BtoBマーケターとして活躍できる人のスキルや特徴とは?

BtoBマーケターとして活躍できる人のスキルや特徴とは?

目次

自社のサービスやプロダクトを他社により多く販売できる仕組み作りを行う「BtoBマーケティング」。アナログからデジタル時代へと移り変わり、企業は今まで以上にマーケティング戦略に力を入れつつあります。現在の時代にマッチし、企業から求められるマーケターになるには、どういった経験やスキルが必要になるのでしょうか。ここで詳しく説明していきます。

1. BtoB業界におけるマーケティング部門の特徴

BtoBマーケティングとは「企業に対して売れる仕組みを作る」活動のことです。企業が自社の製品を購入するまでに、開発や生産、営業などさまざまな部署を通して、プロセスを経るため、マーケターはそのすべてのプロセスに関わることになります。

例えば、分析や市場調査を行なった上でプロダクト開発を行うという段階から始まり、PR活動や、マーケティング戦略の立案など、プロダクトやサービスが市場に出る前から、出た後のフェーズまで多種多様にあります。他部署との連携や調整など、統合する役割でもあることから、経営にも直結する活動とも言えます。

BtoBマーケティングにおける具体的な仕事内容は多岐に渡りますが、メインとなる業務は大きく分けて2種類です。1つは、「デマンドジェネレーション」と呼ばれる「見込み客の獲得」、「見込み客の育成」、「見込客の絞り込み」の3つのアクションです。この業務は、BtoB向けのマーケティング活動を行う上で、最も重要とも言われています。また、もう1つが「マーケティング戦略立案」です。さまざまな分析手法や戦略設計のためのフレームワークを活用し、戦略を練ることになります。

2. 身に付くスキル

BtoBに特化したマーケターとなった場合、どのようなスキルを身につけることができるのでしょうか。携わる工程により身に付くスキルは微妙に変わってきますが、全般的にマーケティング業務に関わることで得られるスキルについて、ここでご紹介していきます。

2-1. ロジカルシンキング

マーケターとして一人前になった時に身に付いているスキルは、ロジカルシンキングです。

マーケターは業務として、戦略立案や企画の立案など、社内外の人とのコミュニケーションを繰り返し行います。人前でプレゼンを行う機会も多く、人に説明をし、説得させ、承諾を得る、といった場面が多々あります。そのため、普段の実務を積み重ねることにより、ロジカルシンキングを鍛えることができ、一人前となった時には十分なスキルとして身に付けられています。

ロジカルシンキング=論理的思考は、ビジネス上では大事なことをシンプルに伝える能力として、必ずと言っていいほど求められるスキルです。マーケターだけでなく、ホワイトカラーの職業であればどれでも、必須条件として入ってきますので、身につけることができれば転職時にも応用できます。

2-2.情報収集力

時代の流れ、トレンドにより企業のマインドや行動はすぐに変わります。その変化を敏感かつ迅速にキャッチし、マーケティングの施策に変換することが大事になってきます。

そのために日々行うのが情報収集です。特に、BtoBマーケティング活動のメイン業務となるデマンドジェネレーション活動は、企業課題を真に理解した上で営業案件を創出することが大事とされており、直接顧客やフィールドセールスにヒアリングを行うこともあります。また、ターゲットとして定める企業の業界市場のトレンドも抑えるために、ネットニュースや業界雑誌などさまざまな媒体を見て情報をインプットします。

これらの業務を意識的に行い、習慣化することができれば、高度な情報収集能力が身についているはずです。この情報収集能力は、戦略立案時に方向性を見誤らないようにするための重要な要素です。マーケティング領域からマネジメントサイドへキャリアアップし、事業戦略、経営戦略などを行うようになった場合にも役立つスキルです。

2-3. マーケティング思考

ロジカルシンキング、情報収集能力以外にも、マーケティング思考を身につけることができます。このスキルはBtoBに限らず、マーケティング領域の業務を行うことにより身につく能力です。

マーケティング思考とは、「押し売りをしなくとも、自然と企業が欲しいと思える状態」になるまでに行うプロセスに対する考え方です。このプロセスとは具体的にいうと、ニーズを知るためのリサーチから、デマンドジェネレーションと呼ばれる見込み顧客の獲得・育成・絞り込みの活動、顧客の満足度をはかる調査などの10種類のマーケティングプロセスが含まれます(詳細は「BtoBマーケターとは? 〜仕事内容・やりがい、キャリアパスを徹底解説!〜」をご覧ください )。

この各プロセスにおける考え方は、3C分析、SWOT分析、STP分析など全て型化されています。フレームワークに当てはめ、考え方をスキルとして取り込めば、マーケティング的な考え方は身につきます。単なるスキルとして捉えるだけでなく、フレームワークを組み合わせて構築までできるようになると、マーケターとしての価値も一気に上がります。

3.企業が求めるBtoBマーケターの条件とは

いち早く優秀なマーケターを採用し、自社ブランドの価値をあげたいと考えている企業が多く存在します。企業が考える優秀なマーケターとはどういったスキルや経験を持っている方のことを指すのでしょうか。ここでは、企業が求めるスキルや経験についてご紹介します。

3-1. デジタルマーケティング関連スキルを保持している

企業から求められるマーケターになるには、当然のことながら、希少性が高いと感じられる人材になる必要があります。希少性が高い・価値が高いと感じられるスキルの一つでもあるのが、デジタル周りのマーケティング知識や経験全般です。

