この記事で分かること
・営業職と顧客満足との関連
・顧客満足に関わるカスタマーサポートやカスタマーサクセスの役割
営業職と顧客満足度の関わり
お客様が商品を買うか買わないかは、営業職にかかっています。会社の一員である営業職は、お客様にとっては会社の代表と言えるもの。そのため、営業職と顧客満足の関わりが深いものであることは間違いありません。
それでは顧客に深く満足してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。まずは顧客が満足をする仕組みと、逆に不満を覚える仕組みについて確認していきましょう。
満足に関わる動機付け要因
動機付け要因とは、顧客の満足に関わる要因のこと。名称からはイメージしづらいですが、顧客がどのようなときに満足するかを考えると分かりやすいです。顧客は、想定通りのものに関しては満足をしてくれません。期待以上のものを提供されて初めて喜び、リピートしたくなったり誰かに教えたくなったりするものです。このように、顧客が商品やサービスに抱く印象を左右するプラスアルファの要素が動機付け要因です。ひとことで言えば、お客様を感動させる行動となるでしょう。
不満に関わる衛生要因
衛生要因は動機付け要因とは逆のもの。顧客の期待を下回ってしまう対応のことだと考えるとよいでしょう。たとえば商品に初期不良があったのになかなか返金や交換サポートが受けられないと、顧客の信頼を損ねてしまいますよね。しかし、不手際に対して真摯の対応することで、逆に信頼感を増してくれることもあります。
顧客満足について考える際には、満足度を高めるためのプラスアルファの要素だけでなく、下げないための対応や、挽回するための対応も重要になってくるのです。顧客と最初に接点を持つ営業職はたしかに顧客満足度と大きく関わっています。営業担当から顧客に対して商品やサービスについての意見を求める「ヒアリング調査」を行うことも重要でしょう。
しかし、営業担当は常に新規顧客や新たな契約を結ぶために動き続けなければなりません。そのため何かあった際に過去の顧客にさかのぼってサポートを丁寧に行うことは難しい場合が多いです。営業が対応しきれない部分をサポートし、顧客満足度の向上につなげるためには、カスタマーサクセスやカスタマーサポートといった職種が重要になってきます。
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスとは、その名の通り顧客の成功体験へ向けてサポートを行う仕事のことです。自社のサービスを顧客に継続して使い続けてもらうために、顧客が不満を抱える前に先んじて解決するのが主な仕事となります。
特徴としては、待ちの姿勢ではなく能動的に顧客にアプローチを行う点が挙げられます。課題や問題が発生してから対応するのではなく、課題が生まれる前にアプローチを行うことが求められます。たとえば商品を購入したものの使い方が分からないとか一部の機能しか使えていないとなれば、顧客は不満を抱えている状態になります。そうならないように先手を打って行動していくことがカスタマーサクセスには求められます。
顧客が商品やサービスを使うにあたって何も不満がなければ、解約にはつながりません。カスタマーサクセスは、商品やサービスを利用することで顧客が常に満足した状態にいられるようにするのが役割です。
カスタマーサクセスの具体的な仕事内容
カスタマーサクセスの役割は会社によって細かい点は異なりますが、大まかな共通点について確認していきましょう。
解約の防止・継続率の向上
カスタマーサクセスは、営業というよりはコンサルタントやトレーナーに近い存在と考えると分かりやすいです。月額課金制のようなサブスクリプション型のサービスにおいては、継続してもらうのが最重要。顧客が解約をしようと思うのは、不満がたまっているからです。カスタマーサクセスは、顧客に対して自社のサービス・製品をどのように使えば成功体験へとつながるかを伝えるのが仕事です。サービスに対する満足度を上げることで解約防止へとつなげます。
顧客が自社の商品を使うことでどんなことを実現・達成させたいのかをきちんと把握し、そのために商品をどう使えばよいかを提案します。顧客の満足度が上がれば、さらなる商品の購入にもつながります。
顧客のニーズを吸い上げてサービスに反映させる
カスタマーサクセスは、実際の顧客と接するシーンが多い職種です。そのため、どの部署よりも顧客が抱えやすい課題や、潜在的に持っているニーズについて把握できる立場にあります。常に顧客のニーズを吸い上げて、必要な情報を商品やサービスの開発部門にフィードバックすることで、顧客の満足度が高いサービスへとアップグレードさせることができます。
カスタマーサポートとの違い
それでは、カスタマーサクセスと混同されやすい「カスタマーサポート」はどんな役割でしょうか。カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせを受け、問題をはっきりとさせたあとに電話口で対応したり、専門のスタッフを派遣したりすることで問題を収束させるのが業務です。カスタマーサポートでは、お客様の問い合わせを受けるところが仕事のスタートなります。位置づけとしてはサポートとあるとおり業務支援と言えるでしょう。つまり、カスタマーサポートは問題が起きたあとに対応するのに対し、カスタマーサクセスは課題が生じる前に顧客にアプローチをする点が大きな違いとなります。
営業職やカスタマーサクセスによって、顧客満足度の高い状態をキープできればよいのですが、必ずアクシデントは発生します。アクシデントから解約につながることは非常に多いのでいわばカスタマーサポートは最後の砦とも言える重要な存在です。
顧客満足度を高めたり維持したりするためには、最初の窓口となる営業、起こりうるアクシデントを先んじて解決するカスタマーサクセス、そしてアクシデントが起きた場合に迅速に対応するカスタマーサポートの三者の協力や支え合いがとても重要になります。