インサイドセールスでお願いします」と変更を希望して現職になりました。転職活動で満たしたいポイントが、インサイドセールスの仕事に含まれていることが志願した理由です。また、多くの人と直接話し、訴求できる。その影響力の大きさに気が付いた時にインサイドセールスしかないと決断しました。



──転職活動時の苦労があれば教えてください。

前職と並行して転職活動を続けていたので、時間を作ることが大変でしたね。基本的に9時から18時までは仕事をし、終業後に転職活動を行っていました。いわゆるキャリアの棚卸も時間のない中で進めていたので、妥協したい気持ちとの戦いでした。とはいえ、妥協するような転職には意味がないと思っていたので、平日夜だけでなく早起きしたり土日を使ったりして時間を捻出していました。


※資格スクエアは2021年12/1にレアジョブグループに参画予定。

日本のインサイドセールスを盛り上げたい

──インサイドセールスとしての成功体験はありますか?

私が架電でヒアリングし商談につながったお客様が導入決定されたとフィールドセールスチームから聞く時は嬉しいですね。

特に嬉しかったのは、転職して2カ月も満たない私がインサイドセールスで取ったアポイントを営業につないだその日のうちに、1番高いプランで即導入が決定したケースです。即アポ・即導入で1番高いプランに決まったことは、この電子契約サービスをリリースして以降初でした。代表の鬼頭からも声をかけていただいて、嬉しかったことを覚えています。

インサイドセールスとしてしっかりヒアリングをして、そのプランの機能がお客様にとって本当に必要だと見極めた上で商談につなぐことができたからこそ、即導入が決まったのだと思っています。



──今後のキャリアビジョンについて教えてください。

直近の目標は、個人のミッションを達成しインサイドセールスチームを確立させた上で、マネージャーになりたいと考えています。そのためにインサイドセールスでしっかりと結果を出して事業に貢献し、サービスを大きくしたいです。ゴールは電子契約サービスの活用企業数をNo.1にすることですね。

将来はインサイドセールス以外にもフィールドセールスやマーケティング、新卒・中途採用にも関わりたいと考えています。

あとは、さまざまな経験をして、子どもができた時や周りで悩んでいる友人や家族などにしっかり寄り添い、伴走・貢献できる大人になりたいですね。



──最後に、インサイドセールスに転職しようと考えている方にメッセージをお願いします。

インサイドセールスには「自社製品について話し、相手に良い影響を与えられる機会」が、どのビジネスマンよりもずば抜けて多くあります。それこそがインサイドセールスの魅力だと私は思っています。

実際に私がインサイドセールス職への転職を決意したのは、さまざまな人と話すことができ、影響を与えられることに気が付いた時でした。

現状、日本国内ではまだThe Model型の営業組織はまだまだ浸透していません。それに加え、インサイドセールス=テレアポというイメージも強く残っています。そうではなく、「インサイドセールスは多くの人に影響を与えられるかっこいい仕事」です。一緒に日本のインサイドセールスを盛り上げていきましょう。



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マーキャリ 編集部

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