デジタルセールスでも利用されるMAやCRM、SFAといったツールについての知識や活用経験や、CMSでのWebサイト制作経験、メディアの運用経験やデジタルでの集客方法などです。特に、企業が必ず導入しているようなMAツールなどはマーケティング活動のコア部分になりますので、デジタルリテラシーとして当然持っていて欲しいスキルになります。

また、BtoBの中でもSaaS業界に特化した経験値は重宝される可能性が高いです。コロナの影響によりBtoB業界の明暗が分かれましたが、SaaS企業への打撃は少ないものでした。むしろこの追い風を利用し、マーケティングに力を入れて事業成長を加速化させようとしている企業が多いのです。これまでの経験・スキルとSaaS業界を掛け合わせて、市場価値を高めていくことで求められるマーケターになれるでしょう。

3-2. アウトプットする能力が高い

マーケティング活動を行うことで自然と情報収集能力が身に付きますが、そのスキルに加え、アウトプットする能力も高いとより良いです。

デマンドジェネレーション活動をメインとするBtoBマーケターは、さまざまなデジタルツールを利用し、効率的に営業案件を生み出すことがミッションです。そのためには、素早くPDCAを回し、成功パターンを確率する必要があります。情報をインプットするだけでなく、行動量を増やし、より多くのアウトプットを行うことがより重要となるのです。

また、アウトプットを多く行うことで、チーム内への情報伝達も同時に行え、チーム全体の組織力も高くなるという2次的なメリットもあり、このアウトプット能力が高い人を取りたいと考える企業が多い傾向です。

4.マーケターに向いていると考えられる素質とは

マーケターとして適性があるかどうかも企業が採用を行う上で重要視するポイントです。マーケターに向いていると考えられる素質とは、どういった内容なのでしょうか。

4-1. 人を巻き込みリーダーシップを発揮できる人

リーダーシップを持ち、人を巻き込みながら物事を進めていける人は、マーケターとして活躍できるタイプの人と言えます。マーケティング業務や企画等を進めていくためには、さまざまな部署を跨いで連携し、他部署のリソースを借りて推進していきます。マーケター1人の力で成し遂げることは決してできませんので、協力してくれるように促す力が大事になるのです。

また、この巻き込み力があるかないかで、マーケティング施策の結果を分けます。マーケティング戦略を立案し、施策事項をまとめてプラン通りに100%実行したけれど結果が得られなかったというパターンと、机上では完璧なプランとは言えなかったが、120%の結果を得られたというパターンの2種類があるとします。この違いは恐らく、チームを鼓舞できたか否か、即ちメンバー全員を同じ目線とパワーで巻き込めたかどうかです。

巻き込み力・リーダーシップを発揮できる人は、結果を出せるマーケターとして活躍できることでしょう。

4-2.物事に愛着を持てる人

物事に愛着を持てる方、好きなものに対してこだわりを持てる人はマーケターに向いています。

マーケティング職は専門性の高い領域であるため、自ら主体的に行動し、専門性を高めていく必要があります。その行動を起こすための原動力はシンプルに自社製品を「好き」であることです。自社のプロダクトやサービスを好きであれば、専門性を高めるために勉強することはもちろん、より良い戦略を立てるにはどうするかという思考を持ち、結果にこだわることもできます。

働く上で「仕事としてこなす」という考え方もありますが、仕事だから業務を行うといった義務的な考え方では視野を広げることができず、マーケターとしてのアッパーが来てしまう可能性があります。「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、まずは自社製品に愛着を持つ事、それができる人は優秀なマーケターになれるでしょう。

5.キャリアアップに求められる経験やスキルとは?

マーケターとしてのキャリアパスは幅広くありますが、大きく分けて2種類です。管理職となり経営サイドの部門への転身する道と、マーケターのスペシャリストとなりプロになる道です。それらの道に確実にキャリアアップするためにはどういったスキルや経験が必要になるのでしょうか。ここで解説していきます。

5-1. マネージャーや役員などの管理職へ昇進するために必要な経験やスキル

将来的に、事業全体や経営などに携わりたいと考える場合には、マーケティング領域にこだわらず、広い視点で見る力が大事です。

役員や管理職など、経営戦略を考える立場ともなれば、1つの分野だけでなく事業全体に対する結果を追う必要が出てきます。会社や事業に対する売り上げへの影響、組織へのインパクトなど、包括的に見て戦略を立て、評価することになり、あらゆる視点で見定めることになります。

広い視点を持つには、自身が携わっている領域にとらわれないことが重要です。自分が関わること以外で知らないこと、をまずは知ること、そして俯瞰的に物事を見られるようになることです。行うことの領域に制限をかけなければ、どんどん視野が広がり、全体組織の課題なども把握しやすくなります。

5-2. マーケターのプロとして進むために必要な経験やスキル

マーケティングのプロとしてキャリアを広げていく場合に、絶対的に必要になるのがまずは実績の数です。過去に成果を出してきた、という実績がなければプロとは言えませんので、成功だけでなく失敗も含め、実績数が必要になります。

また、スキルというよりは素質になってきますが、他の人に負けないレベルでなければプロではないため、こだわりを持って突き進む力が必須です。ゼネラリストというよりはある領域に特化し、専門性を高め、その領域で実績数をこなし勝ち続けることが大事です。その結果、市場価値が上がり、他者から見て「プロ」という評価を受けることができます。

まとめ

マーケターとして活躍するために必要なスキルや経験についてご紹介しました。マーケティング業務である、戦略立案やデマンドジェネレーション活動などを進める中で、さまざまなスキルを身につけることができます。経営側の視点も鍛えられることができるため、マネジメントや経営サイドのキャリアにチャレンジするなど、マーケターとしての経験を積み重ねることで、さまざまなキャリアパスが広がります。

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