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デジタルマーケティング支援サービス「EMC(エンゲージメント・マーケティング・センター)」を主力事業の1つとして展開する株式会社メンバーズは、DXプロデューサー・クリエイターによるデジタルトランスフォーメーション推進支援を大企業向けに提供開始することを2020年8月5日に発表しました。
新しいユーザー体験の創出や生産性の向上、LTV(顧客生涯価値)の向上等のビジネス成果を企業にもたらすことをゴールにしたサービスで、2021年3月末までに100名規模のDX人材の養成を目指すようです。
●支援イメージ・領域(例)
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000000106.html
発表されたDX推進支援の下地となったEMCという大手企業向けデジタルマーケティング支援サービスでは、3名〜100名で編成される専任チーム(ディレクター、デザイナー、エンジニア、データアナリスト、コンテンツプランナー)が、企業と顧客の接点創出(年間100億エンゲージメント)を目標に支援を行っています。
そこでは「EMCメソッド」というビジネス成果向上メソッドが導入されていました。
<運用高度化>(オペレーションコスト50%削減を目指す)
1. 運用設計
2. 運用カイゼン
<成果向上>(ビジネスKPI120%向上を目指す)
1. クリエイティブディレクション
2. メディアプランニング
3. 成果型運用
4. カイゼン・グロース
デジタルマーケティングが軸にあるメソッドです。
同社は、上記サービスでCSVマーケティング手法(経済価値と社会価値を同時実現するアプローチ)を推進してきましたが、同日に発表された「Vision2030」(2030年の目指す姿)では、1万人のデジタルクリエイター(主にデジタルの知見と社会課題解決能力を兼ね備える)が同じ価値観を持つ10万人のソーシャルクリエイターを育成・輩出することを目標にしています。
つまり、デジタル人材による社会的課題の解決をテーマに活動していくことを打ち出しました。
コロナの影響により商談がオンライン化するなど、デジタルトランスフォーメーションが加速すると言われていますが、まだまだ移行には課題があり、人材の不足もそのうちの一つですので、サービス自体が社会的意義のあるものとなっています。
DX人材の定義とは
DX人材に関しては、まだまだ明確な定義ができるまで普及が進んでいるとは言えませんが、独立行政法人情報処理推進機(以下IPA)では、DX推進人材を次のように定義しています。
・プロデューサー | DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む) |
・ビジネスデザイナー | DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材 |
・アーキテクト | DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材 |
・データサイエンティスト /AIエンジニア | DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材 |
・UXデザイナー | DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材 |
・エンジニア/プログラマ | 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材 |
IPAが定義するDX人材は、DX体制を作る側である推進者ですが、株式会社メッセージが開発やマーケティング系のDX人材を想定しているように、デジタルトランスフォーメーションを進めるためには、当然現場レベルでも推進する人材が必要となってきます。
ここで、経済産業省が定義したデジタルトランスフォーメーションを見てみましょう。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること”
出典:https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf
顧客や社会のニーズについて記載がありますが、顧客のニーズを肌で感じるのは顧客接点をもつ営業やサポート、最近ではカスタマーサクセスなどです。デジタルでの接点が多いですがマーケターもデータや数字から顧客ニーズを把握しようと努めています。
現場でも、どうデジタルやデータを活用するのか?顧客ニーズをどうデータから読みとっていくのか?逆に顧客ニーズをどうデータ化して活用していくか?などの視点が求められます。
このように営業やマーケティング側もDX人材と言えます。さらにガイドラインにあるように、「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革」して影響を受ける、どのメンバーも業務でデジタルを活用する人材となり、現場レベルでDX推進を行っていく存在となっていくのではないでしょうか。